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【Vol.8】Why are you here ?

直訳すると、「あなたはなぜここにいるの?」というこのタイトル。

リクルートの文化である、「お前はどうしたいんだ?」の英訳を考えた時に行き着いたのが、「Why are you here?」だったそうです。この文化はすごい。"圧倒的な"当事者意識と呼ばれる、全員が全員の仕事を自分事として捉え、より良くするためのチャレンジを惜しまない。本当に、成功が大好物な会社だなと思います。

お前はなぜここにいるんだ?

2015年4月、マネジャー候補として、未経験の業界に"元リク"という不思議な視線を感じながらいまの会社に入社しました。やったことのないマーケティングリサーチ。想像以上の細かさと複雑な業務に苦しみ、初めてのマネジメントという業務にもがき、悩みながら前に進む中でいろいろなことを考えてきました。

ある一定の成果を認めていただき、昨年7月から営業部長というポジションを張らせていただいていますが、経営にまた一歩近づいた中で、また違った難しさを感じながら日々もがき続けているのが現状です。

そんな中で最近、新卒採用の座談会や説明会などにも登壇させていただくようになり、学生との接点が増える中で、必ず聞かれることがあります。

「なんでリクルートを辞めたんですか?」
「なんでいまの会社にいるんですか?」

自身のキャリアの話をすると、ほぼ100%の確率で最初の質問はこれです。まぁ、そらそうだわなと。

先日、リクルート時代に上司や先輩にいただいた言葉を自身の体験と共にまとめて記事を書きましたが、ここに書いてある通り、リクルートという会社には、感謝してもしきれないぐらいの感謝をしていますし、恩しかない。この会社に入って良かったと心から思える大好きな会社です。

入社7年目、通期表彰(準)もいただき、ベスプラも常連になり、TOPGUN AWARDという素晴らしい賞もいただき、苦しかった問題児クソ野郎の時代を抜け、"さぁこれから!"という時になぜ辞めたのか。そして、なぜいまここにいるのか。について書いてみたいと想います。

これから目指すべき目標が分からなくなった

入社して5年が経過した辺りから、これから何を目指していくのかが分からなくなり始めました。いままでは、評価をされたい。良い仕事をしたい。その一心で仕事に打ち込んできたが、ある程度評価をしていただけるようになり、良い仕事と呼べる仕事もできるようになってきた中で、ある想いが自分の中にチラつくようになってきました。

これから何を目指していくんだろう?

とにかく我武者羅に、評価される・表彰をもらうことを目標に良い仕事をしようと遮二無二やってきた中で、この先に何があるのかが見えなくなってきた。そして、夢にまで見ていたTOPGUN AWARD受賞。自身がずっと追い続けていた状態目標に到達した瞬間に、次に目指すものが何かが描けなかった。

要するに、凄く甘いですが、燃え尽きた感じになってしまったんですね。当時の部長に辞めると伝えた時も、「飽きたんだろ?」と言われましたが、正直図星感はあったなと思います。

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ここから学ぶことは、メンバーが「辞めたい」と言ってきた時にどのように対応するのか。そして、どうやって「辞めたくない・働き続けたい」と心から思える環境を作ることが難しいということ。メンバーにとって、「出ていって良かった。」と思える状況もあるからなおさら難しい。

我々マネジメント側は、いかにメンバーのWillと会社のWill・Mustを繋げてあげるのか、どんな世界観を見せてあげるかが重要になります。そして、常に高みを"一緒に"目指せるような動機づけと、伸び伸びと働けるような環境を整備することが重要。優秀なメンバー(自分が優秀という訳ではなく)が、いかに飽きない環境を作るのか。もっとこの環境で仕事をしたいと思ってもらえるような状況を作るのか。そのためには、日々のメンバーとの対話の中で作り上げていくものであり、トップがビジョンを示してあげるものでもあると考えています。

豊田章男社長が、2019年の新年挨拶で社員に語った一言が、まさにこれを表していました。僕自身も、経営の一部としてしっかりと考えていきたいと思います。

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"皆さんは、自分のために、自分を磨き続けて下さい。トヨタの看板が無くても、外で勝負できるプロを目指して下さい。私たちマネージメントは、プロになり、どこでも闘える実力を付けた皆さんが、それでもトヨタで働きたいと、心から思ってもらえる環境を作り上げていくために、努力してまいります。"
~2019年1月8日_トヨタ自動車本社で行われた新年の社長年頭挨拶より~

大切にしてきたのは、お客様と一緒に儲けること

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ある程度仕事ができるようになってから、ずっと大切にしているのは、「お客様と一緒に儲ける。」ということ。いわゆるwin-winというやつ。お客様が儲かれば、広告費は増えるし、広告費が増えれば我々の売上も上がる。だからこそ、リクルートでは、大型のご発注をいただいたことを上司に報告すると、「それでお客さんはいくら儲かるんだ?」とよく聞かれていました。

自身がそれを大きく実感したのは、リーマンショック。当時入社1年目で正直よく分からなかったのですが、なんだか大変なことが起こっているということだけは理解していました。我々はお客様から売上を頂戴している中で、お客様のモノは売れず、黒字倒産をする企業が相次ぎました。帝国データバンクの大型倒産速報メールを毎日見て、気にしていたことを覚えています。

いま考えると、それと紐づけた時に、やはり自分達だけが儲かっていてはいけない。"お客様と一緒に儲かっていくこと、お客様に伴走すること。"それが大事だという想いは、自身が苦労してきた経験の中でいまも強くなっています。

お客様が儲かることを考え、お節介なことも含めていろんなことにチャレンジしてきました。うまく行くこともあれば、うまく行かないこともある。ただし、うまく行かない時の要因として、自分の提案力やヒアリングの甘さといった内部要因を除くと、外部要因のほとんどが「社内での意志決定が下りない。」「社内の慣習・慣例上その判断ができない。」「組織的にそれは承認できない。」というものでした。いわゆる組織の壁です。

いろいろな提案をするとは言え、所詮我々は媒体屋。究極はそれ以上でも以下でもない。「自分がお客さんの組織にいたらもっと変えられるのに。もっと良くなるのに。」ということをよく考えていましたし、「自分の頭を自分の組織のために使ってみたい。」ということを思い始めました。

企業の使命は、利益を生み出し続けること。そして、事業を通じて世の中をよくしていくこと。リクルートという会社が描いている世界観は十分理解をしていたし、魅力的だった。「世の中を変えてきた。」という自負や、今後も何かを創造しようという姿勢は大好きだった。でも、「この会社にとって自分は何の役に立っているんだろう?」という思いや、「この会社に自分が影響を与えることはできない」という思いは拭えなかった。

"力になって欲しい"という想いに応えたい

そんなことを想っている中で、いまの会社の求人が、Facebookのタイムラインに流れます(@Wantedly)。タイミングが良く流れてきたそのタイムラインにちょっと運命を感じた瞬間でした。

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思えば2006年、(なんとなく)学部卒で働くつもりの無かった僕が、インターンシップなるものはどんなものかと(なんとなく)訪れたインターンフォーラムでいまの会社と出会ったのも、"たまたま"でした。

そこから、ご厚意で夏のインターンシップに(たまたま)参加させてもらい(実は第一期生)、いまだに続く仲間たちと出会い、自分にいろんな経験や気付き・学びを与えてくれた会社。「働きたい」と思うきっかけを作ってくれたのは、間違いなくいまの会社です。新卒時は最終面接直前で辞退し、新卒で入ることはなかったけど、ずっと動向を気にしている会社でした。

思えば、インターン最後の飲み会で、「30歳で戻ってきます!」と生意気なことを言っていましたが、まさか本当にその通りになるとは・・・。

その会社が、いまこのタイミングでタイムラインに現れるってことに運命を感じました。その時のインターンが記憶に残っていなければ、Facebookが出来たタイミングで繋がることは無かったし、繋がっていなければいまここにはいない。だからこそ、大きな転機だったと思います。

すぐにエントリーし、軽い気持ちで受けた面接、何も着飾らずに素のままで行ったのですが、その時に言われたのは、「いまの営業組織を強化するための力になって欲しい。」という一言。

純粋に嬉しかった。素直に力になりたいと思った。どんなことをやっている会社かは知らなかったし、マーケティング・リサーチって言われても全然ピンと来なかった。でも、自分にきっかけを作ってくれたこの会社の役に立てることがあるのであれば、恩返しをしたい。そして、自分がリクルートでやってきたことが通用するかどうかを確かめたい。という想いで転職してきました。

あれから4年。いろんな経験を重ね、いろいろな想いもしてきました。4年を経て見えてきたことについて、そして、これから見ている未来についてはまた別の記事で書きたいと思います。

今回も、長文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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