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#119 あまんきみこ『きつねのおきゃくさま』(1場面)をChatGPTが心情メーターを活用して読み取ると?

今回から、いよいよ、AIのチャッくんと授業を始めます。

まず、手始めに1場面(ひよこと出会う場面)を読み取らせ、心情メーターを考えさせてみました。

すると、

と返ってきました。
食べたいメーターの指数は、痩せていた為、すぐに食べる気持ちがなかったという理由から6にしたと言っているので、場面の読み取りがしっかりできているように感じました。
しかし、仲良く暮らしたいメーターは、8と高いです。理由を見ると、
「きつねはひよこが困っている様子をみて」とあります。

おそらく、

「ねえ、おにいちゃん。どこかに いい すみか ないかなあ。こまってるんだ」
きつねは こころの なかで、にやりと わらった。
「よし よし、おれの うちに きなよ」

ひよこが、こまっていると言ってると言った後に、自分の家につれていってあげたことが、仲良く暮らしたい気持ちを表してると読み取ったんだと考えられます。
ここでは、「にやりと わらった」がポイント。
なぜ「にやり」なのか?
それはきつねは、仲良くなんか暮らしたいと思ってるわけでなく、だましているため、まんまと罠にかかったことで「にやり」と笑っているのです。
チャッくんは、この「にやり」がきっと読み取ることができなかったのでしょう。

そこで、チャッくんの真意を確認するために、
次のことを聞いてみました。

国語の物語の学習において、叙述に即して読み取ることが基本です。
叙述を無視する読みをすると、「妄想」になってしまうからです。
教科書に使用されている挿絵なども、あくまで参考程度として、読み取りの根拠としては使用しないように指導します。

やはり、食べたいメーター指数は、
「がぶりと やろうと おもったが、やせているので かんがえた。 」
という叙述から数値を決めているので、しっかりと読み取れています。

一方、仲良く暮らしたいメーター指数は、
「ねえ、おにいちゃん。どこかに いい すみか ないかなあ。こまってるんだ」
「よし よし、おれの うちに きなよ」
という叙述から、8にしていることが分かります。
予想通り、「困っている」といったひよこに対して、「うちにきなよ」とさそってる叙述から、仲良くしたいと考えたことがわかります。

「きつねは こころの なかで、にやりと わらった。」という叙述は読み取っていないこともここで、わかりました。

1場面の授業における、キーセンテンスは。
「きつねは こころの なかで、にやりと わらった。」
だとわかります。
チャッくんにはこの、にやりの裏に隠された意味を理解するのは難しかったようです。
ただ、「やさいいおにいちゃん」とひよこに言われてきつねは、戸惑っている様子を読み取れているので、もう一押ししたら理解が深まりそうです。

そこで、この2つの心情メーターの数値を比べながら読み取らせました。

すると、食べたい気持ちと仲良く暮らしたいという気持ちを比べたとき、この時点では、どちらの方が強いか考えさせたところ、食べたい気持ちの方が強いと答え、指数を6から8に上げ、仲良く暮らしたいメーターの指数を8から6に下げたのです。

まあ細かく見ると、「ひよこが困っていることに同情し」などはつっこみたいところでもありますが、脱線しそうなのでやめておきました。

ここまでは概ね読みとれています。

どうして変えたのか聞いてみると、

さらに、食べたいメーターの指数が8から9へと1つアップしているのがわかります。
お腹すいてるけど、やせてるから太らせてから食べようとしているところから9にしたと言っています。

理由を聞いてみたところ、

指数の根拠となる叙述を、
「がぶりと やろうと おもったが、やせているので かんがえた。 」から「がぶりと やろうと おもったが、やせているので かんがえた。  ふとらせてから たべようと。  そうとも。よく ある、よく ある ことさ。」
までにしています。
読みが深まっているのがわかります。
すごいよチャッくん!

チャッくんにも、読みの深まりが感じるか聞いてみると、

「新しい視点や理解が得られることがある」
と答えてきました。
やはり
対話は
重要です。

普段の授業でも対話を主軸にして授業をすすめていきたいと改めて実感しました。

以上1場面のチャッくんとの対話授業でした。

次回は1場面の読み取りをくわしく振り返ってみたいと思います。

続く…

それではまた!


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