数佳個展『花と魔法と』2/19—27【展示風景】
2/19より透明水彩でコミックアート作品を手がけるイラストレーター数佳氏の個展『花と魔法と』が開催されました。約2年ぶりとなる個展、今回は数佳氏が主に手がける植物や魔女といったモチーフを惜しみなく展開できるよう、広義に据えたタイトルで挑んでいただきました。
壁掛け作品計23点。ドローイング11点でスタートを切った本企画は、多くのファンの方にお越しいただき、大盛況な初日を迎えました。お越しいただいた皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
当日を迎えるまで、本当に人が来てくれるだろうかとずっと不安に構えていた数佳さんにとっても自信に繋がったことと思います。
今回はこれまでの個展でも珍しく、長時間の在廊に努めていただきました。たくさんのファンの方と挨拶を交わした貴重な時間であったと思います。
数佳氏はFANBOXを通じて多くのファンのことをしっかり覚えており、日頃から本当にファンのことを大切にしているのだと、数佳氏の活動姿勢を垣間見る意味で、きのねとしても良い機会でした。
展示風景1F
1Fの最初にお出迎えするのは「Haru call」。これまでも何度か観る機会のあった作品で、観る方によっては再会となる作品からスタートとなります。
「花と魔法と」ということで、魔女(ファンタジー)要素を最初に持ってくるレイアウトの意味合いもあります(横に「菊の魔女」もあります)。
1Fは合計で10点あります。
1F全体の光景。
1FはL字で二つの面に分かれています。
「夜行細工」の存在感がいいですね。額装もかなりこだわった1点だそうで、良い存在感を発揮しています。
「夜行細工」アップ。数佳作品の中でも暗めの色彩ですが、額も相まって美しい作品です。
「夜行細工」の横には鯱(シャチ)作品2点を展示。
数佳さん、シャチがお好きなんですって。今後もシャチシリーズ続けてほしいですね。
1Fには物販コースを展開。そこには11点のドローイング作品も並べました。
水彩作品とも異なる、いい意味でのラフなタッチのペン画シリーズで、こちらのファンの方も多いのではないでしょうか。
数佳氏にとっても、一番気持ちを楽に制作できるのがペン画とのこと。
一部アップ
ふくれた表情の子がいました。かわいいですね。
入り口入ってすぐには、お祝いで送られてきたお花と数佳氏のご挨拶。
自然光での景色
きのね1Fは横に広い窓から昼の限られた時間ですが優しい自然光が差し込みます。Twitterでも「#自然光で観る贅沢な時間」というハッシュタグでこの限られた時間でのみ見ることのできる展示風景をアップしています。
常にスポットライトで決まった光量を浴びせる営業時間とも違った表情を見せてくれる、まさに贅沢な時間であると思っています。
展示風景2F
2Fに入ってすぐに本企画のメインビジュアルである「花と魔法と」が出迎えてくれます。全体で13点展示されており、正方形のシリーズやFANBOXで連載もあった「ホタル」シリーズもこちらに展示しています。
メインビジュアル「花と魔法と」から、縦長の変形、珍しく全体をおさめた作品と並びます。右と真ん中の作品はマットが銀と少し変わった装いも注目です。
その横には正方形の3点。上の作品は今回コースターにもなった「立春」。
目を瞑った横顔構図も結構お馴染みになっていますでしょうか。
ご紹介した分が2Fの半分。黒壁によって全体的に作品が浮いているようです。明るい額や絵が美しく映えます。
同サイズの額装が並びます。今回来場者で多くの方が一際立ち止まって鑑賞されたという「星夜の渦」があります。
数佳作品には珍しい背景が全体的に描かれた作品です。背景と同じく青い服装で溶け込んでしまいそうですが、うまく輪郭が描き分けられており、技術の高さをうかがえます。
表情もとてもいいなと思います。
一人のキャラクターを描いた「ホタル」シリーズ。FANBOXではこのシリーズを経過を含め追うことができたのでしょうか(てんちょーもファンの方からお聞きしました)。旅先で現実でもよくネタになるあのお土産を買うラフイラストもあったようで、こうしたFANBOX情報もファンにとって楽しいですね。
本展示ラストのポジションを「amulet」が担いました。
花と魔法、2つの要素を強く感じさせる、ある意味もう一つのメインビジュアルに感じます。
2F残り半分。
2Fには、数佳氏へコメントを送れるようにペンと紙が設けられています。初日から多くの方からコメントをいただいているようです。数佳さんも毎度楽しみに箱を開けてはコメントをしっかり読まれています。
階段
階段を上がる際、アートプリント作品3点が2F作品より先に出迎えてくれます。暖色のライトで優しい色合いになっています。
2Fから階段へ向かうと見える景色
FINETEC
数佳氏の作品にはホルベインのFINETECという絵具が使用されています。観る角度によってキラッとなり、作品をより魅力的にしています。
ここまでさりげなく使用される例も珍しいですが、それでも有ると無いでは大きく印象も変わってくると思います。それだけ輝く効果は大きいです。
展示作品
■Haru call
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆
■308×400
■菊の魔女
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■332×272
■スミレとカプチーノ
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆
■110×140
■candle
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆
■110×130
■湯気と花
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■97×165
■好きの魔術
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■260×320
■好きの迷宮
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■262×325
■夜行細工
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■438×552
■鯱使い・tranquillo
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■420×328
■鯱使い・オルゴール
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■275×335
■花と魔法と
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■384×460
■花の氷
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■165×315
■冬日和のコート
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■225×314
■立春
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■215×215
■夜直(よたた)、木星のストール
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■215×215
■爽籟(そうらい)
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■217×217
■星夜の渦
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■263×325
■綿雪の魔女
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■272×332
■玉響
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■275×335
■ホタルのさがしもの
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■260×320
■海とホタルのリボン
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■258×320
■ホタルのかえりみち
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■263×325
■amulet
■透明水彩・アクリルガッシュ・色鉛筆・FINETEC
■372×447
きのねから見た景色
1週間展示の様子を見ていましたが、非常に熱のあるファンに恵まれているのだと感じております。数回にわたりご来場された方も珍しくなく、またお一人お一人がしっかり時間をかけて作品をご覧になっている姿が印象的でした。この1年ほどで額装にもこだわりを見せたことも伝わっているのか、額縁込みで作品を評価されるファンの方も多く、本当に数佳さんの作品が好きであることがこちらにも伝わります。また、数佳さんがファンの方を大切にしていると同時に、ファンの方もまたとても数佳さんを大切にしていることを感じられる良い空間と時間で、非常にあたたかみを感じます。これほどまで「作家とファン」の関係がすばらしいプレイヤーもそういないのではないか、本企画を通じて、こうしたこれまであまり知り得ることのなかった数佳氏と彼女の活躍の背景的な一面が見れたことはとても嬉しいことです。
最後に物販のご案内です。
ロックグラス【受注生産受付中】
遠方などお越しいただくことが叶わない方に向けて、現在確実にご購入いただける物販になっておりますこちらのロックグラスは、現在きのねBASEにて受注生産というかたちで販売中です。
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直径が70mmと手が小さめな方でも持ちやすいサイズになっています。
ロックグラスですが、小物入れに使いたいなど、お買い求めいただいたからからいろいろとお声を聞きます。
発色もしっかりしており、くっきりイラストが見えます。
ぜひ皆様にお手にとっていただきたいと思います。
受注生産は展示会期のみ受け付けております。ご注文はお早めに。
この度はきのねnoteをご覧いただき、ありがとうございました。
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