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映画 "キツツキと雨"

キツツキと雨

あらすじ

「南極料理人」の沖田修一監督が、無骨な木こりと気の弱い映画監督の出会いから生まれるドラマを役所広司と小栗旬の初共演で描く。とあるのどかな山村に、ある日突然、ゾンビ映画の撮影隊がやってくる。ひょんなことから撮影を手伝うことになった60歳の木こりの克彦と、その気弱さゆえにスタッフをまとめられず狼狽する25歳の新人監督・幸一は、互いに影響を与えあい、次第に変化をもたらしていく。そして、そんな2人の交流が村と撮影隊の奇妙なコラボレーションを生み出していく。2011年・第24回東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞。

https://eiga.com/movie/56032/

言われないとやらない言われたこともまともにできない若者 幸一に対して 45歳の克彦は苛立つ。
しかしなんだかんだと世話を焼いて声をかけてしまう克彦に根っこの人の良さと「善きお父さん」を感じた。

幸一からもらったゾンビ映画の脚本を 家に帰るのを待てずに街頭の明かりの下で読んで 感動して泣いちゃう克彦が可愛い。

さらにその脚本を幸一が書いていたことを知ったあとの幸一に対する尊敬が 年齢の差なんて関係なくとても純粋だった。

そこから克彦と幸一との距離感がぐっと縮まっていくのだけど 映画監督幸一との関係が良好になってゆくにつれて、克彦の無職の息子 浩一 との関係も徐々に変化してゆくのがまたいい。


先日「ゆとり世代って冷めてるとか言われたことしかやらないし常識がない」とこの前言われたのだけれど

多分仲良くなりたくないとか関わりたくないとか仕事をしたくないとかじゃなくて、関わりかたがわからなかったり近すぎる距離感が苦手だったり 理解してもらえないことに悲しみを通り越して諦めを感じてる。

こっちの気持ちを理解しようともせず常識を押し付けてきたりとか 信頼関係もないまま上司だからといって横柄な態度をとる大人に対する軽蔑もある。いろんなものがよく聞こえるしよく見えてしまう世代が故にわざと見えないふり聞こえないふりを している…気がする。

だから克彦さんのような大人との出会いって本当に大事で、自分の作ったものを上から目線でなく真っ直ぐ楽しんでくれたとか 
悩みを深刻にしすぎず、でも適当にあしらうこともせず上手に聴いてくれたりとか

時間はかかっても 見えにくくても ちゃんと 「自分」を持ってるんだよ 若い人たちだって。


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