<マーケットチェック>
株価
経済指標で右往左往する相場が続いていますが、確からしいのは雇用市場が調整に向かっているという点です。一方、マーケットが判断し損ねているのが、「雇用市場が調整した結果、インフレは遅いながら鎮静化してきているように見えるが、それで景気は腰折れしないというシナリオでいいのか?」という事だと思います。米国では解雇率が上昇することなく、雇用市場の過熱が収まってきています。本当にこのトレンドを維持出来れば、インフレは徐々に沈静化し、失業率の急増もないので、消費も急減速はせず、景気も腰折れしないという事になります。
日本株は相変わらずシャキッとしない展開が続いていますが、先月来指摘していた、日本売り中国買いのトレンドは止まってきている様です。
金利
日本の金利上昇がどこまで続くのか、水準感の議論が活発になってきました。先週の記事で、日本の金利市場の動きはこの2週間、海外比較でも大きくなっており、週末には国内金融機関がメインの投資主体であるJGBの金利は、海外勢も参加するSWAP金利をキャッチアップしたという事を書きましたが、QQE 以前の日米金利のバランスや、QQE 以前の長期フォワード金利と超長期フォワード金利のバランスを参考にすると、まだ20~50bps程度は上昇余地がありそうです。ここは引き続き注目です。
為替
日銀のスタンスは金融引き締め方向に動いており、日本は金利引上げ方向、米国は金利引き下げ方向という見方は変えていません。
為替の関係者は未だに金利差の話ばかりをしていますが、これまでも述べている通り、為替には安定した価格決定理論はなく、一度関係が崩れると動きが急速に大きくなることには注意しておいてください。為替以外の市場を見ていると、日本最悪シナリオとはなっていないように見えます。
<注目したニュース記事>
6/3日経 資産運用業も多様性が重要、女性ら参加の効果は
<河北コメント>
資産運用の世界は圧倒的な男性社会で、これは日本に限らず世界的にもそのような傾向はあります。
ただ、資産運用は他の市場参加者との違った視点で物事を見る力が最も重要です。その意味で、男性中心のマーケットの中で、女性であるという事はそれだけで有利であるといえるでしょう。
6/5日経 決算書、円表記やめます
<河北コメント>
外国人投資家から見た場合、ドルベースで成長し、ドルベースで見た企業価値が成長する企業でなければ投資する意味はない。
記事にあるような海外売上比率が高い企業でなくても、自社の決算をドル換算した時にどのように見えるのかを確認してみると、外国人投資家からどの様に見れるかが分かってくると思います。
6/5日経 国税の減免見送り シンガポール・香港と差