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腕のいいカウンセラーにかかりたい2

前回の記事、「腕のいいカウンセラーにかかりたい」では、次のようなカウンセラーは、「まあまあ悪くないカウンセラーなのではないか」という結論に至りました。

1.資格を確認(臨床心理士、公認心理師のダブルホルダーが今のところ日本ではおすすめだと思います)

⇒現場に出るまでにそれなりの年月がかかり、実習もあり、「カウンセリングは命に関わる」ということも学んできており、多くの人間の中からひとまずは選別されてきているため、それなりの力量と覚悟とリスク管理の術(すべ)を持っているはず。

2.研修歴について開示しているか、過去の栄光ではなく、今も研修を受けることを現在進行形でしているかの確認。孤独に独りよがりに実践していないかの確認。自分独自のオリジナル療法を検証なく使用していないかの確認。

⇒現在進行形かどうかが大事。水はためておくとよどんでしまう。流し続けていることで鮮度が保てるのと似ている。独りよがりではないことはとても大事。密室で行われる個別のカウンセリングだからこそ、透明性が大事。

3.論文や学会発表、書籍、ブログなどで実践や考えを形にしているか。出来ればそれを読んで確認してみて、納得できるか。自分の悩みを扱ってくれそうか確認。改善率などのシンプル過ぎるデータでのアピールをしていないか。

⇒何が出来るか、出来ないかの可視化があると、依頼していいのか判断がつく。心はシンプルに語れるものではない。

4.いよいよ一度直接悩みの概要を伝えてみて、まあまあ悪くない見立てをしてくれるか、まあまあ悪くない程度の安心感は持てるか。カウンセラーのことを完璧すぎるように感じないか。カウンセラーは普通に平均的に丁寧に接してくれるか。

⇒ここは主観のため、判断が難しいところですが・・・。「ほどほど」が大事だと思います。実際に会ってみる。ここのハードルが最も高いですよね。

5.一方で、はっきりと問題や方針を指摘してくれるか。特にクライエントさんにとって都合の良くない情報も含めて(見立てや方針により、カウンセリングが今はふさわしくない場合もあります。その時にはちゃんと説明して断ってくれるのも、「腕のよいカウンセラー」と言えるでしょう)

⇒出来たら、「うちではなく、ここに行くとよいかもしれない」とまで伝えてもらえたらうれしいですね。

6.カウンセリング後に「また予約してみようかな」と思えるか。(予約を無理強いしてこないことが大前提。分かっているけど継続的に通う気持ちにどうしてもなれない。ということもあります。心がまだ向き合うことへの準備が整っていない場合もあると思います)

⇒自分が取り組んでみたいと少しでも思えないと、そもそもカウンセリングの意味はなくなってしまう。カウンセリングはただ身をゆだねるマッサージではなく、自分も頑張るパーソナルジムみたいなイメージです。あなたの体の状態やペースを尊重してくれ、あなたの希望に沿ってくれるトレーナーが良いのと似ています。

一晩経って、また別の連想が出てきました。

スクールカウンセラーの例ですが、新人時代にかなりお役に立てたと感じる学校もあれば、中堅になってからなかなか貢献できていないと感じた学校もあるなあ。

今の方が確実に実力はついているはず。個人の力を超えた文脈がカウンセリングの効果には影響していると考えることができるかも。文脈はいかんともしがたい。

経験を積むと、その文脈を見取る力はついてくる印象はあるな。お役に立てる場合と立ちにくい場合の判断がつくようになるというか。

だから、腕もあるけど、時の運も正直あるなあと。

仮に、最初に挙げた1から6を満たしていても、カウンセラーが役に立ちにくい場合があるのが現実です。

このスクールカウンセラーの連想の場合で言えば、そもそも学校側がカウンセリングを必要としているかどうかの温度差があります。

公立学校は学校のニーズにかかわらず一律にカウンセラーが配置される仕組みになってきているので、「スクールカウンセラーの活用ニーズが今はあまり高くないよ」という学校もあります。

また、カウンセラーと関わる児童生徒、保護者、教員のお持ちのニーズと、カウンセラーが提供できる専門性とのズレが微妙にある場合もあります。

例えば、思春期青年期が専門のカウンセラーは幼稚園は専門外です。個別の保護者対応が得意なカウンセラーや、全体への講和、講演が得意なカウンセラーもいます。カウンセラーは万能じゃないのです。

そして、そもそものカウンセラー自身のがむしゃら度も違います。新人のがむしゃらさが評価される場合も、されにくい場合もあります。

これらは、あえてまとめてみると、カウンセラーと利用者の関係性という角度から考えることもできそうです。

カウンセラー単体の専門性、実力だけではこぼれ落ちる何かは、関係性という視点から捉えると、見えてくるものがあるように思います。

また、大前提の、関係性が生まれるための人と人の配置、人と人の出会いは、個人でコントロールできる範囲を超えています。

それはもう「時の運」としか言いようがないのではないでしょうか。今どきの言葉で言えば、ガチャでしょうか。カウンセラーガチャ。

しかし、その配置された関係性を読み解くことはできるかもしれません。ここは訓練やセンスがものを言うのかもしれません。

と考えると、

7.カウンセラーが、関係性をどう読み解くか。相談者にとって「なるほどなあ」と思えること。

シンプルに言えば、相談者であるあなたにとって、こぼれ落ちる何かをうまく拾ってくれる感じがする、「このカウンセラーは何か違う」という言語化しにくいけど確かに感じるフィーリングがある。

という条件が付け加わりそうです。

そもそもカウンセラーに出会う時点で、生活に何かしら困難があり、日常生活からこぼれ落ちる何かの受け皿を探している状況でしょう。

あなたが必要な受け皿をカウンセラーが敏感にキャッチして、大きな受け皿がそろえられたとき、カウンセリングが進んでいくのだろうと思います。

ここまで考えてくると、カウンセラーの腕は確かにあるけれども、他にもカウンセリングには必要な要素はありそうです。

カウンセラーの腕✕あなたのニーズ✕時の運

この3つのピースの関係性がうまくはまったとき、「腕のいいカウンセラーに出会えたな」と思えるのかもしれません。

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