人狼ってプレイヤーを穀さなくてもゲーム成り立つんじゃね? って話

1回考えるとそれに関連することがどんどん天から脳の中に降ってくるらしい、kino0551です。
先日投稿した

これの派生に近いです。
なので現行人狼ゲームが少しでも否定されたら嫌な人は読まないほうが良いです。


なんで「人狼ってプレイヤーを穀さなくてもゲーム成り立つんじゃね?」と思ったか

先日の記事を書いた後も人狼ゲームの要素を脳内で分析していた時に、「『人狼ゲーム』はそもそもなにをさせたいのか?」を考えました。

ボードゲームには必ずといっていい程「プレイヤーにやらせたいこと」と「ジレンマ」という2つの要素が含まれています。
「プレイヤーにやらせたいこと」はそのゲームのメインの部分を指しますし、「ジレンマ」はそのゲームにおいて状況が変化するようなアクションを起こさせる動機のひとつになります。
「プレイヤーにやらせたいこと」が定まってなければゲームとして何をすれば良いのかわからなくなってしまいますし、「ジレンマ」がなければプレイヤーは自身が不利にならないためにも、状況を打開するようなリスキーなアクションを起こさなくなります。

これはデジタルゲームでも同じような事が考えられています。
有名なゲーム「ポケットモンスター」で考えてみましょう。
ポケットモンスターが「プレイヤーにやらせたいこと」のひとつは「ポケモンバトルで勝利させること」です。
一方で抱えさせるジレンマは「勝つためには負ける可能性が少しでもあるバトルをしてポケモンを強化しなければならない」です。(当然、育成の環境が整っていたり、意図的に非効率な雑魚狩りを長時間続けるならばそのリスクはほぼ0になるように構成されていますが)
リスクを負ってバトルをしなければその後のバトルに勝てない(レベルや技が不足する)デザインになっているというわけです。
バトルをするためにバトルをしなければならない状況は、「プレイヤーにやらせたいこと」を達成するにあたって適していると言えます。

これを応用して人狼ゲームを分解して考えていきます。

人狼ゲームにおいての「プレイヤーにやらせたいこと」

人狼ゲームにおいてプレイヤーに求められる最終的な目標はなんでしょうか。
特殊な人外陣営についてはそれぞれコミュニティやパックによって作られすぎていて分析してもキリがないので今回は村人陣営と人狼陣営の2つについて考えます。
人狼ゲームがプレイヤーにやらせたいことは「自陣営を勝利に導くこと」です。
具体的には、村人陣営は主に「人狼陣営のプレイヤーを特定し、投票によって追放すること」、人狼陣営は主に「他の陣営のプレイヤーにバレないように、投票で追放されないようにすること」にあります。
この手段として人狼ゲームは議論を行い、その中で各陣営プレイヤーは主に以下のアクションを起こすことができます。
村人陣営:1.議論に参加する
     2.役職を持つ場合はその能力を使用する
     3:投票を行う

人狼陣営:1.議論に参加する
     2.投票を行う
     3.村人陣営のプレイヤーを噛む

これらを前提としてさらに人狼ゲームについて考えていきます。

人狼ゲームにおいての「ジレンマ」

人狼ゲームでは、役職が機能していればラウンドを追うごとに「吊られた人間が何の役職だったかという情報」が手に入り、プレイヤー(投票先)が減ることで人狼を特定する難易度が低くなるという一方、「村人陣営の人数が減ることで、投票を行っても人狼が最多票になりづらくなる」というジレンマが存在しています。
これは非常に良くできた仕組みで、ただ正解が運ばれてくるのを口を開けて待っていてもその時には手遅れになるため、議論が活発になりやすく設計されています。

生じる疑問

ここで現行の人狼ゲームの離脱がプレイヤーから何を奪うルールなのかを考えます。
それは「ゲームに影響を与える権利」といえばそうなのですが、もっと丁寧に表現するならば「アクションを起こす権利」です。
上記の通り、
村人陣営で言うならば、
     1.議論に参加する
     2.役職を持つ場合はその能力を使用する
     3:投票を行う

人狼陣営で言うならば、
     1.議論に参加する
     2.投票を行う
     3.村人陣営のプレイヤーを噛む

この1~3のうちすべてを奪う仕組みになっています。

これは「ジレンマ」を成立させるための仕組みでありますが、少し考えると、「ジレンマ」を成立させるためであれば1~3の全てを奪う必要性はありません。

「村人陣営の人数が減ることで、投票を行っても人狼が最多票になりづらくなる」は、「脱落したプレイヤーからは投票権を奪う」ことだけで満たすことができるからです。
そこに「人狼陣営が役職プレイヤーを特定する動機」として「脱落したプレイヤーは役職能力を行使できない」という要素が追加されているわけです。
ですから、ジレンマを成立させるために奪わなければならないのは2.と3.であり、1.まで奪う必要はないと言えます。

なぜ議論する権利まで奪うのか

それはそういうフレーバーだからです。
人狼は村人を食い穀します。
村人は処刑を行い首を括らせます。
タヒ人に口はありません。
だから議論させないのです。
ただそれだけです。

ゲームの背景情報がゲームシステムに強く干渉した結果、本来なくても成立するはずの要素を追加しているということです。

こういった例は程度の差こそあれ、他のゲームにおいても多く存在します。
例えば属性相性。「火は水に弱く、水は草に弱く、草は火に弱い」なんてことは多くのゲームで存在する考え方ですが、こんなものは無くてもゲーム自体は成立しますし、実装する場合も別に「火は水に強く、水は草に強く、草は火に強い」でも何も問題はありません。
他の属性相手では何も計算上変動が起きない場合も多々あるわけですから、当然です。
ではなぜ「火は水に弱く、水は草に弱く、草は火に弱い」なのか。それはそのゲームの世界がそういう世界だからです。
仮にそのゲームの世界が「火は水に強く、水は草に強く、草は火に強い」世界であれば、「火は水に強く、水は草に強く、草は火に強い」設定にされていたでしょう。

ですから、人狼ゲームにおいて議論する権利まで奪うのかの答えは元々のゲーム性とは関係なく「そういうフレーバーだから」でしかないのです。

どういう世界にすれば問題がないのか

簡単です。
人狼ゲームにおける「処刑」と「噛み」を別のものに置き換えるだけで良いのです。

例えば警察組織をイメージしましょう。
誘拐事件を調査するメンバーX人の中にY人のスパイが入り込んでいます。
メンバーは毎日怪しいメンバーを1人投票によって決定し、「牢屋の中に閉じ込めます。」
スパイは毎日メンバーを1人「誘拐し、生存証明代わりにビデオ通話を見せてきます。」
警察メンバーの中には特定分野の調査のエキスパートがいて、ゲーム上の能力を使用できます。

牢屋の中からもビデオ通話の先からも言葉を発する事はできますから議論に参加することはできますが、どちらも投票をすることはできなくなりますし、拘束されている以上エキスパートだろうが能力を行使できないのは当然でしょう。

このような形でも問題なく人狼ゲームにおける「プレイヤーにやらせたいこと」と「ジレンマ」は成立します。

最後に

今回の思考は普通に楽しかったですね。
最後の例に挙げたやつとかは普通にルールとして整備するか考えたのですが、まあ流石に誰かが考えて公開してるだろうと思ってやりませんでした。

これは本筋とは一切関係ないですが、一部漢字間違ってね? みたいな部分があると思いますが意図的にしています。
よくあるNG回避BAN回避のためのそれですので悪しからず。

今回も〆は特に思いつかなかったのでこの辺で。
ではでは。

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