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筋トレしていてもお酒を飲みたい方へ

ボディメイクにお酒は悪影響なのか?

筋トレをしながらもお酒は大好きだからやめられないという方も多いかと思います。
今回は、

筋トレはしててもお酒は飲みたい!
筋肉のことを考えるとお酒控えた方がいいのかな?

というような人に向けて、お酒と筋肉の関係について書いていきたいと思います。

以下大きく3つの項目(+α)で進めます。

結論!筋肉にとってアルコールはどうなの?

--早速ですが、みなさん気になっていると思うのでアルコールは筋肉にとって無害なのか?悪影響なのか教えてくだ

悪影響です!

--めちゃ食い気味ですね笑 やっぱりダメかあ。。

やっぱ悪いんです。
残念ながらアルコールには筋肉を分解する作用があります。

筋トレというと筋肉を合成させる種目ですが、アルコールはその正反対の作用があります。よく筋肉の合成がアナボリック、筋肉の分解がカタボリックと言いますが、アルコールを飲むとカタボリますね。

--まあ、一般業界ではそんな横文字使いませんが筋肉マンたちの間ではよくいう言葉なんですね。頭に入れておきます。

アルコールの基礎知識

次に、アルコールの中身について少し触れていきます。

基本的にアルコールといっても色々種類があって、ビール、ウイスキー、焼酎、日本酒、ワイン等色々あってスーパーやコンビニにも売ってますよね?
で、必ずそのパッケージにはアルコール何パーセントというように表記されてます。
このパーセント表記ですが、お酒100ccあたりに何gのアルコール入ってるかを示しています。
例えばアルコール度数5%だったら100ccに5gのアルコールが入っている計算になります。

みなさん、アトウォーター係数という言葉を聞いたことがありますか?

脂質、糖質、タンパク質は1g当たりのカロリーが決まっていて、そのことをアトウォーター係数といいます。
脂質が1gあたり9kcal
糖質、タンパク質は同じで、1gあたり4kcalです。
これ、ダイエットするなら確実に覚えておかないといけない数値なので必要であれば暗記してください笑

で、今回の主役のアルコールはどうかというと、
1gあたり7kcalなんですね。

--あれ、意外と高カロリーなんですね。糖質よりも高いんだ。

そうなんです。
でも実はこのアルコールのカロリー、俗にエンプティカロリーと呼ばれていて、ほぼカロリーとして換算されないカロリーなんです。なので0kcalと思っていいです。(アルコールを代謝するのに消費するエネルギーがあるのでアルコールの摂取カロリーと消費カロリーで相殺されるというロジック)

--え?そうなんですか?でもアルコール飲むと太るとか言われますよね?ビールっ腹なんて言葉もあるし。

確かにその通りです。
アルコールで太ると言われるのは、それと一緒に含まれている糖質だったり、一緒に食べるおつまみのカロリーが原因だと言われています。

でも一方でこんな話もあって、お酒の中に含まれている糖質、つまり炭水化物がエネルギーに寄与する量としては、普通の食材としての炭水化物よりも少ないんです。

--え!?そうなんですか!じゃあ単純に解釈するのであれば、さっき糖質は1gで4kcalだと言われてましたが、お酒に含まれる糖質はそれよりも低く見積もれるってことですかね?1gで2〜3kcalとか。

そうです。なので誤解を恐れずに言うと、アルコール飲料に関しては表記よりも少ないカロリーだと思っていいです。なので我々KINGジムではオンラインでダイエット・生活習慣病予防/改善のパーソナル食事管理をやっていますが、そのプログラムの中でもお酒に関しては特別に0kcalで計算していいというルールを設けることが多いです。(お客様の体調や持病によってルールは変わります。)

--いいことを聞きました笑 ってか、ここまで聞いているとお酒飲んでいいじゃん!ってなってますが大丈夫ですか?最初大きな声で「悪影響!」と叫んでましたが、、

大丈夫です。ここからしっかり落としますよ。
今までの話は太るとか太らないとかの基準での話でしたのでおつまみを控えれば、そんなに太らないって思ってもらっていいんですが、この番組は筋肉に関する番組でもあるのでその方面でこれからお話ししていきます。

筋肉に対するアルコールの作用

--冒頭でもあったようにアルコールは筋肉に良いか悪いかでいうと悪いという話でしたね。

はい。アルコールが筋肉に悪い理由としては、
アルコール摂取量が一定量を超えるとストレスホルモンを体が出しはじめます。コルチゾール(医療用語で言うと糖質コルチコイド)といって体がアルコールに反応するとステロイドを分泌します。ストレスの時に出るホルモンですね。

--皮肉ですが、ストレスを解消したいと思ってお酒飲むのに、そのお酒を体はストレスだと感じてしまうんですね笑 人間って不思議ですね。

ストレスだとなんかぼんやりしてるので、クマ🐻に会ったとしましょう。

--いきなりクマ!?

クマに遭遇するじゃないですか。そしたら体はすごい量のストレスホルモン出すんですよ。糖質コルチコイドを。

なぜそのホルモンを出すかと言うと、
この糖質コルチコイドっていうのは読んで字のごとく糖質という単語が入っているので血糖値を上昇させるんです。クマに会ったらやっぱり戦わないといけないですよね?だから一気にバーンと血糖値を上げて、戦闘モードにスイッチを切り替えるんですね。一気にエネルギーを出すために。
その量の糖質を生むには、体に蓄えているグリコーゲンとかでは補いきれません。では結局糖質をどこから作り出すかっていうと、、

筋肉を分解します。

--ああ、そこで筋肉を分解するんですね。

そうです。
これは糖新生と言って、筋肉をアミノ酸まで分解して、糖質(グルコース)を作り出す経路です。なので糖質コルチコイドが出ると、糖新生が起こり、筋肉が分解されてしまいます。

ということでクマに出会ってないのにもかかわらず、お酒を飲むと体はストレスだと感じて糖質コルチコイドを出し、筋肉が分解されてしまいます。
だからお酒は筋肉には良くないと言われています。
これは補足ですが、血糖値が低い状態の時も同様で、血糖値を上げるために多少のストレスホルモン(糖質コルチコイド)が働いて筋肉が分解されてしまうことがあるので、ストレスや敵を目の前にした時に限らずに、筋肉にとっては血糖値を極端に低下させてしまうと筋肉分解が起こりますので頭に入れておいてください。

--ちなみにお酒を飲むと筋肉分解されてしまうことは理解できたんですが、ほんのちょっと飲むのでもダメなんですかね?ちょっとぐらいは良いんじゃないかと思っちゃいますが。。

そのお話しは大事ですね。
結論から言うと、おっしゃる通りお酒を飲む量によってはクマに出会わずに済むことがあります。要するに適量であれば問題ないと考えます。ただこれは個人差があってアルコールやアセトアルデヒドの代謝酵素が多いとか少ないとかにも関係してくるので参考程度に聞いてくださいね。

先ほど申した適量とは、
1日あたり体重(kg)× 0.5グラムのアルコール量が基本となります。

例えば、60kgの方であれば
60 × 0.5 = 30
要するに1日に30gまでならアルコールを飲んでも大丈夫ということになります。

--あれ、純粋なアルコールで30g摂っていいなら結構いけるんじゃないかと思ってしまいますね。

と思うじゃないですか?具体的なお酒で見ていきましょう。
例えば今私の目の前にある缶ビール(ドンッ!)

机にあったプレモル

--ちょっと待ってください!ちょっと待ってください!
さっきまで散々筋肉に悪いのはアルコールだ。アルコールは筋肉を分解するって言ってきたのに、、なんで目の前に缶ビールがあるんですか!

ごめんなさい。。笑
目の前にあったんですよ。偶然ね
ちょうど良いのでサンプルとして計算してみましょう。
アルコール度数が5.5%のプレモル。計算しにくいのでキリのいい5%とすると、
100ccあたり5gのアルコールが入っているので、
350ccだと100ccの3.5倍なので5 × 3.5 = 17.5
ってことで17.5gのアルコールが1缶に入ってます。

と言うことは、体重60kgの方であれば缶ビール1本ならセーフですが、2本飲むとアウトです。

これは人によって感覚が異なると思いますが、お酒好きの方であれば少ないなと感じる方もいると思いますが、やっぱり筋肉の分解を抑えたいのであれば、アルコールは制限しなきゃいけないですね。缶ビール1本ぐらいであれば大丈夫ですが。

最後に耳よりな補足情報

あともう1つ補足情報をお伝えしておくと、
アルコールの時におつまみを怖がり過ぎるのも逆に良くなかったりします。
確かに高カロリーのおつまみは避けた方が無難(特に減量期)ですが、実は適度に糖質は摂った方がいいんです。

例えば居酒屋で言うと、おにぎり1個とか、雑炊とか、海苔茶漬けとか。

--シメのご飯ばっかりな気がしますが、炭水化物が大事ってことですね!

そうですね。できれば糖質オンリーの料理を選ぶのがポイントです。和菓子とかがあればいいんですけどなかなか居酒屋にはないですもんね。
糖質を摂取する理由としては、体がアルコールを代謝する時、肝臓がフル稼働するんですが、その時に肝臓のエネルギー源として糖質が必要なんです。
そのタイミングでエネルギーがないと、自分の体から作り出す、要するに筋肉からも糖質を生み出す糖新生が起こる可能性があります。
なのでもちろんカロリーを気にするのはとても大切なことではあるんですが、科学的な視点で判断するのであれば、ちょっとした糖質を入れておくと筋肉分解も抑えられるかもしれません。

世の中にはお酒すごい飲んでても、めっちゃムキムキの人もたくさんいらっしゃるので、あまりにもストイックになり過ぎる必要もないのかもしれません。一応今日お伝えした内容は頭の隅に置いて、一番ストレスのかからない生活を送るのが一番良いのかなと思います。

--ありがとうございました。確かに理解して飲むのと、全く理解せずに飲むのでも差が出てくると思うし、お酒を我慢しすぎて逆にストレスが溜まってしまうと、結局クマに出会ったみたいに糖質コルチコイドが出て、筋肉分解しちゃうこともあり得るのでバランスをみながら調整するのが大事だなと感じました。

そうです。できるだけストレスフリーな選択をして、ポジティブ生きていきましょう。やっぱり人生に楽しみは必要ですからね。

以上はPodcast番組「薬トレラボ」の文字起こしを編集した記事となります。ぜひ音声でも聞いてみてください!


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