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今週のkinologue【12/20-26】

年に一度、クリスマスに教会で懐かしのカトリック聖歌を歌うのがお楽しみなのに、今年は歌うことなく終了。コロナで合唱禁止?去年は歌った気がするけどなぁ。本当は金曜日で仕事を納めたかったところを、どうやら世間は火曜日に仕事納めらしいと聞いてムリせず従うことに。23日で『〈主婦〉の学校』の上映が一旦終了、新年1/2より再開する。毎日発信してきたSNSをやめる勇気もなく、ここから1週間は紹介記事レビューでつないでいく予定。

金曜までに仕事が納まらなかった原因のひとつが、月曜にまたJ&Bに行って、5時間超えの濱口竜介監督作『ハッピーアワー』を観に行ったこと。その後のトークイベントを合わせたら7時間は劇場にいた。背中が痛くなるはずだ〜。睡眠不足のまま行ったので途中で寝ちゃうかもと思っていたが、全くそんな心配はなかった。観終わった後、しばらく「彼女たち」のことを考えていた。映画の世界に浸っているというより、長い時間観ていた「彼女たち」の日常の延長を想像していた。まるで身近な友達のことみたいに。たまに朝ドラを朝昼2回ずつ見ることが続くと起こったりするが、映画でそういう感覚が残ったのは珍しい。私のまわりの女性たちの濱口竜介作品評価は、賛否がはっきり分かれている。中でも、映画をよく観ている業界の人たちの方が「全然乗れなくてダメ」という人が多い気がする。私は正直どちらでもない。出てくる言葉がものすごく多いにも関わらず、コミュニケーションは言葉が全てではないというテーマ(と私は捉えている)の一貫性に面白さを感じながらも、同時に描かれる女性像に居心地の悪さも感じている。『ドライブ・マイ・カー』は『大豆田とわ子と三人の元夫』からの流れの岡田将生が楽しみで観に行ったので満足したが、『寝ても覚めても』でも感じた鼻につく湿度の高さがある女性像がやはり気になったのも確か。女性4人が主役の『ハッピーアワー』はキツいかなと思っていたが、尺の長さが凌駕していた。上映後のトークイベントで監督に熱く質問するのは20-30代とおぼしき男性たち。みんな何度も観ているらしい。文化村でのムーミンの上映初日、『偶然と想像』と初日が重なったので、どんな客層か見ていた。思ったよりは年齢幅があったものの、やはり20-30代男性が多い。彼らを惹きつけるのは何だろうか。間違いなく今年いちばん注目された監督の1人であり、オスカーのノミネートも現実味を帯びてきた中にあっても、毎年末に『ハッピーアワー』を上映しているという元町映画館の林さんとのやりとりを見ていると、きっとこの人は全く変わっていないのだろうなと想像させる。ブレないとか変わらないということがリスペクトなのか、、、と、その後は久しぶりに行った横浜SKYSPAのサウナ(女性サウナ室が広くなっててよかった!ほぼ貸切で満喫)で背中のこりをほぐしながら悶々と。とりあえずここまできたら『偶然と想像』も年内に観ないとね。

長くたっぷりといえば、今週はこちらにも。「民藝の100年」はとにかく展示点数が多い。柳宗悦のマメさとそれを支える執念と仲間、民藝運動はそれに尽きる。ある意味、濱口組にも通じるかもしれない。そして、俄然鳥取に行きたくなった。泊まりたい宿と行きたい美術館・本屋・映画館(ここも濱口組か!)が揃ったら、来年の旅の第一候補に決まりでしょ。

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