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【日記】退職してそれから

3月末に30年以上働いた職場を定年退職した。

本来ならば3月31日で仕事終了だったのだが、3月後半はこの間書いた「またかよ入院日記」の顛末で明け暮れており、心静かに皆さんにご挨拶をしたり片付けものをしたり、という状況ではなかった。とりあえず場所を空け、私物を怒濤のように処分し、息せき切って走るように入院してその後しばらくは寝たきりだった。

4月になってからも、退院はしたものの開腹手術の影響は大きく、「普通の生活」と言いながら半分病人のような養生を続けた。やっと以前のように動いても不都合がなくなった連休からは遠距離介護に向かい、かなり長い期間、実家であれこれ動いていた。だから「退職した」という実感が持てるようになったのはつい最近のことである。


退職して最も感じたのは、

身体が楽

である。

朝、目覚ましに起こされなくても慌てなくて良い。多少寝坊したって大きなトラブルにはならない。「何時までにこれ」「いついつまでにあの作業」と締め切りに追われない。根を詰めて夜中までPCに向かったりしないので肩こりがかなり改善した。
この「常に何かの期限や〆切に追われていない」というのがメンタルにすこぶる良く、気持ちが穏やかで安心して暮らせるというのを実感している。今までどれほど時間に追われていたんだろうと思った。

同時に、何曜日の何時からこの会議、のようなルーティンがすべてなくなってしまったせいで

曜日感覚が狂う

ということも体験している。

毎日が日曜日。
油断していると今日が何日で何曜日かわからなくなる。あれ、まだ5月だっけ、あれ、今日は土曜日だっけ? とすぐに混乱する。仕事の区切りが曜日感覚の源泉になっていたんだなあ。

同い年のオットは定年越え採用でまだ働いているのだが、木曜と土日が休みで朝から在宅している。そうすると、木曜が日曜みたいな気がしてくる。翌日の金曜は月曜感覚だ。なのにその次の日はまた土曜で、タイムリープというか時間をぐるぐるループしているようで変な気分だ。
認知症の老人が「曜日がわからなくなる」っていうけれど、毎日やることがなくて区切りがわからなければ認知症でなくても曜日はあやふやになるのだということがわかった。


動かなくて体調が変

というのも感じるようになった。だいたい、夜になっても疲れていないので眠れない。仕事をしている時は神経が興奮しすぎて眠れないということがあったが、今度は疲れてなくて元気だから眠くならないのである。
これはなんぼなんでも身体に悪いので、あまり行けていなかったスポーツジムに真面目に通おうと思い、がんばって実行している。それでも週に2,3回なのだけれど、
行かないよりマシだよね!?

あと、心がけて外を散歩するようにしている。
散歩は好きである。
犬を連れているわけではないので誰からも話しかけられはしないけれど、同じように歩いたり走ったりする人が来ると心の中で(こんにちは。お互い身体を動かしましょうね)と呼びかけている。犬の散歩の人には同様に心の中で(わんこかわいいですね)とつぶやいている。言わんけど。

さらにラジオ体操やストレッチ、ヨガなども取り入れたいのだが、なぜか気がつくと(やー、さすがにもう寝ないとね)という夜半の時間になっていることが多く、うまくできていない。
朝起きた時にちゃっちゃっと体操やストレッチをする習慣を付けたいものだ。

身体が楽というところにも書いたが、退職して何がよかったかというと一番はやはり

気持ちのゆとりがある

ということではないだろうか。
時間に追われ、背中から押されてつんのめるような感覚が今は無い。
退院直後は思うように身体が動かずボンヤリとした中で暮らしていたけれど、いまは、あれがやってみたい、これをやってみようか、という意欲が少しずつ出てきている。それがうれしい。

そういえば年の初めに「今年やりたい人生ビンゴ」というのを作ったのだった。まだ半年は過ぎていないけれど、ちょっとここでどこまでできたか答え合わせをしておこう。
どのくらいできたかな?

2024年5月末現在でのビンゴ状況

まず「手術をのりきる」は、できた。予後もよい。この先もがんばっていこう。「胃をいたわる食事」もできている。というか、お医者を変えたら結構調子よくなったので、いたわらない食事が時々出ても乗りきれるようになってきた。めでたい。

「残ってる仕事をしっかり」は、退職前の話だけれど、まあまあできたつもり。でもさらに残っちゃってる所があるのでそこは何とかしなければ。

「2泊以上の温泉」は手術前に行った。結構なお宿で結構なお食事で満足だった。今は腹にぎょっとするような真一文字の刀傷(12~13センチくらい)が入ったので、この先、温泉に行けるのはいつかなあ。自分的にはもう入ってかまわないのだけれど、見た人はおののくよね。腹に目立つ傷があって、かつ温泉好きな人はどうしているんだろう。

「身だしなみ」と「週1は丁寧な暮らし」も、まあまあやれている。要は時間があればできるんだ。せかされていないってことは重要だね。「実家に足繁く」も、できる範囲で行っている。これはまあボチボチと。

「体操」と「1日平均5000歩」は△を付けた。心がけてはいるけどやれていない。ここと、「家の断捨離」あたりが今後の重点ポイントかな。
そうそう、創作大賞があるから、参加することに意義ありでぜひ投稿したい。ここはがんばりたいな。

まあこんな感じで、入退院と養生を差し引いても

時間がある割にあまり何もできてない

というのが正直な所である。

「これをやろう」「いつやろう」と自分なりに計画しないと、何事も、遊びでさえも、何もできないのだということを実感している。
わたしはこれから長生きしたとしても余命300ヶ月くらいだろう(余命300ヶ月で90歳まで生きることになる)。その余命の最後の10数ヶ月は寝たきりかもしれないし、動けても病院かもしれない。

だとしたら、今のうちにやりたいことをやらなくてどうするんだ
そんな気持ちになっている。

ただし、退職すると時間はあっても

金がない

年金はあるが雀の涙である。
だからせめて、時々、肉を食べたり、ウニやイクラを食べたりするくらいのお小遣いは稼ぎたい。
今年は元職場のヘルプで単発アルバイトがいくつかあって1回はカニが食べられそうだが来年は無理だ。何とか温泉に行けるくらいの収入手段をこれから考えねば。

生きるのは大変よね。
みんながんばっていこう。

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