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スペインのベーシックインカム導入は誤報か?パンデミックで再び注目されるベーシックインカム

パンデミックによる長期的リセッションが危惧され、ベーシックインカムが再び注目されている。今回はスペインの導入発表を受けベーシックインカムについて記載してみた。

スペインでベーシックインカム導入の発表

スペインの経済大臣のナディア・カルビニョ氏が4月5日にベーシックインカムを導入する発言が報じられた。
今回のパンデミックでスペインはロックダウンの開始からわずか3週間で90万人が失業し月間最大件数を更新した。感染者数も世界で2番目となり経済に深刻なダメージを受けている。このような状況下で長期的リセッションを危惧し対策として発表されたのが、ベーシックインカムである。
参考HP:FORBES スペインで「ベーシック・インカム」導入、経済大臣が宣言
https://forbesjapan.com/articles/detail/33596/1/1/1


ベーシックインカムとは

他の様々な社会保障制度を廃止する代わりに、年齢、性別、所得を問わず、世帯ではなく個人の所得保障として一定額の現金を支給する制度で、最低所得保障とも呼ばれる。
現在でも年金や失業保険など、所得が少ない人向けの社会保障制度は有るが、審査等の都合により満足な額が支給されていない事から、憲法で保障されている最低限度の生活が確保できない人も居る。この状況下で注目されているのがベーシックインカムとなる。

ベーシックインカム導入実験

世界各国では限定された区域でのベーシックインカムが導入実験が行われている。
フィンランドは、2017年1月から2年間の計画で試験的にベーシックインカム制度を運用し、失業中の2000人に毎月約74,000円が支給していた。
また、カナダ・オンタリオ州は2017年7月から3年の予定でベーシックインカムを運用したが、2018年7月に運用中止となった。
以上の2つの導入実験は成功とは言い難い内容ではあったが、ベーシックインカムが抱える問題のいくつか検出する事が出来たと言える。
最も大きな問題は財源の確保であり、満足のいく額を支給する為には豊富な財源が維持的に必要となる。更に経済に与える雇用もベーシックインカム環境下で現状とは異なる問題が示唆される。ベーシクインカムの支給は雇用関係とは別で支払われるので雇用自体増加する事は無くむしろ減少していく傾向が予想される。雇用が減れば当然であるが政府の財源も減少していくと考えられ、さらに財源の確保が難しくなる。
他にも小規模な実施実験はいくつも行われているが成功に至った例は確認出来なかった。

スペインのベーシックインカム導入は誤報だった

ここで冒頭で紹介したスペインのベーシックインカムに話を戻す。
スペインのベーシックインカム導入はTV局に経済大臣に伝えた内容より情報を得たと有るが、対象は最低限の収入が得られていない人が対象であり、全員一律の給付でない事が記載されており、実質は貧困層への支援が行われるのみと見られている。

参考HP:スペインがベーシックインカム導入との報道は誤り(実際は貧困層への支援)
https://cubeglb.com/media/2020/04/08/spain-basicincome/

最後に、

ベーシックインカムの失敗例やスペインのベーシックインカムは誤報の件を記載しましたが、筆者はベーシックインカムを否定しているのではなく、むしろ肯定派の一人でベーシックインカムの全世界導入こそがユートピア実現の必須材料だと考えている。ただ、現状の事例から潤沢な財源が確保が必要となるが、この様な財源の確保は特に未来の産業として注目されている、宇宙開発やブロックチェーンなど先進的なテクノロジーで実現されていくことだろう。と、その様に信じたい。

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