見出し画像

分断されないおんがくのかたち。

分断という言葉。
最近よく聞かれるので
あまり多用したくはないけれど。

この状況を表すのに
とても適していたので
使ってみた。

音楽ってどこか属性がある。
聴く側に。

年齢とか性別とか
地域とか趣味とかいろいろ。

私のこれまでの音楽遍歴は
学生時代のジャニーズから始まり
その後、邦ロックへと移った。

ジャニーズ時代を思うと
老若の女性と時々そっと横にいる男性陣。
そんな属性だったように思う。

邦ロックに足を入れた頃は
人気なロックバンドなんかを
聴いたりしていたので
フェスにも行ったりも。

すごいロックロックしたバンドには
それなりのエネルギーのある人たちが
集まっていたし、

有名なバンドには
それこそコアなファン。
な人たちが多かった。

ロックロックしたバンドの時は
荒ぶれない自分に
コアファンのいるバンドの時は
深く知らない自分に
居心地の悪さを勝手に感じていた。

音楽はそれを許しても
それらとともにある空気に
圧倒されて、居場所を見失っていた
のかもしれない。

そんな風に思っていたけど
あのバンドは違うなと感じた。

国籍を問わず
そして年齢や性別も問わず。

どの音楽も問うてはないのだけど
結果的に問われているような節が
あって。

mol-74にはそれがなかった。

ファン層は若い女性が
多い気がする。
ちらほら男性もいる。
そして静かな雰囲気の集団。

だけど、時々年の重ねた男性や
母親世代のお母さんたちがいる。

自分に置き換えて考えてみた。

例えば、自分が歳を重ねて
ある属性から逸脱した時
好きな音楽を好きだといって
その属性の中、ライブに来られるか。

好きなものに胸を張って
現地まで足を運べるのか。

若い子達の中に行くの
気が引けるな〜とか
思って家で聞くだけに
なりやしないか。

そんな風に思ったりもする。

でも、そうやって好きなものに
会いに来る大人になりたいなって
思った。

逆にmol-74のライブに行くと
いろんな属性の人がいて
でもmol-74を前にしては
同じ気持ちを持っていて。

そんな空間が許されている
ってとても温かい。

ドラムの坂東さん。
mol-74関連のツイートをすると
時々いいねをしてくれる。

もちろんみんなに。

色々なmol-74ファンの
ツイートを目にすることは
あるのだけれど

誰かの主張や感想が
大いに支持されているところを
みたことはない。

それぞれに感想や想いを
語っている。
ただそれだけ。

変な囲いが生まれない。
それってすごいなと思う。

自由に楽しむ。
誰がなんと言おうと
自分の楽しみ方がある
そんな集団属性なのかもな。

好きなものに自信を持てること
好きなものを好きと言えること

好きの度合いに
関わらない
そんな空間があった。

尺度に規定されない。
そんな優しい世界があった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?