読書紹介32 「斜め屋敷の犯罪」
感想
これはリアリティがある話ではなく、「本格推理」として考えられるだけの材料で犯人や謎を解いていくという話でした。
だから、現実的にはあり得ないだろう、「そんなバカな」と思える内容も多々ありました。
しかし、読み終わると、それまでに示されていた布石と言うか、謎が回収されて、パズルのピースが埋まっていく快感、あ、なるほど!という「あは体験」が心地よかったです。
現実世界ではありえないけど、ちゃんと謎が解けるように、屋敷や人物そして、密室のトリックなど、「論理的」で無理なく?筋が通っていることは分かりました。
自分は「主人の浜本がわざとらしく水をこぼす描写」で、何となく犯人ではないかと予想がつきました。
しかし、密室の謎、ゴーレム、その他のトリックやどうやって実行したのかという部分は全く分かりませんでした。
それは「現実世界の材料」で考えたから。
作品の中の材料で「ありえないだろう」まで検討しなかったからだと思います。
「そんなバカな!」と、逆に笑ってしまうくらいのトリックを用いたミステリー作品といえます!!
決してバカにしているのではなく’’褒め言葉’’です(笑)。
他に、このような「ありえない!}というようなミステリー作品に倉阪鬼一郎さんの『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』があります。
「私は読者に挑戦する」
材料は完ぺきにそろっている。ことの真相を見抜かれんことを!
こんな言葉が、出てくるミステリー作品。
やっぱり、わくわくしながら読んでしまいます。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです。
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