ハンターシェフ

「きのこを巡るわたしの冒険」著者、毒きのこ料理研究家、きのこハンター、ケータリングシェ…

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「きのこを巡るわたしの冒険」著者、毒きのこ料理研究家、きのこハンター、ケータリングシェフ。Twitter:https://mobile.twitter.com/kinokochef

最近の記事

毒きのこのレシピ⑥ツキヨタケ入りラタトゥイユ

Q:Youtubeやらないのですか? A:おそらく収益化しないのと話すの苦手なのでやらないです。 毒きのこを食べる動画は「有害情報の配信」の警告が来るらしく、その動画が収益に貢献しないようです。 ベニテングタケの動画でそうなるのでツキヨタケ食べる動画はBANされるのでは… でもお試しで一本投稿してみたい気はあります。 まぁ、日本で起きるきのこ原因の食中毒の第一位きのこ「ツキヨタケ」ですから残念ながら当然。 そんなツキヨタケを今日も今日とて美味しく料理していきます。 ※レシピ

    • 毒きのこの料理レシピ⑤魔酒アマニタ

      きのこの酒漬けなんて珍しい料理(?)ですが、ロシアではベニテングタケをウオッカに漬けて呑む習慣があります。 ですがロシアでもそんな酒名は無く、ホームメイドリキュールの製法でベニテングタケの学名呼び「Amanita muscaria」(アマニタ・ムスカリア)の名前を冠して「魔酒アマニタ」と名付けました。 アルコールとイボテン酸の症状のダブル効果でより酔いやすく、大量に飲んだら控えめに言って神と対話できるでしょう。 なので自分がどれくらいで酔うかの判断がわからず、本人の適正量を狂

      • 毒きのこの料理レシピ?はずれベニテングタケの野菜炒め

        毒きのこの恐ろしさは皆さんご承知の通りでしょうが、実は成分が期待通り入っているわけではないのです。 スーパーに並ぶプロが作る野菜や果物は、必ず甘みがあるなど期待通りの品質が保証されてますが、採取するきのこは自然のものなので成分が保証されておりません。 ベニテングタケにもそういった個体があり、正確に計測したわけではないのですが旨味も兼ねるイボテン酸が含まれてないと感じるのは口にするとわかり、実際に食べた味も市販の普通きのこ味で、いくら食べても症状が出ないです。 とある採取地の

        • 特殊きのこのレシピ②チチタケとなすのめんつゆおひたし

          このレシピはどこのご家庭にもあるきのこ専用冷凍庫で眠っているチチタケの簡単レシピ「基本のキ」です。 コレを覚えれば確実にチチタケをそばやうどんに入れて食べる栃木県民をもてなせるでしょう。 生の状態で切ると、成分が天然ゴムの樹液に似た乳液がもれて手や包丁にベタベタが残るのですが、冷凍すると乳液が出なくなるので自分は毎回冷凍してから使ってます。 それにきのこ全般に言えることですが、冷凍すると旨味が増す「冷凍熟成」されるのでなんでも冷凍保存してます。 【材料】 冷凍揚げナス  :

        毒きのこのレシピ⑥ツキヨタケ入りラタトゥイユ

          毒きのこ、特殊きのこの料理レシピ?カレーとの相性

          脳にきのこが生えてる(?)ハンターシェフは、普段から毒きのこや市販されてないアカヤマドリなど特殊なきのこを美味しく調理できないかと考えています。 しかし風味も食感もひとつひとつ違って、参考になる資料もない状態で全て手探りで試作しています。 そこで日本人ならではの発想で、とりあえずカレーに入れて相性をみる実験を行いました。 ベースの料理は「市販の中辛ルウを入れた一般的な肉野菜カレー」で、材料・作り方は市販カレールウの裏に書いてあるレシピと同じく作っているので詳しいレシピは割愛し

          毒きのこ、特殊きのこの料理レシピ?カレーとの相性

          特殊きのこのレシピ①チチタケと牛肉の赤ワイン煮込み

          市場になかなか出回らない、自力採取でしか手に入らない特殊なきのこ「チチタケ」と醤油・めんつゆとの相性はとてもよく、栃木県では「ちたけそば」として地元メニューとして親しまれています。 逆に醤油、めんつゆ系統以外のレシピはネットで探してもないです。 そこでチチタケのポテンシャルを食レポ書くほどによく知る自分は、洋食にも合うチチタケのレシピを考案します。 【材料】 牛こま切れ肉  :300g 玉ねぎ     :中サイズ1個 チチタケ    :70g コンソメキューブ:1個 水  

          特殊きのこのレシピ①チチタケと牛肉の赤ワイン煮込み

          毒きのこのレシピ④ベニテングタケと牛肉のワイン煮込み

          今回のレシピはベニテングタケの正しい使い方と言えます。 毒成分が旨味成分として働く効果以外でベニテングタケ自体の味は、ほぼないです。 塩漬けしたり茹でて毒成分が抜けたベニテングタケは市販のしめじよりも味がないです。 そんなベニテングタケ=旨味の調味料として捉え、ランクの低い牛肉をランクアップさせて高級肉の味に変えるレシピです。 【材料】 牛こま切れ肉  :300g 玉ねぎ     :中サイズ1個 ベニテングタケ :50g コンソメキューブ:1個 水       :50ml

          毒きのこのレシピ④ベニテングタケと牛肉のワイン煮込み

          チチタケ食レポ

          いまさら食レポを出すのも…といわれるくらい有名(きのこ界隈でのみ)ですがまとめていきます。 夏から秋に標高高めの雑木林に発生し、見分け方も… ・ちょっと触っただけで吹き出る牛乳色の乳液  ※自分は羽をつぶさず摘むようにイメージして優しく採取してます ・乳液に独特のチチタケ臭と乾いた時のネバつき ・ビロードのようにツヤのない茶色 と、ドクササコ、カキシメジなど茶色のきのこで毒きのこが多い中、上記全てに該当するきのこは少なく、慣れるとわかりやすいです。 食感が固めの高野豆腐の

          チチタケ食レポ

          毒きのこのレシピ③毒きのこのデュクセル深緑の魔女風

          デュクセルとはきのこや玉ねぎなどをハーブと合わせてみじん切りにしてペースト状に煮詰めたものです。 マッシュルームを入れたデュクセルを森林風というそうですが、森林とかおしゃれでポップな空間にはない山の奥の奥で採れる、しかも毒きのこも入ってるので「深緑の魔女」風と名付けます。 深緑を覗くとき、深緑もまたこちらを覗いている。 一度踏み入れたら帰って来れなくなるかもしれない深い深い森の奥、「それ」は存在する。 似た形状で死に至るきのこも多数ある中、選ばれた者にしか扱えない「それ」の

          毒きのこのレシピ③毒きのこのデュクセル深緑の魔女風

          毒きのこの料理レシピ②ベニテングタケ入りスモークサーモンカルパッチョ

          見た目からしてザ・毒きのこという感じですが…毒きのこです。 大量に食べた場合腹痛・嘔吐・下痢・発汗・精神錯乱・酒酔い状態などの症状が出ます。 あくまでも「大量に」なので少し食べるだけならせいぜい腹痛にも至らないお腹の膨満感と弱い酒酔い状態が出るくらいです。 なぜ毒きのこなのに食べたがるのか? それは上記の症状を起こす毒成分が後遺症が出たり、死に至るほど強くなく、体内で旨味としても働くとても美味しいきのこだからです。 世界中に食文化があり酒に漬けたり、家庭料理のレシピだったり

          毒きのこの料理レシピ②ベニテングタケ入りスモークサーモンカルパッチョ

          毒きのこ料理のレシピ①無限ベニテングタケ

          見た目からしてザ・毒きのこという感じですが…毒きのこです。 大量に食べた場合腹痛・嘔吐・下痢・発汗・精神錯乱・酒酔い状態などの症状が出ます。 あくまでも「大量に」なので少し食べるだけならせいぜい腹痛にも至らないお腹の膨満感と弱い酒酔い状態が出るくらいです。 なぜ毒きのこなのに食べたがるのか? それは上記の症状を起こす毒成分が後遺症が出たり、死に至るほど強くなく、体内で旨味としても働くとても美味しいきのこだからです。 世界中に食文化があり酒に漬けたり、家庭料理のレシピだったり

          毒きのこ料理のレシピ①無限ベニテングタケ

          アミガサタケ食レポ

          このきのこは見つけるのにほんと苦労しました。 まず発生する標高もゼロ〜1000m以上、場所も山でも近所の公園や家の庭からでも発生して、樹木種もイチョウ・サクラ・ケヤキ・モミ・マツなど広葉樹針葉樹関係なく多種多様で、なんなら木が生えてないところでも発生と捜索対象範囲は無限大! 毎年春先に色んな場所に車を走らせては空振りで終わり、どこにでも生えそうに見えてどこにもないきのこでした。 半ば諦め気味だった時、シャグマアミガサタケを捜索中に偶然発見しました。 まさか標高1800m台の場

          アミガサタケ食レポ

          シャグマアミガサタケ食レポ

          発生条件が特定の標高と樹木種に限定され、毒性の高いヒドラジン類を含む猛毒きのこ「シャグマアミガサタケ」 剥き出しの脳みそのような形状で見た目通りの毒きのこですが、食べられます。 ですがそのまま食べた場合、食後4〜24時間に吐き気・嘔吐・激しい下痢と腹痛、重症化すると発熱・けいれん・消化器系の内臓出血が発生と、おそろしいスペックですが沸騰水中で毒成分が加水分解され、科学的に毒抜き可能な毒きのこです。 「加水分解」と聞くとあまり馴染みのない化学反応に聞こえますが、人間が炭水化物を

          シャグマアミガサタケ食レポ

          平安時代の毒きのこ対処法

          2024年の大河ドラマ「光る君へ」放映中です。 大昔からきのこ好きな日本人、平安時代でも日常的にヒラタケ、マツタケなど食べていましたが、現代のように生産体制も整っておらず自然からの採取のため、毒きのこの誤食もあり中毒事故も起きておりました。 その証拠に平安時代の医学書「医心方」と「医略抄」に毒きのこの対処法が載っており、 「地を掘ってそこに水を溜めよくかき混ぜ、その泥水を1~2升(約1800〜3600ml)飲む」 「大豆を濃く煮てこの汁を飲む」 と記載されています。 泥

          平安時代の毒きのこ対処法

          壮大な後書き、作品裏話

          ※この記事は「きのこを巡るわたしの冒険」の巻末に書けなかったあとがきです。 ネタバレも含むのでよろしければ作品を読み終わってからお読みください。 お買い上げありがとうございます! ここでは作品で書かれた情報やエピソードがネタなのか真実なのかを解説して行きたいと思います。 まず本を書こうと思ったきっかけは「暇だった」からです。 毎年冬になるときのこも採れず豪雪に埋もれ、山は歩くこともままならず。 冬登山も体力、技術的に難しく、かつそこまで興味も無く…。 では狩猟はどうか?

          壮大な後書き、作品裏話

          Q.本って売れるの? A. …

          10月31日、ハロウィンに幻冬社から「きのこを巡るわたしの冒険」が発売されます。 とりあえずAmazonだけ予約リンク出来ました。 後々楽天など各種電子書籍(下記)でも配信されます。 是非お買いください。 https://amzn.to/3e7hASH よーしこれから5億部売るので芥川直木賞春樹と呼んでもらって構わんぞー苦しゅうない! …と、言いたいところですが、本は中々売れないです。 紙媒体の場合ですが最初に発行される部数はまず1000部で都内数十ヶ所で販売し、売れ行

          Q.本って売れるの? A. …