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「隙があれば食いつくされる」魔物が棲むMリーグの舞台で多井が認める5名のMリーガー。そして彼らより自分が優れている理由とは。多井隆晴・仲林圭対談スペシャル企画(2)


近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画。第1弾はMリーグを牽引してきた多井隆晴(渋谷ABEMAS)と、来期より新たにMリーグへ挑む仲林圭(U-NEXT Pirates)。(1)で「Mリーグに自分より強い人はほとんどいない」と語り、実力とエンタメ力で抜きんでた存在になると言った仲林。では、Mリーグで最も勝ってきている多井は、仲林をどのように評価しているのだろうか。(全3回の2回目/#1#3へ)
[文・東川亮]

■相手の萎縮や情報操作、最高峰の実力の持ち主たち

多井 総合的に考えると、Mリーグには僕や仲林と同じレベルの実力を持つ打ち手はあと5人くらいいると思っているんだけど、渋川難波がそこに匹敵するかはまだ分からない。解説を聞くと、僕より強いんじゃないかって思うけど。

解説をしていると4人の手牌が見えるから、見える前提で解説しちゃうようになるんですよね。そうすると実際の対局で、全然読めなくなってくる。僕はそれがあって、Mリーグの解説をしばらく断っていたんです。

そう考えると、長く解説をやっていた渋川さんには、ちょっと隙があると思っている。

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――多井さんは最強戦で仲林さんをめちゃめちゃ強いと評価していましたが、具体的にどういうところを評価していますか。

多井 麻雀ってバランスなので、何かに特化している人が有名になりがちだけど、それはただの弱点なんですよね。仲林はあまり弱点がないタイプで、もしかしたら、自分に一番近いタイプだからあれだけ褒めているのもあるかもね。

対戦するのは楽しみだけど、麻雀は1対1じゃないから難しいところもあります。

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仲林 多井さんの麻雀を見ていると、自分に似ているなと思いますね。僕の上位互換だと思っています。

多井 僕と仲林の実力は、たいして変わらないと思う。堀も変わらない。だけど僕の場合、「多井のリーチだから」「多井の鳴きだから」って、相手が萎縮して、勝手に間違えることがあるんですよね。実際、それで勝ちやすくなっているところもあると思います。

仲林 確かに、相手が過剰に警戒しているところはあるかも。

多井 それをこの間勝又に言われたことがあって、やっぱり勝又はすごく強いな、って思いましたね。あと、近代麻雀の金本晃編集長が、僕のことを「超守備派」みたいに売り出しているじゃないですか。別にそんなことないけど(笑)、そういうイメージが勝手に相手についていて、読み違えているところもあるかもしれないですね。

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――仲林さんが、多井さんに対して自分が勝っていると思うところはどこですか。

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