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ピルってどうなの?子宮内膜症と卵巣嚢腫を患った薬剤師の話

生理が重い人って結構いらっしゃると思います。
私もその中の1人でした。
昔からとにかく出血が多くて、毎月フラフラ顔真っ白。
血液検査は毎回貧血。
生理痛も半端なくて夜中でも痛み止めが切れると
おなかが痛くて起きてしまう。
PMSもひどく、1か月のうち元気なのは生理が終わった後の1週間だけでした。

きっかけはがん検診

ある日、市の子宮頸がん検診の券が届きました。
それまでは忙しさを理由に放置して期限が切れることが多かったのですが、
子供も生まれ、健康に気を使わなくちゃと思い立ち、勇気を振り絞って検診に行きました。

そこでがん検診と一緒に子宮の状態を診てもらう腹部超音波検査も一緒にしてもらいました。
その時に初めて「子宮内膜症ですね」と言われました。
ついでに卵巣嚢腫もあります と。

生理の時の排便時には臓器が癒着して引き攣れるような感覚の痛みもあったため、多分大腸などにも内膜が癒着していたのではないかと今では思います。

子宮内膜症は病気である

それまでは生理が重くても、自分が病気であるとは思いませんでした。
生理痛は個人差があるので、
みんなこれくらい我慢しているんだろうと思っていました。

でも診断されて、
あぁ、私は病気だったんだ。だからあんなにしんどかったんだ。
あれは普通ではなかったんだ。
と何故か少し安心しました。

ちなみに
子宮内膜症とは本来子宮の内側を覆っている内膜が子宮以外の卵巣や腹膜などの臓器に発生、増殖していく病気です。
卵巣嚢腫とは腫瘍の一種であり、良性と悪性があります。今回私は卵巣嚢腫も見つかったため、がんの腫瘍マーカーも血液検査で測定したのですが、最初は高値でした。ただ、治療とともに低下したため良性の腫瘍であったと思われます。

治療はやっぱりピル

子宮内膜症の治療には年齢にもよりますが、低用量ピルが使用されます。
ここで無駄に薬剤師としての知識が治療開始の邪魔をします。

低用量ピルの大きな副作用として代表的なものが、血栓症です。
血液の中に血の塊ができやすくなり、それが飛んだ先が
例えば脳なら脳梗塞、心臓なら心筋梗塞。
正直に言うと、それを知っているがためにちょっと怖くて
先生が勧めてくれるピルでの治療を、痛み止めでごまかして先延ばしにしました。
診察は毎月していて、実に3か月ほどゴネました。先生ごめんなさい。

いざ、飲み始めると

ゴネている間も生理はひどく、こりゃもう腹をくくって飲むしかないと決意しました。
ピルを飲むにあたって自分の中で気を付けようと思ったことは、
水分をしっかり摂ることでした。
そんなに変わりないとはわかっているのですが、気持ち的に。

飲み始めると、最初の1、2か月はそんなに変わりなかったのですが、
3か月以降は見違えるほどに変わりました。

まず、生理中に飲む痛み止めの量が激減しました。
ロキソニンは胃が痛くなるので飲めない体質です。
そのためカロナールを服用していたのですが、痛みがひどくて1回に800mgを1日4回3日目まで飲んだりしていました。それでも3~4時間で痛み復活。
先生にも飲みすぎだと言われていました。でも飲まないと死にそうなんです。
それが毎月だもの。肝機能だって心配なのでピルを開始しました。

今は1日目に1回だけ600mgを飲めばいいくらいに。信じられないです。

それから、生理の量がこちらも激減しました。
昼でも夜用ナプキンを使っていた出血が、
今では夜にも夜用は使用しません。
なんなら昼間はおりものシートで済むこともしばしば。

生理が軽いと生活が変わります。

以前は
生理中→ひどい出血、のたうちまわる生理痛、フラフラ貧血
第2週→わーい生理終わったやったー元気!
第3週→だるいしんどい、イライラ、おなか痛い
第4週→眠いしんどい、イライラ、生理前の生理痛、気持ち悪い

体の中のホルモンが乱高下しているのと合わせて
ジェットコースターのような体調変化を味わっていました。

今は
あれ、来週生理だ。

家族にも八つ当たりすることが減り、良かったと思っています。

その後の経過

病院では年に1回血液検査をして、血栓ができやすいかどうかの数値なども診てくれます。
子宮の状態も内膜症はなく、卵巣も腫れておらずに経過は良好です。

貧血の数値も今では上限ギリギリ。貧血どころか血が多めになりました。

心配していた血栓症の副作用も今のところはなく、むくみもないため
継続して服用することができています。


ビビっていたピル服用ですが
もし今、生理で悩んでいる人がいたら声を大にして伝えたいです。

今はネットで情報がすぐに手に入ります。
でもその情報は自分に当てはまるものではないかもしれません。
まずは勇気を出して病院に行き、
自分の体がどうなっているのかをしっかりと診てもらってください。
そして辛いことを相談してください。
その痛みは、決して我慢すればいいものではないかもしれません。

ほんの少しの勇気で、QOL(生活の質)は向上します。

迷っている人がいたら、教えてあげたいです。

ピル、こわくなかったよ


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