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根拠のない自信は『自分自身の意志』である

僕は自分に全く自信がない。
加えて、周囲の人と比べても自分は人より不安を感じやすい性格だ。
「やばい」「うまくいかなかったらどうしよう」と起きてもいない事を頻繁に憂いてしまう。そんな僕が日々不安と対峙する中で出した結論。

子供の頃は「自分を信じる」なんて難しい事は考えず、根拠とか関係なくただ『やりたいと感じた事』を頭で考えず行動に移していた。
でも大人になるにつれ、失敗や不安を感じた経験や人と比較して落ち込んだり心が痛む経験が積み重なり、理性的に不安要素を洗い出す癖がついて、『やらない理由』を見つけるのが上手くなり、最終的には自信にも『やれる根拠』を求めるようになっていった気がする。
でも、本来のあるべき姿は「自信があるから取り組んでいる」「取り組んでいるから自信がある」ではなく、『自信の根拠無く自分がやりたいと感じる(=意思)から取り組んでいる状態』だと思う。

繰り返すが、僕は全くと言っていいほど自分に自信がない。
言ってしまえば、「成功できる」なんて全く思ってない。むしろ「失敗するんじゃないか」という感情に毎日のように襲われる。
自分を鼓舞するために試合やテストや面接の直前に「自分ならできる!」と言い聞かせた事はあるが、麻薬みたいなもので刹那的な勢いだけ与えてくれるだけにすぎない。
社会人生活の中で「できる!」「成功できる!」という自信があるから新しい事に挑戦した事はない。『やりたい!』という気持ちがきっかけをくれた後は、リスクをまず考慮して「許容可能なリスクで、リターンの期待値が大きい」時に初めて思い腰を動かす事ができる。
「いや、これいけるっしょ!」と急にスイッチが入る自分に周囲が驚く経験を何度かした事があるが、自分の中では自信の根拠が頭の中で描けている。
今、こうして1人で欧州で起業しているのも、人によっては意味不明に映っているかもしれないが、自分にとっては意味不明だと思っていない。
やりたいと自分で感じていて、リスクが少なくリターンが大きいと確信できてから、ようやく重い腰をあげれたに過ぎない。
そういう意味では、僕は別に行動力がある人間でもない。
きっと自分が真に行動力がある人間だったならば、思い立った瞬間に海を渡っていたはずだ。

昔は今以上に起きてもない事をかなり恐れていた。
忘れもしないが新卒の時に総合商社のうち4社が第1志望群に入っていたにも関わらず、1社も夏季インターンに応募しなかった。いや応募できなかった。
「まだ自分は何も準備ができていない。今の状態で受けて落ちたり仮に合格しても何もできないのがバレると本選考にマイナスの影響が出る。」と起きてもいない事を考えすぎて一歩を踏み出せなかった。先輩方から呆れた顔をされたのが忘れられない。
そんな自分が少しずつ新しい考え方を取り入れる事ができるようになったのも、周囲の人に恵まれた事と多くの経験を自分なりに咀嚼して自己理解が深まった事のおかげだ。
自分を変える事はできないし、そもそも変わる必要がない。
だけど、自分の取説を把握して自分の扱い方を変える事ならできると思う。
色々なタイプの性格が同居しているのが人間で、個人差が生まれるのはそれらの割合の話だと思う。比較的どんなタイプが顔を出しやすのかを知ってあげるところからゆっくりスタートすればいいと思う。自分を上手に扱えるようになる事は決して簡単な事ではない。世界No.1コーチのアンソニー・ロビンスだってこう言っている。笑

『人は1年でできることを過大評価しすぎる。そして10年でできることを過小評価しすぎる。』

アンソニー・ロビンス

自信がない状態で挑戦する資格があるのか、悩んだ事もある。
けど、自信がないのが自分自身である事。常に自分は足りない、情けない人間だと考えているから、自信の根拠を創りにいくために、やるべき事をやっていると気づいてから生きるのがだいぶ楽になった。
自信とその根拠は行動から生まれる自分の成長実感でしか創れない。
こんな自分も一定の成果を出せる領域では自信がある。
ただ、その自信を得るにはかなり長い時間がかかる。だからこそ最近は自分自身で成長実感を意図的に得るように努めている。
『もっと小さい成功体験を認識しろ。』というリクルート時代の1泊2日のJDP研修とグループのFB会で言われた日が懐かしい。その時は「言っている事はわかるが、その考えは自分に合わないな」と1円の価値もないプライドで本気で変わろうとしなかった自分の愚かさが今だから身に染みる。
あー、生まれ変わってもリクルートに入りたい。

それでもどうしても現状や未来の可能性を低く見積もり、人の倍不安を感じる自分に対して、僕のメンターでありリクルート創業者の江副浩正さんと働いた事もあるリクルートの大先輩から頂いた一言を最後に残したい。

『深刻になるな。真剣になれ。』


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