君とみつける世界の真理
君にとっての真理と、僕にとっての真理は違うと思う?
答え、知りたくない?
確かに、そう言われた。
夢の中で。
その言葉が私を変えてしまった。
朦朧とする意識の中、私は電車に揺られていた。かろうじて座ることが出来、それだけが救いと感じていた。
そんな中、かすかに震えたスマホを見ると見覚えのない謎のアプリが起動していた。
画面には「変わる」「変わらない」という選択メッセージだけ。ホームボタン長押し、電源長押しするけど何も画面が変わらない。
これはウィルスか、と思った。
そう思いながら、「変わる」ボタンを押してしまった。
もうどうでもいいから。
たくさんの、こうあるべき、未来の為にする計画。
ほんとうにどうでもいい。
まだ明るい電車の中で私は目をつぶった。
「君の名前は?」
「わからない」
「変わりたい?」
「変わりたい」
「見つけよう」
そう言った青年はありがたいことに俗に言うイケメン、しかもとても私のタイプだった。
正直に告げたら、そういう風にみえる、という謎の回答だった。
そして彼は自らを何者でもない、と言い私の手をつかんで歩き出した。
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