見出し画像

バセドウ病とは 【今日の医療知識 vol.26】

1.バセドウ病とは

バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰に作られる、
甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気。
女性に多く(男性の3~5倍)、
中でも30~40代の方に多く見られる。

2.原因

複数の原因があると考えられている。
遺伝やストレス、妊娠・出産など。

体質の変化により、自分の甲状腺を異物とみなし、
甲状腺の細胞の表面にあるTSH受容体に対する自己抗体が産出される。
よって、常に甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンが作り続けられる。

3.症状

代表的な症状が3点(Merseburg の三徴)がある。
(1)びまん性甲状腺腫
(2)眼球突出
(3)頻脈(動悸や体重減少、指の震え、汗かきなど)

女性では、生理が止まることも。

4.検査方法

症状の確認、血液検査、場合によってアイソトープ検査を行う。
また、超音波検査を行い、併存する病気を確かめたり、
胸部レントゲンや心電図を行い、心臓の状態をチェックしたりすることも。

5.治療法

(1)薬物療法
甲状腺ホルモンの合成を抑える薬。
半年~2年程度の内服が必要。
2年経過後、薬を中止できる目途が立たない場合、
他の治療法を検討することも。

デメリットは、副作用の可能性があること。
副作用:かゆみ、肝機能異常、無顆粒球症など
治療開始後2~3か月間は副作用が起こりやすく、2週間毎の通院が必要。
また、治療効果に個人差が大きく、再発率が高い。

(2)アイソトープ(放射性ヨウ素)治療
放射性ヨウ素のカプセルを内服。
甲状腺に集まった放射性ヨウ素が放射線の力で甲状腺細胞を減らし、
甲状腺ホルモンの産出量を減少させる。
安全で効果が確実。甲状腺の腫れも小さい。

デメリットは、実施可能な医療機関が限られていること。
また、眼の症状が悪化する可能性がある。
放射線を使用する為、小児や妊婦・授乳婦では行えない。

(3)手術療法
甲状腺全摘出。最も早く、確実な治療。
全摘出後、甲状腺ホルモン薬の内服が必要。

デメリットは、入院が必須となること。
手術痕が残り、手術合併症が生じるリスクもある。

6.参考


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?