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実録、生後半年の時の記憶

子どもの成長を横で見てると
ふと昔を思い出す事がある。

私もこれやったな、とか
私も同じ玩具が欲しかったな、とか
同じ情景を見た、とか

他愛のない事なんだけど

脳みその端っこにもなかった様な
全く記憶にない出来事を

子供と自分が重なり
急に思い出す事があるのだ。


我が子達は凄く記憶力が良い。

2歳くらいの時に出かけた事や
幼稚園であった事などを

思い出しては話してくれるので
よく覚えてるな〜と関心する

それに引き換え私はというと

何も考えてなかったのか

心当たりはないが壮大なトラウマで
記憶をなくしたのか

知ってはいけない事を知ってしまい
何者かの力で記憶を消されたのか


幼少期の記憶はほぼなくて
幼稚園時代などに思ってた事など何も
覚えてない筈なのに

それがたまに育児中に顔をひょこっと出すのだ。


前置きは長くなったが、
私の1番初めの記憶を語りたいと思う。

私が最初に見た
覚えている景色は天井だった。

ベビーベッドの中から、
柵に取り付けられたメリーを見ていた。

ぜんまい式でカタカタと
機会音と共にオルゴールが鳴り

ビニールのペラペラの
飾りがゆらゆらしながら回る。

THE 昭和なメリー。

私はそのメリーのオルゴールが凄く好きで
メリーが鳴り終わると

メリーが終わったよ!
もう1回つけて!

と叫ぶ。

すると母が歩いてきてメリーの
ぜんまいをギコギコと回す

すると、またメリーが回りだし
私はとても楽しい気分になる。

また止んで、

止まったよー!
早くー!

と母を呼ぶが、今度はメリーを
回さずに私の頭を撫でる

違うよ、
メリー回してよ!

と訴えるが
母は

「ミルクかなー」

と、全く筋違いな返事をして
部屋から居なくなる。

そして私は
自分が喋っているのに
何で言葉がわからないの?

と疑問に思う。
思うように喋れないもどかしさを
感じる。


これが私の最初の記憶だ。


この後は覚えていない。

私が高校生だった頃に

大好きだったメリーを
アルバムの写真で見つけ、母に

「このメリー、もうないの?」

と訪ねた。

すると母は驚く事を言った。


「そのメリー、あんたが半年になる前に

遊びに来た○○さんが壊したとよ。

4ヶ月とか、そのくらいだったかな〜。」


と‥。

(ちなみに○○さんは父の会社の人)


と言うことは、私は生後6ヶ月以前の
記憶があるという事になる。

胎内記憶と同じ。

ちなみに筆者は胎内記憶もあるが
我が家はオカルトを全く信じない家庭だったので
笑って済まされた。

当時嫌な気持ちになりそれ以降は
その話題に触れないようにしている。

何にも覚えていないポンコツが
胎内記憶はハッキリとあるのは不思議な話だ。

生後半年の私は

とても意思がはっきりしていたし
言語化こそ出来ていなかったが
ちゃんと話も出来ていた。

ちゃんと生きていた。

お母さんは笑顔だったし
清潔感のある記憶だった。

愛されていた。

私は我が子の前ではその記憶を思い出し
聞こえてると思っていっぱい好きと言った。

何にも覚えてなくても
色々あったりもしたけど



私はその記憶を胸に抱いて

生きてきたんだ。

ポンコツながらにね。

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