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複業教師の収入を公開します


庄子寛之さんの記事

2024年1月16日の教育新聞のオピニオンがとても良かったので,
一部引用して紹介したい。

イベントに呼ばれる人は、頻繁に呼ばれる。またそのイベントが報道機関などで記事になる際にも、教育委員会に報告書を提出しなければならない。この繰り返しに疲れて、教員を辞める。優秀な教員をこんなことで手放すのは、とてももったいないことではないだろうか。

教育新聞 オピニオン 庄子寛之(2024-01-16)

このような教員界の現状を,保護者たちはご存知だっただろうか。
選挙権のある方達に是非知ってもらいたいと私は思った。

お世話になった上司や教育委員会の手前,
庄子さん本人は否定するかもしれないが,
まさに講演会や研修会に引っ張りだこだった小学校教員の庄子さんもこの状態だったと私は思う。

そんな庄子さんが副業・兼業について言及するのはとても意味深い。


なぜ教師は副業禁止なのか

公立の場合

公立が禁止にしている理由は「法律にそう書いてあるから」だ。

(営利企業への従事等の制限)
第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員については、この限りでない。

地方公務員法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000261

一般的に教委や校長は副業・兼業に関してとても慎重らしい。
外部で発信してほしくないのは,
「教員業界には隠したい闇でもあるのだろうか?」
と私は訝しんでしまうわけだが,
もしそうでないなら,庄子さんのおっしゃるよう,
首長や議会はルールの簡素化に動いてほしい。

「うちの自治体は簡素化してますぜ!」となったら,
先進的な教師が集まるかもしれないし,
そういう教育者が集まっている自治体と知れ渡れば,
一般の移住希望者も増えるかもしれない。

私立の場合

私立の教員は私企業で働く会社員と同じで,
学校法人が独自に作った雇用契約や就業規則を了承して入職する。

なので,副業禁止は独自のルールなのだが,
当初この禁止ルールを作った背景は,
単に公務員や一般企業に準じただけではないかと私は推測している。

こちらも公立同様,先進的な教員たちを集めることに成功すれば,
志願者が増え,受験料収入は増加するだろう。
そして,進学実績が上がることでさらに志願者が増える,という
サイクルに入ることも可能だ。

情報漏洩が心配?

教員の副業に関しては,
個人情報や入試情報の漏洩を心配する声もあるだろうが,
そもそも就業規則に守秘義務はある。

競業避止義務に関していえば,
学校と学校や,学校と塾は競業なのかという点が
はっきりと定義づけられていない気がするので,
今後の流れを注目してみたい。

副業・兼業OKの流れ

すでに先進的な取り組みや学校改革を進めている私立学校は,
専任にも副業・兼業を認める傾向にある。

2020.4〜2022.3まで私が非常勤講師として勤務した,
横浜創英中学高等学校工藤勇一校長は自身のXでこのように述べている。

これからの子どもたちは、ひとつの会社に就職して定年までなんて時代を生きることはほぼありません。 自ら起業したり、転職したり、副業・兼業したり、または特別な技術・技能で稼いだりする力、つまりは自分で考えて判断し決定し行動する力が必要です。

https://twitter.com/KudoYousan/status/1636884132482666496

とはいえ,「自ら起業したり、転職したり、副業・兼業したり、または特別な技術・技能で稼いだりする」経験のある教師は,日本にどれほどいるだろうか。
一般企業からの転職者は多少いても,
起業・副業・兼業に関してはほぼ存在しないのが現状である。


私は一般企業の転職,それも海外から帰国して教師になった。
それなりに希少価値のある教師だと自分では思っていたのだが,
だんだんと自分の希少性はオッサンの武勇伝並みに古臭いものになっていることに気づいた。

「もっと自分自身をアップデートしなければ」と,
外部の研修会,セミナー,ワークショップなどに積極的に参加した。
自分自身の社会性を拡張し,それを生徒たちに還元するためだ。

その結果,教師だけやり続けるのではなく,
「複業」する姿こそ私が目指したい教師のあり方だと思い,
10年務めた学校の専任教諭職を辞め,
現在は非常勤講師×フリーランスという,
副業ではなく「"複"業教師」をしている。

  • 講師には副業に関する障壁はない。

  • 基本的には会議も部活もない。

  • 授業が始まる前に出勤し,終わったら退勤できる。

  • 希望する曜日と時間帯で働ける。

  • 専任に比べると圧倒的に余暇の時間が長い!

こんなメリットだらけなのだが,
チャレンジしてみたいけど・・・収入は大丈夫なの?」
という不安や疑問がよく聞かれる。

そのあたりについて正直に話そうと思うので,
人生の授業料だと思って以下の有料記事を買っていただけたら嬉しいです!

複業教師の収入を公開します!

まずは私が最後に専任教諭として勤めた広尾学園中高(10年目)の月収を公開します。

この額,またはご自身の収入と比べながら,
複業後の収入をご覧ください。

専任10年目(最後の年)

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