「動物病院四方山話」14(強い子・弱い子)
私の名前は「みぃ」
動物病院で暮らしている猫
私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています
前回の動物病院四方山話はこちら
外ネコさんの中でも、
平和を好む子
一匹狼で群れるのを嫌う子
喧嘩に強い子
喧嘩っ早いのにいつも負けてしまう子
様々なタイプの子がいるわね。
猫さん同士にも相性があるのよ。
とことん相性が悪い子同志は、おそらく一生仲良くすることはないと思うわ。
おうちの中の子でも、
「この子だけは違う部屋にしてあげないと、他の子と仲良くできないの」
とお聞きすることもあるもの。
私はね、おうちの中だけで満足して暮らすタイプなの。
それどころか、私なんて外へのドアが開いていても、外が怖いから出て行こうなんてこれっぽっちも思わないわ。
でもね、不妊手術をしてもどうしても外へ行ってしまう子もいるみたいなの。
猫たちの個性って千差万別よね。
一平ちゃんに言わせると、動物病院に来られる猫さんたちを見ていると、色々なタイプの子がいるから楽しいんだって。
もちろん病気の子たちは心配だし、早く良くなって!って思うんだけどね。
おうちの中の子でも、外へ行って喧嘩をしてくる子がいるのね。
そんな子達が傷を負った時には病院へ連れて来られの。
この子達は不妊手術はしているんだけど、どうしても外へ出て行ってしまうんだって。
病院に来られる猫さん同士の喧嘩の傷って、咬み傷が多い気がするわ。
もちろんひっかき傷もあるんだけど、それくらいだったら病院に来なくても治るのかもしれないわね。
猫の皮膚って丈夫なのかしら。
咬まれた傷自体は比較的早くふさがるみたいなの。
だから飼い主さんは咬まれたことに気づかないこともあるのよ。
でもね、そこで安心してはいけないの。
猫さんの牙って鋭いじゃない?
だから牙が皮膚の下まで到達するんだって。
そうしたら、皮膚の表面がふさがっても皮膚の下で化膿し続けることが多いのよ。
咬まれてから1、2週間後にその部分がすごく腫れてきて、気づかれることが多いの。
その頃はかなり痛いと思うの。
元気がなくなったり、食欲がなくなる子もいるんだもの。
そのまま放置しているとね、皮膚の一部が薄くなってニキビの親玉のようにはじけちゃうのよ。
膿がドバっと出てくるの。
その時点で、けがをしてたんだ、って気づかれる方もおられるわ。
でもね、不思議なもので、傷がはじけると見た目はすご~く痛々しいんだけど、当の本人は痛みが消えるのかスッキリするみたいなの。
ほとんどの子が元気になって食欲が復活するするんだもの。
猫さんって本当に強いわねぇ~。
あとね、喧嘩に強い子と弱い子でけがをする場所に違いがあるのよ。
強い子は決まって顔周りにけがをしているわ。
それに対して、弱い子がけがをするのはお尻辺りなのよ。
なぜかって?
強い子は絶対に逃げないのよ。
向かっていくわけ。
それで取っ組み合いの喧嘩をするでしょ。
だから顔周りに傷ができるの。
じゃりン子チエに出てくる猫、小鉄くんも額に三日月の傷があるものね。
それに対して、弱い子は逃げ出してしまうでしょ。
だから追いかけられて後ろからお尻を咬まれちゃうのよ。
喧嘩の話ばかりしちゃったけど、猫さん達もむやみやたらに喧嘩しているのではないのよ。
猫さん達の喧嘩って、唸りながらにらみ合った後に、叫びながら取っ組み合いが始まることが多いの。
でもね、唸るだけで喧嘩をしないで引き下がる子たちも多いのよ。
まず、唸りながらお互いの強さを図っているみたいなの。
その時点で自分の方が弱い、と思った子は無駄な喧嘩をしないで引き下がるんだって。
そういえば、去勢手術をしていない男の子の猫さんのほっぺって見たことがある?
とてもふくよかな子が多いわよね。
これって、咬まれてもダメージが少ないようにほっぺがポッテリしているそうよ。
昔は顔に傷跡だらけの猫さんをよく見かけましたよね。
そんな子達は、相当強い子だったんでしょうね。
今は地域猫さんとしてきちんとお世話されている外猫さんが多いので、そういった子たちも少なくなってきているかもしれませんね。
おわり
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