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「パイレーツを俺なら変えれる」ドラフト前にパイレーツへ直談判した仲林の提案書の中身。そして多井がいう「この世界に足りないもの」と自分しかできない架け橋とは? 多井隆晴・仲林圭対談スペシャル企画(3)

近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画。第1弾はMリーグを牽引してきた多井隆晴(渋谷ABEMAS)と、来期より新たにMリーグへ挑む仲林圭(U-NEXT Pirates)。仲林はMリーグ入り前の面談の際、U-NEXT Piratesに2つの内容の提案書を持参したという。それは自分はただ麻雀が強いだけでなく、チームやMリーグ、そして麻雀界にプラスアルファをもたらす存在であることのアピールだった。それは多井もこの4年間で続けてきたことだ。二人が見据える麻雀の未来、今は何をすべきか、そしてその先にあるものは。(全3回の3回目/#1#2へ)

[文・東川亮]

■自分だけがおこなった「チームを変える提案書」と「2度目の面談」

――多井さんはもっと麻雀を広げていかないといけない、見てもらわないといけないという話をよくしています。仲林さんはMリーガーになったことで、その辺の意識について変わったところはありますか。

仲林 意識が変わったというか、実はパイレーツとドラフト前に面談させていただいたときに、提案書を持っていったんです。2つの軸で話をして、一つは誰を入れるべきかと、そしてもう一つは「パイレーツをもっと面白くしたい」ということで、面白くなるためにこういうふうにしましょう、という提案をしました。

パイレーツはあまり目立ったことをしない、波風を立てないイメージのチームだと思いますけど、面白いチームだと認識してもらってもっとたくさんの人に応援してもらえるためには、まだまだできることがるんじゃないかな、と思っていたんです。

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そのために有効だと考えたのが、選手やチームの内側を知ってもらうこと。たとえば剛さんが「躍ってみた」とかをアップするだけで、絶対に面白かったりするんですよ。そういうのをどんどんやっていきましょうよ、というチームの活性化の話をしました。

バスケットのBリーグは最近、観客動員数がすごく上がっています。それって選手たちの裏側、練習しているところとか、彼らが楽しそうに話しているのを動画に上げるとか、SNSの使い方が上手なので流行ったらしいんです。だからパイレーツもいいところはまねして、剛さんが本当はどういう人間なのか、どこまでイジったら怒るのかというのをやっていったら面白いんじゃないですか、というのを提案してきました。TikTokの部分と、YouTubeのバラエティーの部分は一緒に企画考えてやりましょうと。たぶん、Mリーガーの選考の面談で提案書を作っていったのは僕だけだと思いますよ。

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――それはドラフト指名にも大きかったかもしれませんね。

仲林 木下監督が選出の際に「情熱」というキーワードを挙げていて、その情熱って僕の話なんだろうなと思いました。僕、最初の面談の後にもう一回会わせてほしいとお願いして、YouTubeやTikTokの企画とか、細かく具体的な話まで全部持っていきました。2回面談しているんですよ、僕。

――具体的に動き出しそうな話とかもあるんですか。

仲林 あります。TikTokはパイレーツのアカウントを作るには人手が足りないので、個人のアカウントでパイレーツの日常を撮ってもらえたら助かります、と言われています。他には僕のダイエットのライブチューンみたいなのをパーソナルトレーナーの前でダイエットしているのを流したりとか。いろいろできそうですね。

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■俺のことが嫌いでも構わないから、スペシャルも目指せ

――多井さんは今の話を聞いていかがですか。

多井 普通のことだと思いますけど、そういうことを麻雀界は今までやってこなかったんじゃないですか。僕も、ABEMASにはこういうことをやろうって、この4年間で何百回と言ってきましたし、今も何十個ってアイデアがあります。麻雀の腕自慢なんて世の中に1万人はいるわけで、腕だけで評価してくれって言っても、企業の方からしたらわかりっこないんですよ。だから仲林みたいな取り組みは必要だし、他にもやれることはたくさんあるはず。

たとえば、YouTubeをやっているならMリーグを英語で海外向けに発信していけば、きっとうまくいきますよ。もしも僕に対してそう言ってきて、本当にそれができるなら絶対に使います。僕はとにかく、夢を叶えるヤツがもっと増えてほしいんですよ。なのに提案書すら書けない、書いただけで目立つ業界って、まだまだ頑張りが足りないと思う。

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