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【学校での合理的配慮】娘の合理的配慮が許可されるまで

合理的配慮」は「障害者差別解消法」などによって、規定されているもので、

障害のある人が、障害のない人と平等に人権を享受し行使できるよう、過重な負担がないかぎりは障害・困難さを取り除くための個別の調整や変更を行うことで、事業者に対して提供義務がある

となっています。

私の娘は現在公立の中学生で、ASD(自閉スペクトラム症)と聴覚障害を持っています。

中学校に合理的配慮を要望、許可がおり配慮を受けている状態です。

この記事をご覧いただいている方の中にも、お子さまに何かしらの障害があり、学校に合理的配慮を求めたい方が多くいらっしゃると思います。

そこで、今回は私たちがどのようにして配慮をもらえたのか、その流れや方法をお伝えできればと思います。

【合理的配慮を申請する際のポイント】

学校においての「合理的配慮」を簡単に説明すると、

過重な負担(①)」がない限りにおいて、他の人たちと同じように学べるように、ハンディキャップのある人の要望を受けた(②)場合、個別の調整や対応を行うことで、学びの機会を与えること

です。

ポイントは二つです。

①過重な負担の場合は拒否されることもある

申請しても、内容によってはすべてが受け入れられるわけではないです。
学校側が金銭的人員的にどう頑張っても出来ない「過重な負担」の場合は、出来ないこともあるよーということです。

例えば、車いすの方は階段を使用できないため合理的配慮を要望し、スロープがついた、というように可能であれば対応してもらえますが、

視覚過敏で地下室を要望したが、地下室を作る予算はないため却下された、など、金銭的に難しい場合は要望が却下されることもあります。


②合理的配慮は要望された場合のみ

合理的配慮をもらうには、ハンディキャップがある人側が申請しないといけないよーということです。

つまり、配慮を希望する側の人が、ある程度現実的にその合理的配慮が学校にて実現可能なものかどうかを考え、要望する場合はその配慮の必要性を証明する準備をしなければいけません。


【現在、娘が受けている合理的配慮】

現在、娘が受けている合理的配慮は、

・学校内でのデジタル耳栓の使用:聴覚過敏対応

・英語の試験は別室受験:デジタル耳栓を外すため、集団教室では音が拾いすぎてしまうため

・遅刻、早退、欠席しても、日誌と与えられている(もしくはそれ以上の)学習プリントを行い提出すれば出席扱いとする:ASD対応

の3点です。

上記の合理的配慮は「ASD(自閉スペクトラム症)」と「聴覚過敏」によるものなので、持っている特性、障害によって内容は全く異なってきます。


【私たち行った要望までの流れ】

娘の合理的配慮をいただくまでの流れをザッと記載しました。流れは以下になります。

①診断を受けるまで
②小学校入学
③適応指導教室に入る
④中学校入学~現在

①診断を受けるまで

うちの場合、6歳の秋、小学校入学準備のタイミングでした。

保育園の担任の先生が気付き、小学校に正式に申請をして配慮をもらった方がいいということで保育園側から私に連絡が入り、まず保育園にて市のカウンセラーの方と子どもを交えて面談しました。これが10月でした。

その際に、カウンセラーの方がこの子は発達に特性があると判断、県内の病院を教えてくださり、私自身がその病院に電話をして診察の予約、12月下旬の診察の予約が取れました。

何度か通院し、1月にwiscⅣを受け、2月下旬、正式な診断がおりました。

電話予約から診断下りるまで4か月かかりましたが、これくらいの期間がかかるのが普通です。なので、入学のタイミングなどで希望する人は早めの予約をおすすめします。

ギリギリではありましたが、小学校入学前に診断書を提出できました。が、小5までは特に配慮は受けませんでした。

このころはまだ聴覚過敏には気付いておらず、ちょっと音に敏感な子だなーぐらいの認識だったため、こちら側が具体的な配慮内容を伝えられなかったためです。

②小学校入学

小学生時代はADHDやLD、愛着障害の子どもたちの方が集団生活が難しい場面が多く、おとなしいASDの娘は学校運営上問題にならないため、正直娘にまで手が回らなかったんだと思います。

小5あたりからASDの症状が強くなってきたことと、聴覚の過敏さが目立ち始めたため、再度同じ病院にて診察、聴覚過敏とわかったのですが、この時も学校には診断書は提出しましたが、特に要望を出しませんでした。

今思うと、診断書さえ提出すれば配慮してもらえると考えていた節がありました。


③適応指導教室に入る

小6になって過敏さが大きくなり、いよいよ教室での授業が難しくなってきたため、小学校側から適応指導教室をすすめられ、8月に面接、9月から適応指導教室に入りました。

が、あまり行くことができず。小学校では学校内にてデジタル耳栓の使用を要望、許可をいただきました。

小6の12月、担任の先生に中学校では配慮を希望している旨を相談、診断書や現在の状況や要望をまとめた書類を提出し、中学校でも引き続きデジタル耳栓の使用を許可していただきました。

この書類は診断書だけではなく、現在の状況やどういった配慮を求めているのかを具体的な書面で提出しました。

小6の時の担任に相談した際、書類を手渡され、そこに記入した形です。
市町村によってはこのようなデフォルトの書類が準備されていることがあるかと思うので、確認してみてくださいね。


④中学校入学~現在

中学校に入り、ASDの症状が強くなってきたため別室登校を希望、許可を得て他教室登校が始まりました。

このASDの症状については長くなるのでまた別記しますが、ASDは他人とのコミュニケーションに課題があり、社会性に特性あることが多く、娘もご多分に漏れずそのような特性があるため、聴覚過敏も相まって集団生活がとても苦痛になってきたようです。

また、デジタル耳栓ではCDの音が拾いにくいため、英語の試験は耳栓を外して受験するため、別室にて対応してもらっています。

また、自分がどんな状況で生きているのか、聴覚過敏をみんなに知ってもらおうと、夏休みの宿題でもあった「意見発表作文」のテーマは、自分の聴覚障害について書き、同級生全員の前で発表もしました。

ASDの娘にとっては、この「みんなの前で発表をする」というのは非常にハードルが高かったのですが、それ以上に「伝えたい」「同じように苦しんでいる人がいるかもしれない」といった思いが強かったようです。

授業に関しては、今は家庭科や音楽など実技科目は一般クラス、その他は別教室にて受け、体調が悪ければ合理的配慮の元、遅刻、早退、欠席してきます。

【まとめ】

今回は、合理的配慮とは何か、娘が配慮を受けるまでの実際の流れをお伝えしました。

次回は、この配慮をもらうまでの流れの中で見えてきた「乗り越えなければいけないハードル」について記事にしようと思っています。

また、そもそもまだ診断がおりていない、どの病院に行ったらいいの?といった第一歩の踏み出し方についても、わからないことが多いかと思います。

なので、病院の見つけ方や申請方法など、より具体的な方法をお伝えしたいと思っていますので、またお立ち寄りいただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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