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教科書に追われている学校現場

「この単元、5月上旬のですよ!終わってないなんてやばいですよ!」
こういった声が、毎年毎年聞こえてくるし、のんびり屋の私はよく言われます。

教師が持っている指導用の教科書(朱書き)には、何月から何月までと大体の実施する時期が指定されています。
それが元になって、各教科の年間指導計画は作られているわけです。
そういったことが、いつしか絶対的な文化になっているからか、教科書をいかにこなすかというスピード感にほとんどの教師は煽られています。

まぁ、私のように教科書は参考書程度に使っている人はそう慌ててはないと思いますが。

ほとんどの教師が、教科書の内容と単元末テストの実施と返却に必死です。
私はまだ10年ちょっとしか教員をしていませんが、そういった光景は、今も変わりません。

そして、年間指導計画通りの流れでこなしていく教師が、「仕事ができる!」と評価されがちであるというのが、これが結構厄介な学校現場の毒だと感じています。

私たちの仕事は、子どもたちが学ぶ喜びや難しさ、協同して学びを進める楽しさなどを、各教科等を通して『創造』する仕事だと考えています。
もちろんそれには、教科書を頼りにすることだってたくさんあります。
しかし、子どもたちは教科書の流れのようにはいかず、むしろ教科書を超えていきます。
そういった子どもがググッと学びを広げていく姿を、抑え込み(その教師本人はそのつもりはないと思いますが)、淡々とスムーズに無駄なく進めていくという様子は、結構多くの教室で目にします。
教科書は必要なものです。
でも、教科書に縛られ、追われ続ける教師って、本当に教師としての専門性をもっていると言えるのでしょうか。
疑問でなりません。

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