掌編小説【あたりまえ】
お題「縁の下の力持ち」
【あたりまえ】
引っ越してきた家の縁の下をのぞいたら、ちいさな人が床を支えていた。
『縁の下の力持ち』がいる!
「あの…はじめまして」
ちいさな人は黙ってにらみつけるように、ぼくをじっと見た。ちいさな人の腕はちいさいながらも筋肉が盛り上がっていて、ものすごく力を込めているようだ。
「えっと…」
ちいさな人は、怒っているようにも見える。でもぼくは勇気を出して話しかけた。
「きみが、この家を支えてくれてるの?」
「あたりまえだ」
「すごい」
ぼくはびっ