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<マーケットチェック>
ファンダメンタルズ面では特に好材料はありませんでしたが、週初の3営業日で日経平均が一時1000円以上上昇、海外との比較でも弱含みが際立っていた日本株ですが、この四半期も大崩れせずに終了しました。ただ、来月初めにかけて英国(7/4)、フランス(6/30に第1回投票、7/7に決選投票)、日本の東京都知事選挙(7/7)と政治のイベントが続きます。週末に行われた米大統領候補の討論会でも現職のバイデンが冴えず、現時点ではトランプ優位が明確になりつつあります。政治イベントがマーケットに与える影響にも注意してきたいと思います。
株価
日本株に関しても個人的には押し目買い目線の人が多いとは思いますが、テクニカル的には教科書通りのデットクロスを形成しており、テクニカル的な売り主体をトリガーする可能性が十分にあると懸念していましたが、週初から大きく値上がりし少し意表を突かれました。需給的には配当再投資や四半期末リバランスは買い方向に作用しそうな一方で、ETF分配金売り等も意識され始めるため読みづらい状況だったのですが、上方向に動きました。
こういった局面では上下に振られた局面でそれをサポートする意見が大きくなりがちですが、強気派はそれほど増えていないように思います。四半期末なので7-9月にどう動くかといった視点が増えがちな時期なのですが、足もとの円安で輸出企業の業績は底堅く推移すると考えられるものの、円安によってダメージを受ける企業も多く、キャピタルフライトへの懸念もある事から、それほど楽観的には見ていないようです。
また、株主総会シーズンが終わりましたが、7月はじめにはその集計結果が一部出て来ます。今回はアクティビストからの株主提案も多かったのでその賛否の比率には注目したいと思います。
金利
金利は先週書いた通り7 月会合で決定される国債買入れの減額計画がどの様なものになるのかが気になりますが、トランプ当選にシナリオが強まってきたことで来たことで米国の金利に影響がないか気になります。現時点ではインフレ鎮静化への期待が高い訳ですが、トランプ大統領が圧勝し、議会も共和党が勝利した場合、法人税カットによって財政悪化リスクがあります。現在、米国の財政見通しはトランプ減税が終了するという前提で作られているため、それが崩れた場合、債務上昇懸念から金利が上昇する可能性を意識しておきたいと思います。
為替
日銀のスタンスは金融引き締め方向に動いており、日本は金利引上げ方向、米国は短期的には利下げが先延ばしになっていますが、いずれにしても米国は金利引き下げ方向という見方は変わっていません。
しかし、そのペースは日米ともに市場が当初予想したペースよりもスローという事だと思います。もし米国の金利がなかなか下がらない、あるいはトランプの意図に反して金利が上昇するという事になれば、円高に向かうチャンスを逸するリスクもあります。ここは決め打ちしにく状況だと思います。
<注目したニュース記事>
6/23日経 「円=安全通貨」は誤解だった
<河北コメント>
このコメントが出た辺りから円安が再加速している様に感じます。為替レートの水準感とは別の所で議論が進んでいるように感じます。
6/23日経 足並みそろわぬAI規制
<河北コメント>
AIに関する規制の必要性に関しては様々な議論があるが、おそらく簡単には決着しない。規制の議論よりも技術の進歩が速く、規制が追い付かない展開が続くだろう。
6/24日経 「キャッシュレスで十分だ」 20年ぶり新紙幣
<河北コメント>
今回の新紙幣導入は、キャッシュレス化をさらに進めるという意味で注目されます。既に私たちも現金を使う機会は減っています。子供の話を聞いていると現金のみの店は避けることもあるようです。機械の更新をするよりはキャッシュレスのみにしていく店も増えるかもしれません。
6/24日経BMW、国内全店に急速充電網
<河北コメント>
EVを利用していると、急速充電がいかに重要か分かります。自宅で充電している場合は特に問題ありませんが、泊りがけで出かける様な遠出をした時は急速充電のありがたさを感じます。
日本はハイブリッドが強いため、EVのインフラ整備が遅れていましたが、今後急速にインフラを整備していくことになるでしょう。
6/25日経 分断下でも進む脱炭素
<河北コメント>
この記事はとても重要だと思います。今年行われている各国の選挙は脱炭素に向けた動きが後退するという文脈で捉えられる事が多いが、国家ブロック間の競争が広がる中で、エネルギーを安定的に確保するために何が必要かという視点から、今後必要な投資を考えていく事も必要となる。
6/26日経ENEOS改革、見えぬ「社外取」の次