週刊「我がヂレンマ」<6月3日号>

 夏が視界に入り、大雨降りしきる季節。春と夏の幕間。カタツムリとナメクジがよく発生し、踏みつぶさないよう視線を落とすと、蚯蚓も顔をだす。
ジメジメであって、しっとりではなく、何なら蒸し暑くもある。早く夏になれと言えたのも昔の話。湿度と気温の高い日本の夏に、今から気が滅入る。
 夏の予定といえば、お盆の掃苔(墓参り)ぐらい。
 後は冷房のきいた部屋で読書とか、酒とか、そんなところ。キラキラしたいが眩しいのは不得意で、結局は、ひとり自分のペースで夏を終える。
 陰湿な自虐はもうたくさんだ。
 今週のコンテンツは、
<メモについての解説と考察>
<購入した書籍とBlu-ray紹介>
<月曜から妄想を垂れ流す・短歌>
 無理矢理に明るくつとめるより、どんより、まったりと身を沈めてもいい。自分のムードを少しは尊重してもよいのでは、そんなことを最近になって考えている。
 前置きはこれくらいにして、書いていこう。

<メモについての解説と考察>

「自分で調べたこと、分かった部分、分からなかった対象」
 これは、職場で上司または先輩に分からないことを尋ねるとき、事前に整理すべきこと。これらを一切整理せず、質問したとしても、相手は困惑し逆に質問させてしまう。すると、「自分で考えて」となってしまう。無駄に会話のラリーをしているほど暇ではないのだ。
 ユーチューブの動画で観た覚えがあるが、出典は不明。自戒をこめてメモしたのだろう。

「粒度(りゅうど)」
 粒の大きさのことだが、ビジネスでは、資料の説明量や仕事のタスクの大きさ、段取りの細かさを粒子に置き換えたもの、という意味です。
「りゅうど」と読まれるこの用語は、ビジネスコミュニケーションやプロジェクト管理において非常に重要です。
 タスクの粒度を細かく設定することで、それぞれの作業にかかる時間をより正確に見積もることができ、優先順位の設定も容易になります。これは、プロジェクトの進行状況を正確に把握し、リソースの配分を最適化するのに役立ちます。
 仕事の粒度が細かく、全体的に揃っていると、業務フローの作成も容易です。
 だ、そうです。憧れますねぇ、優秀な、スマートなフィーリング。いやー、私の現実は程遠いですねぇ。生産性上げないとなー。

「大坪砂男」
 1904年2月1日‐1965年1月12日は、日本の探偵小説作家。本名は和田六郎。筆名はE・A・ホフマンの「砂男」に由来する。1951年に大坪沙男と改名したが、53年に再び砂男に戻した。
 江戸川乱歩が「戦後派五人男」と呼んだ探偵作家5人のうちの1人。作品はすべて短篇である。
 東京薬学専門学校(現在の東京薬科大学)を経て、谷崎潤一郎の書生となる。その後、陶工を志したり、株に手をだしたのち、警視庁の鑑識課に8年間在職する。その後、画商に転じたが不注意で贋作を販売し廃業、疎開、終戦を迎える。
 1948年、一人の偏執狂が些細な理由から殺人を行うまでを、飛躍に富んだ文章で描いた『天狗』を佐藤の推薦で『宝石』誌に発表。これが代表作になる。1950年、「私刑(リンチ)」等で探偵作家クラブ賞(現在の日本推理作家協会賞)短編賞受賞。
 しかし、日本探偵作家クラブ(現在の日本推理作家協会)の幹事長時代に運営資金を使いこみ、退会。また、寡作ゆえ貧困に苦しみ、晩年は柴田錬三郎のアイデアマンに身をやつす。
 子は俳優・劇作家の和田周。孫は『PSYCHO-PASS サイコパス』や『まどか☆マギカ』の虚淵玄。

「褥(しとね)」
 座るときや寝るときに下に敷く物。しきもの。ふとん。「草の――」
 また、「じょく」とも読む。柔らかい敷物。しとね。
 また、「にく」とも読む。毛の敷物。皮が敷物に適することから、カモシカの別名(文明本節用集)
 なんとなく黴臭い、しんなりとした雰囲気ですが、ま、使うことはないでしょう。

「ヌーヴェル・ヴァーグ」
 は、1950年代末に始まったフランスにおける映画運動。ヌーベルバーグ、ヌーヴェル・ヴァーグとも表記され、「新しい波」(ニュー・ウェーブ)を意味する。
 広義には、撮影所(映画会社)における助監督等の下積み経験なしにデビューした若い監督たちによる、ロケ撮影中心、同時録音、即興演出などの手法的な共通性を持った一連の作品を指す(単純に1950年代から1960年代中盤に制作された若い作家の作品を指すこともあり、さらに広い範囲の定義もある)。
 この呼称は、1957年10月3日付のフランスの週刊誌『レクスプレス』誌にフランソワーズ・ジル―が「新しい波来る!」と書き、そのキャッチコピーを表紙に掲げたことが起源とされる。
 作品に、シャブロルの『いとこ同志』、トリュフォーの『大人は判ってくれない』、ジャン=リュック・ゴダール『勝手にしやがれ』など。

「デスピリア(deSPIRIA)」
 は、電脳映像製作所が制作し2000年9月21日にアトラスから発売されたドリームキャスト用ゲームソフト。CERO設立前のためレイティングは行われてないが、パッケージ表面には「この作品には暴力・流血・ホラー表現などが含まれています」などの注意が記載されていた。
 愛情・憎悪・信頼・嘘など人の光りと闇を覗き、次々と起こる事件の真相を暴いていくRPG。心を読んだり破壊したりする「マインド能力」を駆使して、事件を様々な場所で情報を集めて解決するのが目的。全編を通じて「鬱、スプラッター、グロテスク、ホラー」な表現が多い。薬物で狂った人物の行動が、滑稽に描かれるなど、ブラックユーモア的な表現も多い。

「滅多矢鱈(めったやたら)」
 考えもなく、手当たり次第に何かをしたり、数量・度合いなどがむやみに多かったりするさま。
 むやみやたら。「―に書きまくる」
『滅多矢鱈』は当て字。誰が当てたのでしょう。洒落てはいませんが、味がありますね。平仮名でも、当て字でも、なんだか野暮ったい言葉です。

<購入した書籍とBlu-ray紹介>

「星々の支配者」
                            八木ナガハル
「無限大の日々」「惑星の影さすとき」「物質たちの夢」
「時の闇の彼方に」「人類圏」につづく、八木ナガハル作品集第6弾!

『漫画だから表現できる、SFのかたちがここにある』
『人は誰でも主人公。脇役なんて、一人もいない。』

[収録作品]
「惑星スカラブラエ」
「第2の入り口」
「地中式太陽光発電所」
「非思考ゲーム」
「保護領域」
「雑草のごとくに」
「敗北する権利をやろう」
「地球文書」

 ちなみにサイン本です。だから買ったわけじゃありません。前述した5冊はすでに私の書架にあります。そして絵柄は可愛い雰囲気で、ハードSF。そんな作風が気に入ってます。

「破戒
 ~ユリ・ゲラーさん、あなたの顔はいいかげん忘れてしまいました~」
                           作・松尾スズキ
                           画・山本直樹

『人間は男も女もみな役者』
『松尾スズキの巧妙な作話と、山本直樹のエロティシズム。抒情と狂気と笑いが交錯する、異能コラボレーション。待望の新装・新編集版、全1巻』

『恋っていうんですか? そういう境地。』

 経営難の小さな印刷会社を営む若き2代目社長カズシは、工員のノボルが機械で指を切断して以来、数奇な運命に呑まれていく。
 少年時代の封印された記憶がフラッシュバックするなか、謎多き魔性の女・ミツコと出会い―――
 様々な伏線がダイナミックに収斂していく松尾スズキのストーリーと、繊細かつ妖艶な山本直樹の筆致が融合する、傑作コミック。

「プラスティック」
                              井上夢人
『2024年 本屋大賞 発掘部門・超発掘本! 
 全国書店員が選んだ、いちばん!売りたい本』

『この本を手に取ったあなたの直感を信じて、迷わずレジに持って行ってほしい。本屋だからこそ生まれた、この偶然の出会いは30年の時を超えた衝撃をもたらすはず。』
                    推薦者 ページ薬局・尼子慎太

 54個の文書ファイルが収められたフロッピイがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしまえ崩壊させる導火線となる! 
 謎が謎を呼ぶ深遠な井上ワールドの傑作ミステリー。

 これは新宿バルト9で、待ち時間で読み進め、引き込まれた。序盤ですが、逆転があり先が気になって仕方がない。おススメです。

「口訳 古事記」
                               町田康
『最古の日本神話が超絶文体で生まれ変わる!! 町田康の新たな代表作』
『アナーキーな神々と英雄たちが繰り広げる、〈世界の始まり〉の物語』

『我行って、玉取ってきたれや。ほな行ってきますわ』

『日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる!!!!!!!!!!!!!』
『NHKラジオ第一「高橋源一郎の飛ぶ教室」、ラジオ深夜便、朝日新聞、読売新聞、日経新聞ほか、SNSでも話題沸騰11刷!!』

『玉とってきたれや』

 イザナキとイザナミによる「国生み」と黄泉国行、日の神アマテラスの天の岩屋ひきこもりと、追放された乱暴者スサノオのヤマタノオロチ退治、何度も殺されては蘇ったオオクノヌシの国作り、父に疎まれた英雄ヤマトタケルの冒険と死、帝位をめぐる争い、女たちの決断、滅びゆく者たち――。
 奔放なる愛と野望、裏切りと謀略にみちた日本最古のドラマが、破天荒な超絶文体で現代に降臨!!

「入門 山頭火」
                               町田康
『町田康が自由律俳人に挑む! ”分け入っても、分け入っても山頭火”』

「人間のどうしょうもなさ、を見て戦慄する。」

「なぜならそれが間違いなく俺の中にあるものであるからだ」  
                            ――本文より
『生家は没落、母は自殺、弟は縊死――
「解くすべもない惑ひ」とは何か?』

『ただの酒飲みか、偉大な俳人か、流浪する民か、真実の僧か』

「凄まじい蛇行人生」

<二部構成>
 第一部「惑ひの正体を繙(ひもと)く」
 第二部「本書だけ、独自の名句読解」

「鮫肌男と桃尻女[Blu-ray]
 A FILM BY KATSUHITO ISHII 2K RESTORE NEW MASTER」

『当時の邦画単館映画の記録を次々に塗り替え邦画ブームを牽引した石井克人監督長編映画第1作がレストアマスターで初Blu-ray化!』

「石井監督によるオーディオ・コメンタリーに加え、監督の劇場デビュー作である幻の作品『8月の約束』をレストア・マスターでパッケージ初収録!スタイリッシュで過激、疾走感溢れるあの衝撃をもう一度!!』

 退屈な毎日のさえない自分から決別するため、ある朝、トシコは勤めていた山奥のプチホテルを脱出する。ひょんなことからヤクザに追われ獣道からパンツ一つで飛び出してきた鮫肌と一緒に逃げることになるトシコ。
 暴力団幹部の田抜、トシコに偏執狂的な愛情を注ぐ叔父ソネザキ、狂暴な殺し屋山田も、狂ったように二人を追うのだ。
 クレイジーな逃避行。果たして二人は、逃げ切ることが出来るのだろうか?

【映像特典】
◎石井監督オーディオコメンタリー ◎未公開 NG CUT ◎特報予告/劇場予告
TV CM 15秒/TV CM 30秒 ◎インタビュー(石井克人/浅野忠信/小日向しえ)◎8月の約束

CAST
浅野忠信 小日向しえ 鶴見辰吾 真行寺君枝
島田洋八 我修院達也 寺島進
岸部一徳

STAFF
原作:望月峯太郎『鮫肌男と桃尻女』
  (講談社「ミスターマガジン」所載)
監督・脚本:石井克人
撮影:町田博
音楽:Dr.StangeLove(ポニーキャニオン)
照明:木村太朗
美術:丸尾知行
衣装デザイン(鮫肌):タケオ・キクチ
衣装:宇都宮いく子
提供:東北新社/カルチュア・エンタテインメント

<月曜から妄想を垂れ流す>

 と、いいながら妄想の余地が入る余地もないほど余裕のない、22時33分。嗚呼、時間がない。余裕がない。仕事が終わっての、平日は。
 と、いうことで、ひたすら適当に短歌、詠い散らかします。

どこまでも不躾すぎるオジオバは心入れ替え土に還れよ

先行きに暗雲のぼる曇り空いつまで待てど暮らせど晴れず

酒のんでアテでいっぱい直ぐ眠い年を感じて梅雨の雨滴か

辛旨の蒙古タンメン通ってはケツの粘膜擦る辛子や

デブ走る何事ですか息上がり膝で息して息絶え帰る

髪パーマくそ丸眼鏡古着好きエコバックもち量産型

アイドルは弾けてなんぼ狂おしくキモオタ踏んで銭をだしけり

締切が迫りくるよと焦っても追い詰められていと楽しかな

男の娘流行り流行りて何処へ行くニューハーフと何が違うか

地元ほど以外と知らぬ名物よ思うてみても東京行き

 はぁはぁ―――疲れた。
 でも、短歌楽しいですわ。短歌になってるか分からないけど。意識したのは「五・七・五・七・七」だけ。
 影響を受けたのは町田康先生の『くるぶし』だけ。他はなーんも知らぬ存ぜぬ。これはいかん。勉強しないとね。いや、守備範囲広げ過ぎか。いくら買ってもキリがない。
 嗚呼、もう締切まで時間がない(23時14分)です。
 もう、終わりにしよう終わってみせようホトトギス。


 

 
 
 
 
 
 

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