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「ポストカードじゃもったいないな」って

今回もDM作りのお話しです。
きのねではオープン当初より様々なDMを作成してきたのですが、作家が提示してきたキービジュアル作品によってDMの在り方を考えるようにしています。
それは例えば、マットな紙を使うのかツルツルで発色重視な紙でいくか辺りからスタートして、特色で金や銀を入れるか、レイアウトでは画面いっぱいに絵をはめ込んで大きく見せるべきか、文字や背景色、装飾を目立つように設けてグラフィックとして見せるべきか、などなどです。
そんな風にデザインを考える中で、時々規格にないサイズであったり、ポストカードサイズを超える大きめの印刷物にする場合があります。

今年分からピックアップすると、「MUNIMA個展」「みつやま個展」「大村雪乃個展」の3企画のDMです。

MUMINA個展DM
みつやま個展DM
大村雪乃個展DM

この3点だと、考え方としては「MUNIMA個展」「みつやま個展」パターンと「大村雪乃個展」パターンの2パターンあります。
前者は「作品をしっかりみせたかった」というのが一番の理由です。
ポストカードサイズだと、どれだけ大きく見せてもMAX15cm以下です。
MUNIMAさんについては、ディティールが細かくて、個々の動物の姿形まで意識が向けにくいかと思いました。みつやまさんの作品についてはポストカードサイズでも十分範囲としては納まる作品ではありますが、作品の持つ迫力を伝えきれません。さらに顔の一部にはほんの僅かながら鮮やかな黄色や青が見え、それらの色をパッと見たときに感じてもらうためにもポストカードサイズでは小さすぎると感じました。つまり、どちらも「ポストカードサイズではもったいない」キービジュアル作品だったのです。
後者の大村さんの作品では、「作品と文字との間に気持ちのいい余白を作りたかった」とトータルのデザインレイアウトを考えた結果でした。
静かな夜の景色(の作品)を展示会場でもゆっくりと観てほしかったので、そうした空気感をレイアウトに落とし込めたらと思い、このようなデザインになりました。サイズは100mm×120mmという少し縦長の変形サイズです。
こちらも欲しい余白が紙面上で欲しい作品サイズを計算したときに、ポストカードサイズでは納まらない、シルエットとしてポストカードサイズの縦横比があまり似合わないんじゃないか、などと考えながら制作しました。

誤解していただきたくないのが、ポストカードサイズで納まる作品は「その程度の作品だ」、という考えではないということです。
あくまで全体的な納まりを考えた末の結果ですので、ポストカードサイズが最適だと思えばもちろんポストカードサイズを採用します。
むしろ、変形DMは他のギャラリーさんに設置をお願いする場合、扱いにくいのではないかという点も考えながらサイズを検討する必要があると思っています。A4だと大きすぎて受け取ってもらいずらいのではないか、厚みのない紙では立てて設置したときにしなって他のDMの邪魔をしないか、など。

そういったことを考えると、ポストカードサイズである程度厚みのある紙での印刷が最終的に手に渡る時までを想定すると一番な気もしています。

今回はこの程度で。
またDM話を何か考えて投稿しようと思います。


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