気刊「我がヂレンマ」

 気刊とは、「気分次第で刊行するマガジン」という意味である。我ながら小賢しいが仕方なし。事実だから。内容としては、愛用しているセブン&アイのリングノートのメモの一部についての解説と考察。最近、読んでいる、または近々読む予定の本の紹介。ここ数日のトピック(近況)など、盛りだくさんの内容(謎の自負)。そのため、気刊である。

<メモについての解説と考察。ある1ページを切り取り、書いていく>

「新企画会議(2023.9.25)」
 呼んで字のごとく。四日前の日付だが、何も進展していない。何事も、ギリギリになってからが習性のヒト亜族。私。三日後に迫る、第3クール。どうなることか。月曜日なので、暗いテイストは書きたくない。

「DEATH HOTEL」
 おそらく、B級映画調のホラー短編かもしれない。泊まったら死ぬ、または宿泊後に事故か病気で死ぬ。その噂を聞きつけて、若者数人がやってくる。営業しているかも怪しいボロさ。変態紳士の支配人、身長2メートルの巨漢の調理長、ハサミが武器の痩せた男。ゲーム「アウトラスト」調。
 調理しきれない。故にとん挫したのだろう。

「惨事のヒロイン」
 お笑いコンビ「3時のヒロイン」のもじり。大惨事にあって、毅然とした行動をとる女性像が浮かぶ。それ以上でもそれ以下でもない。いつか使えるかもしれないし、お蔵入りかもしれない。お蔵が倒壊するかもしれない。

「阿呆のじゅうたん」
 魔法の絨毯のもじり。乗り物として機能せず、持ち主に巻き付いてきたり、前後不覚の方向音痴で行く先が定まらない。それによって、意外な出会いがあったり、危機を脱したりする。阿呆のじゅうたんと友情が芽生えたりする。オチが浮かばず、中絶したのだろう。

「消音動物」
 昨日のショートショートで執筆済み。地球外生命体なら、音を食べる生物がいてもいいだろう。そんな発想である。連想として、人の怒りを食べる生物もありか。その場合、みんな穏やかになって素晴らしいが、笑って済ましてはいけない怒りまで食べてしまい、人間社会が機能不全になるとか。
 メモをして採用。となる例は少ない。そのひとつが、消音動物。

「肛門を牛耳っていると、言い張る」
 食事中の方、失礼。くだらないの一言だが、これが事実なら恐ろしい。全人類の肛門を牛耳っているので、適当に人名検索して下痢や、痔にできる。もう悪魔的。汚いデスノートか。書く気がしない。

「星色☆バックドロップ」
 会うと必ずバックドロップをキメてくる女子高生とのラブコメ。彼女は恥ずかしがり屋で、「もうやだ~」と言ってバックドロップ。浮気をしても当然、バックドロップ。ふとした瞬間、バックドロップ。
 主人公が死んでしまう。笑えない。ホラーだ。オチようがない。

「無意識バイアス、破壊と創造の幾何学模様」
 上坂すみれさんの「POP TEAM EPIC」の歌詞から抜粋。耳に残ったので、メモした模様。ちなみに第1シリーズのブルーレイを所持しているが、2と3巻は未開封。意外と洒落たその歌詞が素晴らしい。

「嫁ゾンビ」
 私が有名だったら、炎上しそうなタイトル。ある日、全国の「嫁」がゾンビのようになり、パニックに陥る。だからなんのか。ふと、浮かんでしまっただけで、生かせるかどうかは不明。

「ゆう帝」
 おそらく、人の名前だろう。祐太郎君が、帝(みかど)、帝王になって最初は中学校のグループ。ネットを通じて、熱狂的な信者を獲得していく。大人への不満や絶望が、負の力を増幅させ、子供たちの組織は徐々に危険な方向へいく。ゆう帝に唯一、意見できるのは幼馴染の少年のみ。人間の醜さと、美しさ、刹那的な感情と暴走が迸るジュブナイル・エンターテインメント。
 長編だろうね。きっと、聖書のように分厚い。税込み3500円はしそう。装丁にも拘って、飾っておきたい美しさを持たせたい。

「野村13号」
 野村という男の、13番目の個体。SFか。ヤンマガあたりで連載してそう。絶対、グロい。エロい。歯がギザギザしてそうだし、街にいたら避けて通るだろう。多重人格かと思ったが、13人は書ききれないし、読者も把握しきれないだろう。

<最近、読んでいる、または近々読む予定の本の紹介>

「中原中也 全詩集」
 これは、毎日すこしづつ読む。執筆に迷った時も、開いてみる。ほぼ聖書のような扱い。なんだかシンパシーを感じて、手放せない特別な本。一生、読み続けるだろう名著である。

「プロだけが知っている 小説の書き方」
 森沢明夫先生著。人気小説投稿サイト「ノベルアップ+」に寄せられたリアルな悩みに答えたもので、内容は実践的。ありがちな精神論とは無縁なので、読む、というより、使う。が正しいだろう。私も使い倒して、骨身にしみ込ませたい。

「校閲至極」
 サンデー毎日連載。毎日新聞校閲センターによる、誤字や不適切表記と格闘する日々。プロの現場から生まれた傑作コラム74編。
 ひとつひとつが短いので読みやすく、改めて文筆の怖さを実感する。しっかり考えなくては。推敲しなくてはと、思わせてくれる。これは良い本を買ったと、引き締まる思い。

「幼年期の終り」
 宇宙知性との遭遇によって新たな道を歩みだす人類の姿を、巨匠(アーサー・C・クラーク)が詩情豊かに描き上げたSF史上屈指の名作。
 らしいです。興味はなかったが、とりあえず手にとってみただけ。好きなモノだけ読んでいたらいけないと、考えてのことです。

「コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった」
 20世紀後半、あるイノベーションが誕生し、全世界でビジネスのやり方を変えた。ソフトウェア産業の話ではない。それが起きたのは、海運業だ。 おそらく大方の人があまり考えたことのないようなそのイノベーションは、あの輸送用のコンテナである。コンテナは、この夏私が読んだ最高におもしろい本『コンテナ物語』の主役を務めている。コンテナが世界を変えていく物語はじつに魅力的で、それだけでもこの本を読む十分な理由になる。そのうえこの本は、それと気づかないうちに、事業経営やイノベーションの役割についての固定観念に活を入れてくれるのである。
 ビル・ゲイツの感想です。私も同じ思いで読んでます、はい。

「作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造」
 世界19ヵ国で読み継がれる、物語創作の伝説の聖典(カノン)。すべての物語がもつ永久不変のパターンとは何か? 人を惹きつける物語の構造とはどういうものか? 神話学者ジョーゼフ・キャンベルの神話理論<ヒーローズ・ジャーニー>を、映画にも適用できる物語構造にモデル化し、ハリウッドに多大な影響を与えた名著、刊行25周年記念版が待望の翻訳!
 だそうです。読みます。いや、使います。使い倒します。

<ここ数日のトピック(近況)>

「昨日」
 自宅の掃除のため、有給休暇を取得した。まず、朝7時からデニム2本を風呂の浴槽で手洗い。オンスが重いので、洗濯機を使用すると、暴れる。
 水を流しいれ、適当にナノックスをいれ、洗い、すすぎ、干す。水が滝のように落ちていたのに、一日干したら8割がた乾いた。日光と風。自然に感謝である。他方、掃除である。今は服を少し収納するぐらいで、ガラクタだらけだった四畳半の掃除。父親が存命だった10年前からのゴミ、段ボールなどを手袋をして片付けていく。捨てるものは捨てる。
 まさに、手つかずの不自然。愕然とする汚さ。何故か、乾ききった玉ねぎのヘタ。03年の新聞。買い置きの粉洗剤。大昔のタウンページ。昔懐かしブルワーカー。86年頃の育児雑誌。いやいや、恐ろしい。まるで遺跡発掘。ほぼ2時間、汗水たらした。掃除は気持ちいい。読者諸氏もお試しあれ。家全体の雰囲気まで変わった気がする。

「今日」
 夕食は外食。毎週金曜日、恒例の蒙古タンメン中本である。
今回のメニューは『北極の月』、以下、蒙古タンメン中本の道より抜粋。
「2014年10月に吉祥寺店にて発売されました。考案者は東江店長。
牛肉をベースに作ったスープを北極スープに加え、にんじん、もやし、ほうれん草、ぜんまい、で作ったナムルと温泉たまごがトッピングしてあります。北極を冠しているので辛さは最高点の★10ですが、加えられるスープと温泉たまごにより北極よりはマイルドに。生粋の北極マニアは2倍か3倍程度がちょうど良いかもしれません。麺は並で1.5玉、辛さアップは10倍まで、野菜大盛可」
 確かな牛肉のうま味を感じるスープ、ナムルが美味い。中秋の名月は、月見バーガーより、蒙古タンメン中本の北極の月。麺は大盛、背脂、北極煮卵、よくばってライス。ナムルと牛肉をライスのおかずにして、後半は背脂と温泉たまごでマイルドに。辛さの奥にうま味のある、北極シリーズ。しかし、初心者は辛味でやられてしまうので、うま味を感じるには慣れが必要。慣れてしまえば、病みつき。お腹いっぱい。満足して帰宅となる。

 気刊「我がヂレンマ」いかがでしょうか。そこそこ集中して書いてみたが、出来については判断しかねる。金曜日のnoteは出来が悪い気がして、テコ入れしたいと、挑戦してみた。何せ、気分次第で刊行するマガジンだから、これでいいのだ。いいのか? 次に書くのは年末か、年始か。春先か。
 ちなみにタイトルの「我がヂレンマ」は中原中也全詩集からの引用。
 ありがとう、中原中也。これからもよろしく、中原中也。
 
                     

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