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「ロングデイズ・ジャーニー」に寄せて

『時計を贈ってはダメ 永遠という意味だから』

『花火を贈ってはダメ 儚いという意味だから』

映画「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」より


こんばんは。みなさまいかがお過ごしでしょうか。私は、今日でGWが終わってしまうという恐怖からずっと調子が悪かったため最低限のことを片付けてからゆっくり好きな映画を見ていました。今日は最大限サボって明日を無事に迎え撃つことを頑張ると決めたのです。


今日見た私の好きな映画とは、ビー・ガン監督の「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」のことです。私は一番好きな映画を訊かれたら、おそらくこの映画を答えるくらいにこの映画が好きです。と言っても大して他にたくさんの映画を観てきた訳ではないのですが。

私は、去年取った、映画を見て感想を論じる講義でこの映画に出会いました。ネタバレにならない程度に、というかこの映画はネタバレという概念が無さそうなのですが、軽くあらすじを紹介すると、この映画は、父を亡くして故郷に帰ってきた男が忘れられない女性を巡り夢うつつの中を彷徨う、というものです。初めて見たときは、正直よく分からなかったのですが、学期末にもう一度じっくり見てみると、シナリオは相変わらずよく分からないし何を伝えたいのかもよく分からないけど、なんか面白い、と思うようになりました。それ以来何度か繰り返し見て、自分はこの映画のどこが好きなのか、を探したのですが、後半の主人公の夢の中の世界観や言葉選びが好き、という非常に曖昧な答えになってしまいました。それでも、私はこの映画に強く惹かれていて、あの講義はレポートが厳しかったけれど、取ってよかったな、と思います。


ロングデイズ・ジャーニーで一番好きなシーンは、主人公と相手の女性が、

『時計を贈ってはダメ 永遠という意味だから』

『花火を贈ってはダメ 儚いという意味だから』

と言い合うシーンです。この映画は全体的にぼんやりとしていて、どこまでが夢でどこまでが現実なのか分かりづらく、「時間」という概念がありません。その中で、夢という、時間の存在しないものの中に居ながら、登場人物が「永遠」を否定するというのが、まさに夢と現実のコントラストを成していて好きです。また、夢という儚さの権化のようなものの中で、主人公が儚さを否定するのも、主人公の心と状況のコントラストが見られて面白いと思います。さらに、永遠も儚さも否定した二人が一夜だけの関係に至るところもこの映画の面白いところだと思います。


他にも、後半60分が長回しワンカットであることや他の登場人物の台詞など、好きなところはたくさんありますが、この辺で割愛させていただきます。どこか不思議で掴みどころがないけれど面白い映画なので、ぜひ見てみてください。それではまた明日。

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