見出し画像

#0033【マンション管理】被災マンション法とは?

2024年も新年早々に地震のニュースがありました。日本はとても地震が多い国です。マンションという建物も地震によって被害を受けることがあります。過去に起きた地震を契機に関連する法律が制定されています。阪神・淡路大震災の後、平成7年3月に被災地における健全な復興に資するために、「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」、いわゆる被災マンション法が制定されています。今回は、被災マンション法の概要について説明します。

【被災マンション法が制定された背景】
建物区分所有法にも、復旧と建替えに関する定めがあります。地震などの災害が発生した時、区分所有建物の一部が滅失した場合は、再建のために建物区分所有法にもとづき復旧や建替えを検討することが可能です。しかし、これは区分建物が存在している通常の状態を念頭においているため、法律の前提としている建物がなくなってしまうような災害にマンションが遭って建物の全部が滅失したような場合には、建物の所有者である区分所有者間の建物の権利を前提とした関係性がなくなってしまいます。そのため、建物区分所有法では解決ができなくなり不都合が生じることが想定されます。具体的には建物がないため、敷地の共有関係(もしくは準共有関係)のみの関係となります。その場合は原則に戻り民法にて処理されることになります。民法の原則では、共有物に変更を加えるには他の共有者の同意を要件とします。すなわち、仮に被災したマンションが建物の再建を目指す場合、敷地という共有物の変更をするものとして、共有者全員の合意がないと推進ができなくなります。

【被災マンション法でできること】
〈全部滅失の場合〉
敷地共有者等の集会を開催して以下の決議ができます。
・再建決議
・敷地売却決議

〈一部滅失の場合〉
区分所有者集会を開催して以下の決議ができます。
・建物敷地売却決議
・建物取壊し敷地売却決議
・取壊し決議

【最後に】
大きな地震が発生して、不動産投資をしている方がご所有されている(区分所有)マンションが被災することは確率的には低いことかと思います。しかしながら全く地震が起こらないとも言い切れません。万が一、ご所有されているマンションが地震等により被災した場合には、建物の取壊しや敷地の売却など被災マンション法にて定められている内容に従って、復旧等を目指すことになります。頭の片隅に置いておくとよいかと考えます。今回は、被災マンション法について、概略を説明しました。最後までお読みいただきありがとうございました。よかったらお気軽にフォロー、スキを頂けますと幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?