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長女の学校復帰後のプロセス~父親の関わり(父性)の回復と長女の学習意欲の関係~

自己紹介

こんにちは。臨床心理士のかちゆみこです。

オンラインでインナーチャイルドワークやアートを中心に使ったセラピーを提供するおかえりセラピーSUNを運営しています。
 
今回の記事の主人公、長女は、今年中学2年になりました。

バレー部に入り、日々、部活に、友達との遊びに、勉強に・・・と忙しい毎日を送っています。

小1、小2のときは不登校でほとんど学校には行っていない長女。
その間は、フリースクールに通い、小3新学期から学校に戻りました。

今回は「学習」という切り口で、我が家の長女のプロセスを振り返ってみたいと思います。

皆さんは、お子さんの「学習」について、どのように対応していますか?
 
もし、お子さんが不登校の問題を抱えていなくても、親にとってもお子さん自身にとっても「学習」って、学童期の大きなテーマですよね。
 
不登校も経験した我が家の長女のケースが、皆さんにも何か気づきの種をお届けできるかもしれないなぁと感じ、ご紹介させていただきます。

長女が小5のときに書いたコラムのリライトです。



夫婦間の「学習」に対する価値観の違い


 上の子たちが不登校だった時期、私たち夫婦はよく「学習」のことで口論になっていました。

ひどいときは、こどもそっちのけで、夫婦げんかにも発展・・・・。

当時の私の主張は「無理に勉強なんてしなくていい!こどもは、自分が好きなことを知ってるから、好きなことをしてれば大丈夫!!!」
 
一方、主人の主張は「やっぱり社会に出るなら、勉強はある程度、必要だ。別に、いい大学、いい会社を目指すために言ってるんじゃない。こどもの選択肢を広げるためにも、勉強はしておいた方がいい」
 
私たち夫婦の意見は、平行線のまま、こどもたちには学習の機会があまり十分には与えられずに過ごしていました。

私が無意識にこどもたちから父との関わりを奪っていた!?


そんな中、私は個人セラピーのセッションを受け、自分の内面を見つめ癒していく過程で、今まで我が家に起こっていた事態がようやくクリアに理解できるようになりました。

簡単に言えば、「父親力の欠如」です。

(とてもわかりやすいので、↓下の動画チェックしてみてください。)

@hearteducationcenter

父親の力って、実はすごく大事!父親にわざわざイクメンなんて言葉を使わず、100%父親でいてもらう時代になったよね🩵#インナーチャイルド #カウンセリング #コーチング #トラウマ #毒親 #アダルトチルドレン #癒し #ヒーリング #毒親

♬ Feeling Good Vibes - Thays B.M

我が家は、私が心理士だったということもあり、育児については、私の意見が強く、主人のことをこどもたちの前でダメ出しすることがよくありました。

今、思えば、私の実父の姿を主人に投影して「男への復讐」を果たそうとしていたのかもしれません。

(私のセラピープロセスについては、ここでは長くなるので、また、別の機会に語らせてもらいます)

知らず知らずのうちに、私は家の中から「父性」を排除し、こどもたちから父との関わりを奪っていたようです。

当時の私は、文句を言いながら、結局は、こどものことは主人には任せることができず、自分一人であくせくしていました。

こどもたちもみんなママっこで、主人も家の中に居場所がなかったと思います。

そのことに気づき、セラピーの中で「男への復讐」を目論む「傷ついた女性性」の部分が癒されていくと、自然と家の中に主人の居場所もあけておけるようになりました。

不思議ですが、その結果、こどもたちは父との関わりが増え、学校という社会へと戻っていきました。

(当時、仕事で忙しく、休日出勤も当たり前だった主人が、今では週1は在宅勤務で残業なし!の職場へ。物理的にも主人は家にいる時間が長くなりました。ほんと不思議 笑)

私の「学習」への捉え方の変化


セラピープロセスと並行して、自然と私の「学習」に対する捉え方もゆるやかに変わっていきました。
 
私の中にあった「勉強」へのネガティブな印象。
 
・・・とは言え、私が「学習」からもらった恩恵ってたくさんあるなぁってポジティブな側面を捉えなおせるようになったのです。
 
私が今、感じている学習からもらった恩恵は
 
・学習してきたことで得られた知識
・学習する楽しさ
・目標に向かって努力し、計画していくこと
・「うまくいった」「うまくいかなかった」どちらにしても、結果を受け取り、軌道修正していくチカラ
・今までの私の進路と仕事の土台
 
などなど。
 
そんな風に、私が学習から受け取ってきたポジティブなものを受け入れられたとき、私がこれまでこどもたちに「学習」の機会を奪ってしまっていたことに気づき、こどもたちの中の「学習したい」という気持ちを大切にサポートしていこうと決意したのです。
 
ここで、ようやく、主人とも「学習」に対する意見の歩み寄りができるようになりました。
 
「学習ってやっぱり必要だよね。今まで自分の意見を押し付けてばかりでごめんね。
 
学習ってこどもたちの選択肢を広げるものなんだよね。
こどもたちにも無理強いはせずに、だけど、学習の楽しさや必要性も感じてもらえるように、夫婦で工夫してやっていこうね。
 
私一人ではこどもたちの学習を見るのは難しいから、パパも積極的に関わってほしい」
 
こんな話し合いを夫婦でもてるようになったのも、こどもたちが学校復帰してからの時期です。

学習を通しての関わりから長女に伝わった父性


こどもたちが学校に戻ってからは、学習のことは全面的に主人にお願いすることにしました。

主人は、学生時代、アルバイトで家庭教師を長年してきていて、「教えること」の経験値も高かったからです。
 
最初は、主人もどう関わっていいか試行錯誤しながら、長女に向き合っていました。
 
長女も、今までパパとの距離より、ママである私の距離の方が近く、意見も私と同化して「勉強する意味がわからない」という感じだったので、パパとの関わり方に戸惑っている様子でした。
 
学校に戻ってすぐの長女は、学習に対しても、本当に、大変な努力がいったと思います。
 
クラスの同級生にとっては何分かで終わる宿題を、長女は何時間もかけながら、何度も何度もかんしゃくを起こしながら、それでもあきらめずに取り組み続けました。
 
私たち夫婦も、そばで長女を励まし、サポートし続けました。
 
主人が長女と「学習」を通して関わるようになって、父と長女の心の距離もとても近くなったのを感じています。
 
主人は長女の努力を認め、忍耐強く、長女に教え、長女は主人の教えを受け入れ、素直に課題に取り組みました。
 
主人は長女に対して今までどう関わっていいかわからないという態度でいたのが、長女との学習時間をもつことで、

「あーちゃん(長女)は集中力があって、ちゃんと話を聞けるところがすごい!!!」と長女のいいところを直に感じ取り、私にも喜びとともにわかちあってくれるようになりました。
 
長女は長女で、学習を通して、パパの優しさや、器の大きさ、知識の豊富さ、社会での在り方などの本質に触れることができ、

それまでのパパに対してのツンとした態度が柔らかくなり、パパに素直に甘えたり、わからないところを聞けるようになりました。
 
私が主人にダメ出しする姿を見て育った長女の中にはきっと「ダメなパパ」像が確立してしまっていたのだと思います。
 
だけど、私が主人を信頼できるスペースができ、私が間に入らず、パパと長女の直接の関係が生まれたことで長女は自分でパパの存在を実感でき、

「ダメなパパ」ではなく「パパって尊敬できる存在なんだ。すごい人なんだ」と、主人のすばらしさを素直に受け取れるようになったのだと感じます。


 長女は、そんなプロセスの中で、めげずに学習に取り組み、努力が実を結び始めました。
 
全くわからなかったことがわかるようになり、「学習」の基礎ができ始め、「学習」の楽しさも味わえるようになったのです。
 
はじめはカタカナを書くのもままならなかった長女ですが、今では継続のかいがあって、「わからないところはあーちゃんに聞こう」と友達からも頼られる存在になりました。
 
 

学習から得られた長女の自信(自己効力感)と積極性


長女は学習にコツコツと取り組んできたことで、先生にもその努力を認められ、テストの結果にも現れるようになり、長女の自信にもつながっていきました。
 
学童期の大切な発達課題として、自己効力感(自分にはできるんだ、能力があるんだという感覚)があげられます。
 
長女は、学習に真剣に取り組むことで、この自己効力感を育んできたのだと思います。
 
今、長女はクラスの中でも仲の良いお友達ができて、長女のもっている明るさや積極性も発揮できるようになりました。
 
それまでは「まじめキャラ」で周りにはとっつくにくい印象を与えていたようですが、小5になって学校でもクラスメイトの中で打ち解け楽しんでいる長女の様子を担任の先生からも伺い、私もとても嬉しく思っています。
 
長女は、また、パパとの関わりが増えたことで、「こんな風になりたい!」「こんなことを学びたい!」という未来への明るい展望や意欲にもつながってきているようにも感じます。
 
「中学生になったら、〇〇部に入りたい」
「△△高校に行きたい」
「大学にも行って学んでみたい」
 
未来への希望を抱きながら、今を生きる長女の姿をみると、あのとき、本当に学習の機会とともに、父との関わりを与えてあげられたことをよかったなぁとしみじみ味わっている今日この頃です。

「わたしは考えることが好きです。」


最後に、長女が小5のはじめに学校で書いてきた、谷川俊太郎さんの詩と長女の感想をシェアして終わりにしたいと思います。

2024年現在、まだ我が家のキッチンに貼ってあります♪

長女の感想を見たとき、これまでの長女のプロセスが蘇り、私も胸がいっぱいになりました。

「わたしは考えることが好きです。」という長女の力強いコメント。
 
考えることのすばらしさを、長女から奪わずにすんだこと。
本当によかったなぁと思うのです。
 
今回も長文、ありがとうございました。
 
もちろん、「学習」は学校に行かなくても与えることはできます。

皆さんもぜひ、この機会に、「学習」というテーマで見えてくるご自分のことやお子さんのこと、それから「父性」について振り返ってみてくださいね。
 
何か気づきなどあったら、コメントなどいただけると嬉しいです♡

※ 2022/3/25配信コラムのリライト

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