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短編小説集

99
私の書き下ろした短編をまとめたものになります。
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2021年3月の記事一覧

静 霧一 『絶叫、反芻、迷々』

「この分からずや!あんたなんて大っ嫌い!!」  放課後の教室に、絶叫が木霊する。  私は…

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静 霧一 『Fanaticism X』

   仄暗い部屋の中に、銀色のナイフが鈍く光る。  柄を握った手がカタカタと震え、手の平に…

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静 霧一 『春隣』

   古臭い六畳間で一人、窓を開けながら春の宵に謳う。  小さなお猪口には蛇の目の青い満月…

38

静 霧一 『Vinyl』

 月曜日の気怠い朝。  堅苦しい大人の黒装束を身に纏い、重い革靴の踵を鳴らす。  4階建て…

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静 霧一 『瘡蓋』

 白い朝日の木漏れ日を感じるたびに思い出す景色がある。  寝心地の悪い背もたれ、かび臭い…

34

静 霧一 『虚泡』

 天井を見上げると、世界地図のようなカビが黒く張り付いている。  浴槽から毎日のように天…

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静 霧一 『描写論争日和』

「おい、柏木」  嶺崎はカランカランと下駄を鳴らし、黒い着物の上に着た羽織をはためかせている。 「なんだ嶺崎」  柏木はいきなりの呼びつけにムッとし、スーツと同じ黒の革靴の先で、道端に落ちていた小石を蹴った。  嶺崎は足を止め、羽織から出た白く細い手で指をさす。  そこには、赤青黄緑の蛍光色にも近い色で塗られた家が四軒並んでいた。  その西洋建築であるその軒並みは、日本の田園の広がる風景の中に異様な空気を醸し出している。 「お前は、この景色をどう描写する?」  嶺崎はにや

静 霧一 『初夏の白百合』

「ねぇ、香織ちゃん。香織ちゃんって、神様って信じる?」 「神様?うん、まぁ……」 「じゃあ…

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