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型にハマらない
何かしら自分の情報を登録する際に年齢を登録すると、まだ聞こえてこない肉体の終焉カウントダウンのボリュームが上がり始めるのかと意識が高まる。
すでに自然体で健康を維持するのは難しい。どれくらい時間と経済的なコストを健康に投資できるかを現実的に捉える他はあるまい。
横山やすしが亡くなったのは51歳。
賛否ある芸人だったが、あれほど芸人らしい人生もなかなかない。間違いなく一流の芸達者。面白かった。
横山やすしは西川きよしと対比されたこともあって、ずいぶんと破天荒な面が伝えられていたが、昔の芸人の多くがこうした世間ズレしていたと聞く。いわば昔ながらの芸人だったのかな。
昔の番組でテレビスクランブルという久米宏と横山やすしが組んだ生番組で遅刻して放送終了五分前にようやく登場したこともあった。久米宏の顔が怒りで引き攣っていたのが妙に面白かった。
私見だが、品行方正な芸人にさほど魅力を感じない。
そもそも芸人に品行方正さなど求めていない。程度と方向性の問題はあれど、できるだけはちゃめちゃで型にハマらない方がいい。
芸人に品行方正を求めてどうするのだろう?自分ができない非日常を見るのが芸なのに、馬鹿みたいだと思う。
芸人ではないが玉置浩二は芸人テイストの歌手である。一昔前にコンサート会場で客と揉めたりしてた。2010年のFNS歌謡祭をドタキャンして生放送に穴を開けたのは笑った。長瀬智也が放送中に言った「玉置さん、まだ間に合いますよ」はゲラゲラ笑った。
テレビ制作者は気の毒だったが、玉置浩二の歌は銭が取れる。上手いのは確かだが、それだけではなくて艶と言うか色気というか彼ならではの表現力はまさに職人肌を感じる。
色々な問題を起こした勝新太郎なんか最高だった。かの記者会見での「パンツはもう履かない」なんて誰が言えるだろうか。
そういう「型破り」は時代の波で失われつつある。
仕方がないとは思いつつも、同時に強烈な個性を打ち出すことがヨシとされない風潮も蔓延したような気がする。
それって誰のためだろうか。
横山やすし、玉置浩二、勝新太郎みたいな人が標準とは言わないけれど、万人受けしそうなモノには魅力を感じない。
寂しい時代になったものだ。