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中原淳一がリアルタイムの『それいゆ世代』が羨ましい。(レトロチック女子・その3)

今回アップするのは、昭和二十~三十年代初め頃の女性のイメージで描いたイラスト。2019年5月にインスタグラムにアップしたものです。

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頭に巻いたスカーフがちょっと『忍者』に見えてしまう点は今後の課題としてw、今回は、彼女の顔に寄せた『』に注目。……はい、中原淳一の影響がチラリと見え隠れ。身の程知らずですみません。もちろん、技術や表現力については中原氏の足元にも及ばない……どころか、姿すら見えない後ろの後ろ、ここから隣町の駅前にあるスーパーの更に一番奥にある生鮮売り場くらい、いや、それ以上離れていることは自分でも十分承知しております。でも何かそんな雰囲気のものを描いてみたかった!(ごめんなさい)。

さて。ここで少し、話の焦点を『中原淳一』氏の描く女性たちに。

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戦前から戦後にかけて活躍した中原淳一。中原氏が描いた女性たちの優雅な美しさは言うまでもありませんが、その美しさを際立たせている重要ポイントの一つになっているのが、様々なポーズで添えられた表情豊かな「手」。プラスされた際に発揮するその美しさたるや、まさに神技。誰もが一瞬で魅了されてしまいます。

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例えば実際に美しい女性に会うと、女性の私でもハッとする時が。ただ、顔の作りの美しさ……というよりも、その人が醸し出す「雰囲気の美しさ」に注目し、そこに羨ましさを感じているように思えます(たとえるなら……高原の爽やかな涼風。そんなイメージ。)。で、そんな雰囲気の美しさを感じさせる重要ポイントの一つになっているのが、やはりその手の美しさ。仕草(所作)の美しさだったり、もちろん、肌の美しさだったり。

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そして中原淳一の描く女性たちも、そんな、着飾ることやお化粧だけでは出せない『雰囲気の美しさ』、そのために必要な『女性の手の美しさ』の重要性をしっかりと教えてくれている気がします。

しかし。それにしても。

デザインやイラストといった「絵」という枠の中だけではなく、文章・手芸等の様々な形で、美しさに有益な様々な知識・的確なアドバイスを当時の若い女性たちに向けて多数発信していた中原氏。そして、そんな中原氏をリアルタイムで体験したそれいゆ世代。……いいなぁ。何だか凄く羨ましい。「それいゆ」「ひまわり」等に夢中になった当時の女の子たちが堪能したであろう数々の「慎ましやかで品のある美しさの文化」が、とてつもなく。……もちろんその文化をリアルタイムで堪能した方々が、戦争を経験された世代であることは間違いなく、受けられた悲しみや辛さは私のような者には計り知れないものがあり、その世代の方々に対して「羨ましい」などと軽々しく言うべきでないのは。ただ、私たちの世代ではそうは学ぶことができなかった「奥ゆかしさ」「純粋さ」「気高さ」といった内面の美しさの重要性を、中原氏が作られた雑誌や描かれたイラストを通じて身に着けていく…という(今の時代には無い)気品のある情報の関係性には、どうしても憧れてしまうのです。

それと、「それいゆ」「ひまわり」を読んでいたという(今は亡き)母と同じ又はその前後の世代の高齢女性の方々の雰囲気や言葉遣い、手紙の文章・文字等に、今の時代に無い「品の良い美しさ」を感じることが多々ありますが、ひょっとすると中原氏の教えも少し関係しているのかも?と今ちょっと思いました。

あれ?ウソ…ちょっと待って……

……はぁ。

ふとキーボードを打つ自分の手を見て、その現実にため息が。これまで全くきにしていなかったその手に、長く生きてきた年輪がチラリ。まぁ、全然気を使ってこなかったのだから仕方が無いか。

言っても、私にとっては生まれた時からの長いつきあいの大切な手。今からでもできる限りのことはしてあげなきゃ。仕草にも少しは気を遣えばカバーできるかな。箸の持ち方・手渡しの際の所作……今からでも、僅かにでも美しい方向に改善できることがあるかもしれない。……少し頑張ってみます、それいゆ世代のような「品の良いおばあちゃん」を目指して。

尚、イラストで描く手には、確固たる美しさを追求していく所存です。

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