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掃除の会に参加して学んだこと42 ~ 裏側を見ることで、支えられていることに気づく。存在するだけで大きな影響がある。

 月1,2回、学校や公共施設のトイレを掃除しています。
 掃除の会のメンバーが開催している所に参加することもあれば、自分が主催して、行う時もあります。
 自分が主催する場合は「世話人」となります。
 世話人は、「掃除」だけではなく、掃除にまつわる諸々の「仕事」もあります。
 例えば次の通りです。
 
・掃除する場所(施設)の許可をもらう。
・掃除する場所の下見を行う。特にどこが汚れているかを見て、また、参加人数などを確認して、場所を決める。
・当日は、開始時間の30分前には到着して、鍵を開けたり、掃除場所に掃除道具を運んだりしておく。
・掃除中は、特に時間を確認して、終了時間に間に合うように、「あと30分で便器掃除は終わりにして、壁磨きにいきましょう~」などと声をかける。
・初めて参加する方がいたら、道具の使い方や掃除の仕方などを教える、伝える。
・掃除終了後、後片付けの確認をする。
 特に施設に設置してある掃除道具やせっけんなどの備品などを確実に元に戻す。
・窓をしてたり、施錠の確認をしたりする。
・参加者にお礼を兼ねたおやつや飲み物を配付する。
・帰宅後、使った掃除道具を洗ったり、天日干ししたりする。
 特に、しっかり乾ききる前に掃除道具をしまうと、カビが生えたり、すぐに痛んでしまったりする原因となる。

等です。
 
 また、ここからは主催される方の「趣味」の問題かもしれませんが、私は、参加した人に「活動報告(当日の掃除の様子写真、掃除後の感想などの文字起こし)」をA4のプリントにまとめ、参加していただいた方に郵送しています。また、読書会や一人新聞などで関わりがある方にも送っています。情報発信と共に、継続することで、ご縁が広がり、別の機会の掃除に参加してくださる方もいます。
 
 さて、先日、主催した掃除の会では、参加者が私を含めて2人でした。
 どうしようと思いましたが、二人で相談して、思い切って、「いつも通り~小学校のトイレでしたが、男子便所すべての便器や壁、床を掃除する」ことにしました。しかも、いつも通りの時間で終了と言う目標を掲げて。

 そんな、いつもと違った掃除でしたが、逆に学べたこと、気付いたことも多々ありました。いくつか紹介します。よかったら、お付き合いください。


1 いつもと違うからこそ「考える」。コンフォートゾーンを抜け出せる

 今回は二人での掃除になりました。
 それでも掃除の範囲や時間はできるだけ、いつもと同じにしようとスタートしました。
 いつもと同じ掃除内容、掃除の動きをしていては、人数が少ないのでうまくいかない(遅くなる)のは明らかです。そこで、掃除を始める前に、どうしたら効率よく進められるか、質を落とさず掃除ができるかを考えてから行いました。

 例えば次の通り。

・掃除道具を取りに行ったり来たりしていては時間のロスが大きい。
 できるだけ、手元にすべての掃除道具~スポンジ、洗剤、雑巾、ブラシ・・・を置いて掃除する。

・いつもは、一人一便器の担当。しかし、今回は一人でいくつも便器を掃除することになるので、同じ掃除内容(スポンジ、ブラシ、磨き掃除・・・)を別の便器を含めて一気に行う。

・いつもは、一つの便器の細かな汚れを時間をかけて落としていたけど、今回は、大まかでいいので一通り綺麗にして、時間があれば、それぞれの便器の細かな汚れを掃除する。などなど
 
 初めは、二人でどこまでやれるか、無理かなあと言っていましたが、意外と掃除しようと思えばできるもので、もちろん、いつものような細部の細部にわたる徹底的な掃除まではできませんでしたが、時間内に、一通り掃除が出来ました。綺麗になりました。
 
 そして、

二人だったからこそ、「工夫」を考え、普段の掃除では行っていなかった方法や手順を試せました。ちょっとした「チャレンジ」を経験でき、そういう意味では「自己成長」につながったかなと思います。

 メンバーがたくさんいれば、「いつも通りの掃除」をしていたと思います。それは「コンフォートゾーン(快適領域)」ではありますが、同じことの繰り返しによる「退屈さ」「マンネリ化」も生み出しやすくなります。
 いつもと違う経験によって、ちょっとしたチャレンジ、が違った達成感や幸福感をもたらしてくれました。

2 人がいることの影響を実感。

 いつも通りの範囲の掃除だったので、いつも以上に一人が担当する掃除の範囲は広がりました。ごしごしと磨き掃除をするのも倍以上。体力的にも、消費カロリー的に負荷はかかります。
 途中、1時間ぐらいが経過すると、やはり集中力も切れ、ちょっと一休み。
 ただ、自分が休んでいる間でも、隣の個室から、掃除をする音(しゅっ、しゅっと便器を磨く音)が聞こえてくると、こちらの気持ちも「休んでばかりもいられないな」と高まっていきます。

 これが、私一人だけの掃除だったらどうでしょうか?

 きっと、1回目の集中が切れた段階で、なかなか次の掃除に向かっていけなかったと思います。あるいは、まあ、このぐらいでいいか後手を抜いていい加減い終わらせてしまったと思います。
 それは、同じようなことを過去に経験しているからです。
 
 一人とはいえ、一緒に掃除をしている人がいると違っていました。

「ようし、がんばろう」
「わたしばかりが怠けていられないな」
「二人で決めた目標まで、最後までやり切ろう」

などと思い、掃除の取り組みがそのまま持続しました。
 終わってみれば、初めに計画した通り、しっかりと掃除しきることができました。

一緒に掃除する人がいる、近くに存在するというだけで、「大きな影響がある」と言うことがよく分かりました。人が目の前に、そこにいるということは、自分が思っている以上に周りの人に影響を与えているんだなあということを改めて考えさせられたいい機会となりました。

3 スリッパを磨いていたら、じわ~と感謝の気持ちが湧いてきました。

 便器以外にも掃除するところはあります。
 壁や床、手洗い場の鏡、掃除備品など。
 その中で、私は「スリッパ」を掃除しました。スリッパ磨きをしました
 二人での掃除だったので、掃除中の話し声や音もわずかで、だんだんと掃除の行為自体に集中できました。
 スリッパ磨きにも集中できました。
 スリッパの裏側を見ると、黒く汚れが積み重なっていました。
 磨くとちゃんと汚れが落ち、達成感がありました。
 同時に、「スリッパさんは、足が汚れないように床と足の間に入って、守ってくれているのだなあ・・・」というような気持がなぜかわいてきました。
 スリッパ磨きをするまでは、スリッパに対して何の感情もありませんでした。
 しかし、かなり汚れているのを見て、いろんな人に使われ、裏側で支えてくれている存在だよなあ」と言う気持ちになって、じわ~としました。

どんなイベントもそうですが、参加者が楽しめる背景には、それを支える人たちがいます。裏方がいます。あまり目立ちはしませんが、そういう裏方の活躍がないと、うまくいきません。参加者が気持ちよく参加でいません。

 トイレのスリッパも同じです。
 トイレの床を裸足でじかに歩くのはきっとためらわれます。
 汚れている、汚いと思うからです。
 でも、スリッパに履き替えることで、そんな気持ちを緩和してくれます。
 一方、使われた方のスリッパは、汚れが溜まっていきます。
 
 便器だって同じです。私たちは、毎日トイレを使用し、お世話になっているのに、汚い、御不浄などといって別格扱いしてしまいがちです。でも、トイレがなくなったら、使用できなくなったら、ものすごく困るのは被災地の状況を見てもわかります。
 
 スリッパを磨きながらそういう裏方や支えてくれている人やモノについて、特定の何かではないですが、「感謝」の気持ちが芽生えてきました。
 
 そんな経験ができました。
 
 
 たまには、いつもと違う少人数の掃除も、違った学びがあっていいものだなあと思いました。
 
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです
 

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