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これって『バーン・アウト防火術』ですか?セクシー田中さん事件を受けた「これで怖がっちゃいけない」について

日テレ報告書別紙3p.9には「在京各社元プロデューサー5名」の非常識コメントが掲載されています。報告書では「●制作体制、制作期間について」や「●ドラマ関係者のSNSについて」など項目別にコメント掲載され、ここ(p.9)は「●今回のことを受けて」という項目なので、つまり「今回の原作者自殺」を受けてとも読めるし、批判的な読者はそう読んで当然です。以下に引用します。

・(●今回のことを受けて)「これで怖がっちゃいけない。安全にドラマを作る方法なんてない・・・」
・(●今回のことを受けて)「放送局としてはまず第一に社員を守ることが仕事・・・」
・(●今回のことを受けて)「若手プロデューサーの起用については、(トラブルになりやすいというのは)正直言ってあるとは思うが、それを恐れていたら駄目。失敗しないと学ばない・・・」

いや皆さん考えてみて下さい。この公式文書が、日本の子供にも、世界にも、将来に渡って、公開されるのです。この気持ちが上手く言語化できないのですが、皆さんはどうですか?(X上の罵詈雑言ではなく、上手く言語化したいのですが・・・よければコメント下さい。)

そんな言語化不能のモヤモヤを抱えながら6月14日に以下のニュースを見て、モヤモヤが晴れた気がします。

  • 6/14 民放連会長「民放連が共通のルールを作るということではなく、各社が今回の事案を踏まえて、自律的に自社の制作現場を点検することが必要ではないか」(産経新聞) - Yahoo!ニュース

最近、本質的に重要な問題に批難があつまると、誰でも激怒するような小問題を前面に置いて炎上させる方法がありますよね。小問題の炎上で燃料・酸素を不足させると、不思議と重要な問題への批難は燃え尽きる(バーンアウト)。このバーン・アウト防火術(*)と同じだと気づきました。

重要なのは「元プロデューサー」という点で、現職ではない。しかも日テレですらないと推測します。なので、日テレを守る目的においては、最悪批判が集中しても「日テレというより、業界全体の古い問題」と言えるので都合が良い。元Pの5人が「多くの人気ドラマを手掛けドラマ界を牽引してきた」(日テレ報告書別紙3p.6)なら、なおさら都合が良い。しかも、この報告書を受けて、民放連会長は「各社自己点検」(6/14)と言っただけなので、これも日テレには都合が良い。なぜなら日テレは「うちはもう、『自律的に』90ページも報告書を書いて、自己点検は完了済です!他社より一番早く!!」と言える。

私は最初に上記コメントを読んだ時、「燃える日テレが自ら油かぶる」ように見えて不思議でした。日テレ報告書別紙3p.9は、私が作るなら文頭の「燃料」は削除し、

・(●今回のことを受けて)「話し合ってコミュニケーションをとってやっていくしかない」
・(●今回のことを受けて)「クリエイティブに物を作る環境を整えるのが会社の仕事」
・(●今回のことを受けて)「失敗してもフォローが出来る体制を作っていく事が大事」

以上のように、文末だけ残します。でも、バーン・アウト防火(*)のための「燃料」だったなら腑に落ちます。

実は、各項目名に存在する下線が、最後の「●今回のことを受けて」だけ無いのです。バーン・アウト防火術で小問題(=燃料)に上手く着火するためには、この文言に工夫がいるので、修正履歴が気になります。普通なら「今後への要望・提言」等にすると推察しますが、これでは着火力が弱いですからね。

あと都合良く言質取られた元P達は、折角協力した日テレに着火されて何も思っていないのか、も気になります。流石に「自殺を怖れるな」と読める言葉を、子や孫に残すような人間は、令和には存在しないと信じたいです。

* 消防は、耐火防御壁(ファイアウォール)や破壊消防(江戸時代の家壊すヤツ)もあるのですが、延焼防止で着火するバック・ファイア(迎え火)やバーン・アウトみたいなやつもあります。火を活用した消火 | tpps (jifpro.or.jp)

参考:元記事や参考文献リスト (note.com)

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