ALSとは【今日の医学 vol.10】
1.ALSとは
筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)。
筋肉を意図的に動かす運動神経細胞(運動ニューロン)が障害される病気。
指定難病2。
運動神経細胞は脳と脊髄にあり、
脊髄や延髄の運動神経細胞が障害されると筋萎縮が生じ、
大脳の運動神経細胞が障害されると運動麻痺が生じる。
病理学的に脊髄の側索がやられて硬くなることから、
この病名がついている。
1年間で、10万人あたりに1~2.5人新規患者が増える。
全国で約9200人の患者さん(平成25年現在)。
男性の方が多く、60~70歳代の年齢層に多い。
約5%は、遺伝子の異常によって遺伝する(家族性ALS)
2.症状
神経が障害を受ける為、脳からの命令が伝わらず、
力が弱くなり、筋肉が痩せていく。
体の感覚や眼球運動障害、失禁は見られないことが普通。
筋電図などの電気生理検査や筋エコー検査では、
病気の程度に合わせた異常が認められる。
一方、脳や脊髄のMRIでは異常を認めず、
血液検査や脳脊椎液検査でも異常を認めない。
一部の患者さんには、意欲の低下や性格の変化が見られる。
3.原因
不明。
神経の老化と関連があると言われている。
数年前に行われた「アイス・バケツ・チャレンジ」は、
ALSの研究資金を集める為のキャンペーン。
4.治療方法
常に進行性で、症状が軽くなることはない。
進行を遅らせる薬:リルゾール、エダラボン点滴
症状によって、リハビリを行う(対症療法)。
大多数は、呼吸不全で亡くなる。
人工呼吸器を使わない場合は、病気になってからおおよそ2~5年が余命。
人工呼吸器を使用する場合であっても、基本的には在宅での生活。
食事の飲み込みにくさが進行した場合は、胃ろうを行う。
→呼吸機能が悪くなってからの「胃ろう」の建設は危険が伴う。
5.参考
https://www.nanbyou.or.jp/entry/52
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