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老化にまつわるエトセトラ ④ぶったら大変なの

年寄りの皆さんもまだ若い皆さんもこんにちは。

歳をとると体のあちこちにガタがきます。わたしのそれは、思いもかけぬところ、心臓の下行大動脈からやってきました。「下行大動脈」って初めて聞いたけど、心臓から全身に血液が送られるその根元みたいなところです。

「血管詰まってるよ。心臓カテーテルやりましょう」

と即決されたのが50代後半。コレステロールや動脈硬化で狭まっていた血管を人工的に広げてすぐ翌日退院。高度医療万歳めでたしめでたし……それで何が変わったかというと、一生、毎日くすりを飲む生活が始まったのです。

処方されているのは俗に血液サラサラ薬と言われるもの。心臓から出るでかい血管にステントという金属の網でできた細い管が入っているわたしは、今度そこに血栓ができたらアウト、この世からおさらばしなければなりません。だから薬で血液をサラサラにするのです。

血がサラサラになっていいじゃないか、と思うでしょ。ところがどっこいそうは問屋がおろさない。(こんな昭和の言い回しができちゃう年代の人はみんな気をつけなきゃいけないんじゃないの?)

血がサラサラになる、というのは血がキレイになることではありません。血を凝固させないようにするのです。固まらないようにする、そうすれば血管の中で塊になって血栓化するのを防げますから。

だけど同時に、怪我で出血した時に止まりにくくなるのです。サラサラだから。

怪我なんかそうそうしないって? でも手や足を家具にぶつけたりはするでしょ。テーブルの足に自分の足をぶつけてイテテテとか、手をあげたらそこに棚があってゴン!とか。転ばなくても事故らなくても、何かに頭をぶつけることだってあるじゃないですか。

そういう時、この薬を飲んでいると血が止まりにくいのです!

具体的な例を挙げましょう。


先日、職場で廊下に出ようとして、ちょうど人が入ってきたので少しよけたら、肩が扉の枠のあたりにトン、と当たりました。トン、ですよ。その程度です。

ところが翌日、風呂に入ろうとして仰天! 肩の付け根あたりに5〜6センチのでかい桜の枯葉みたいなんがくっついているではありませんか。それは枯葉ではなく、真紫になった打ち身でした。自分で見てもギョッとしました。わたしが子どもで、誰かが見たら、虐待疑いで通報されるレベルです。

こういうのが、ぶつけたのも記憶にない場所にいっぱいできるのです。記憶にないったって、どこかでぶつけてるんですよ。でもあまりにも些細だから忘れちゃう。それが2日目になると大きな青タンとなって現れます。粗忽者なので知らない間に手足のあちこちに青タンができます。

血液サラサラ薬を飲んでいると、出血した時すぐには血が止まらないんです。ぶったその場所だけでなく、止まらなかった血が毛細血管からジワジワ広がるらしい。ですから本当にぶって痛い場所は小さくても青タンは拡大されちゃうわけで。

でね、手足ならまだいいんです。ちょっと痛いだけだから。問題は頭をぶった時。この間やったんですよね~~釣り戸棚の角でゴンと。痛かった。とっても。

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でも頭って、さわってコブができてるのを知るくらいで、どの程度青タンになってるかわかんないじゃないですか。ちょっと恐ろしい。コブはすぐに治って、今では触っても痛くないので、たぶん大きなあざにはなってないと思うんですけど。

頭ぶって、もしも内出血が止まらなかったらと思うとすごい恐いです。もうどうしたらいいんでしょう。頭も手足もぶたなければいいんですけど粗忽だからすぐそのへんにぶつけちゃうんで。

だからね、年取って悪玉コレステロールや中性脂肪が高かったら、酒とか美味いものは多少セーブして運動した方がいいですよ皆様。心臓の血管にステントなんか入れなくてもいいように。40代はまだ平気なのよ。でも50代過ぎると来ますわよ。

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