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『敬語』という名の防具

出来て当たり前は私にとって超難題


私はとにかく初対面の人と話す事がヘタクソなんです
まず、目を見ることができないし
緊張して必ずどもってしまう


子どもの頃からそんな感じで
周りのみんなが滑らかに楽しそうに話している様子に心底びっくりしてた
そんな幼い私がなんとかクラスメイトと話せるようにと考えたことが  敬語  を使うことでした


なんで敬語?って思いますよね
私にとって、いわゆるタメ語で会話をすることはとてもハードルの高いコミュニケーション方法だったんです


この感覚は上手く書き表せないのだけれど
例えるなら身一つでモンスターと戦っている感覚


クラスメイトといってもそんなに親密にじゃない人もいるわけで
そんな人に馴れ馴れしく話すのは失礼なんじゃないかな?とか、
話題が途中で途切れたら不自然になるんじゃ?とかとか
とにかく私が誰かと話をする時は常にたくさんの事を考えてしまう


そんなこともあって、会話が苦手でした
でも中学生の時にクラスメイトと話す際に敬語を使ってみたら、驚くくらいスムーズに話すことができた


敬語を使うことで馴れ馴れしいかな?と気にすることがなくなったし
敬語を使うと少し話し言葉が長くなる
その間に話題を考えることもできた
だから私にとって敬語はまさに防具だった


でも、これはなかなか理解してもらえなかった
それはそうだ
だって同い年のクラスメイトがめちゃくちゃ丁寧な敬語を使って話してくるんだから
私がコミュニケーションを取るために必死で身につけた敬語という防具


これがどうやら邪魔なものだとみなされてしまった
だから、すぐに

「敬語やめてよ」

と言われてしまった


私のこの感覚を口下手な私は上手く説明出来なかった
だからやっぱり私は変な人という認定をすぐにされた


当たり前や普通
って誰にとっても当たり前で普通じゃないんだよね


あなたにとって当たり前で普通な事でも
それが当たり前でも普通でもない人が
ほんの少しだけいる


多数決で全て決めないで
そんなほんの少しだけの存在がいるんだよって
存在を知ってもらえるだけで
私のような普通じゃない人は助かります


もちろん、私にとっての普通は
他の人には普通じゃない
それも私は分かっている


りんごは赤い
って言う人がほとんどだけど
りんごはしましま模様
って言う人がいてもいいんじゃないかな?
なんて思いながら


私は今日も  敬語  という防具を身につけながら
会話をしている
でも、少しだけ防具をつけなくても話せる人もできた
あなたと防具無しで話せるまで
ちょっと時間がかかっちゃうんです


でも、だんだん、だんだん
防具が外れて生身の私で話せるようになって行くから
今はまだ防具をつけてお話をさせて欲しい
あと少しだけ、待っててね



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