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先輩からの教え【ソーシャルワーク】

私が社会人1年目で、特別養護老人ホームの夜勤をしているときに、
相談員をしていた社会福祉士の先輩に教わった言葉を
今でも大切にしています。

それは

『相談者が帰る際に笑顔で帰って行ったら、衣笠くんの勝ち』

です。

厳密に言えば、相談対応に勝つも負けるもないんですが、
相談者が”衣笠に話を聞いてもらってよかった”と思ったのか。
それを相談者が笑顔で帰られるのか。そうでないのかということで
考えてみてはどうかと私が理解できるように、
先輩は表現してくれたのではないかと感じています。

知識がないから。経験がないから。
自分にはこの仕事は向いていないんじゃないか
なんて考えたこともありました。
でも、そんなときにこの言葉を思い出すと、自然と目の前の相談者に対して最善の利益を考えようとする。知識も経験も関係ない。

”笑顔で帰ってほしい”

そう思えば、自然と相談者を受容し、
社会福祉士・ソーシャルワーカーとしてどうするべきかを考えられる。

それが出来れば、
相談開始時は悩み、下を向き、時には涙を流しながら話されていた
相談者が少しずつ顔を上げ、
「聞いてもらえてよかった。これからもよろしくお願いします。」
と笑顔で帰られる。
それを見て、私は嬉しい。
この相談場面での私の関りは間違ってなかったのかなと感じる。

”勝ったかな”

自身の支援がどうだったのか。とても明確な判断基準のように感じる。


社会福祉士実習生や新たに入職された職員の方に
「うまく相談対応するには??」
といった質問を受けた時にも、この話をいつもする。

その質問をされる背景には、
いっぱい知識がないといけない・制度を理解していないといけない。
そうすることが、よりよい相談対応につながる
と感じているのかもしれない。

もちろん知識は必要と感じる。
でも、それだけでいいとは思わない。

だから私は、”先輩からの教え”の話をする。

もっと理論やアプローチに基づいて伝えなきゃいけないと感じるが、
まずはイメージできるようにと考え、この話をしている。

こうしたら正解なんてない。
目の前にいる人は1人として同じ人はおらず、例え似ている相談であっても、同じではない。
十人十色。
それぞれがそれぞれに人生や歴史がある。

知識や制度にばかり頭がいくと、とにかく”繋ぐこと”に
目がいきがちになってしまう。

そうではなく、何が目の前の相談者にとって必要なのか。
”笑顔で帰ってもらう”ために、何が必要なのか考えることも
大切なのではないかと感じる。

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