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カイロンリターン・・・自分癒しの終焉③

ぼちぼち書き進めているこのカイロンシリーズ。サブタイトルは「自分癒しの終焉」ですが、これは今も続く現在進行形のプロセスでもあります。

「終焉」という言葉の意味はいくつかあって、生命が終わること、死を迎えること。臨終、最期。死に臨むこと、晩年を迎えること。物事の終わりなど。こうしてみてみると、私にとってのカイロンリターンはこれまでの自分の死でもあったし、これから迎えるであろう本当の死、肉体を離れることへの準備でもあるのかもしれません。

終わりは始まり・・・占星学は異なる公転周期を持つ天体が生み出すサイクルの「美学」でもあり、天体が出生の位置に帰ってくるリターン(回帰)は人生のひとつの通過点でしかないとも言える。そして、星たちは回帰する度に人生の様々な面において変化を促し、人の心の成長を根気強く見守ってくれているのだと思います。

今日のカイロンは牡羊座17度(サビアン)。牡羊座の活発で能動的なエネルギーがいったん鎮まり、内に向かうとき。こうしてこのタイミングでカイロンについて書いているのも何だかしっくり来ます。

そもそもカイロンってどんな星?と思われる方もいらっしゃると思うので、今日はカイロンについて書かれたオススメの本を紹介します。

メラニー・ラインハート先生のカイロン本。けっこう分厚くて5枚切り食パン2枚分くらいある(笑)
私は中文版で読みました。この本にもずいぶん助けられました。kindle版もあります。

カイロンは1977年に天文学者チャールズ・トーマス・コワルによってカリフォルニア州のパロマー天文台で発見されました。土星と天王星の間に位置し、公転周期は約50.7年。小惑星・アステロイド(Asteroid)と呼ぶには大きく、惑星・プラネット(Planet)と呼ぶには小さいカイロンをプラネトロイド(Planetoid)と呼ぶ天文学者もいます。

70年代後半、いわゆる高度経済成長期にこの世に姿を現したカイロンは経済的な成功や物質的な豊かさだけでは満たされない心の癒しや魂の存在について様々なメッセージを伝えてくれる星として占星学の世界でも注目されるようになりました。

カイロンはギリシャ神話に登場する半人半馬の賢者ケイロンに象徴されるように心の傷、孤独感、疎外感、異端者、治療、癒しと結びつけられ、心理学者のカール・ユング の唱えた 傷ついたヒーラー(Wounded Healer)としてもその存在を知られるようになりました。傷ついたことがあるからこそ、人を癒すことができる。そのためには真摯に自分の傷と向き合い、まず自分自身の傷を癒すことが求められます。

ちなみにカイロンは日本語だとキロンと表記されることもあるのですが、私自身は何となく中国語での発音に近いカイロンの方が馴染む感じがします。

カイロンリターン は自分を含めた人間の弱さや脆さ、痛みや悲しみが持つ力にふれる体験でした。おかげでだいぶ心の風通しが良くなりました。

カイロンは土星には突破できなかった心の壁を打ち破ってくれた気がします。人生の土台を築く星・土星と自由と変革の星・天王星の間を取り持つ星だけあって、そろそろ視野に入って来た2回目のサターンリターンに向けて、幼い頃から抱えて来た心の傷を癒すべく、いろんなきっかけを持って来てくれました。

次回は心の傷と向き合い自分自身を癒すプロセスについて書いてみたいと思います。毎日の小さな積み重ねが長年の心の痼りをゆっくりと溶かしていってくれました。ちょうどカイロンリターンを迎えた時期、パンデミックで移動や出張も少なくなり、家に居て自分と二人きりで過ごす時間が増えたのも結果的には良かったのかもな〜今、振り返ってみるとそう思います。

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