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だるま回り解体新書②技の手順比較

だるま回りとは、かかえこみ回りとも呼ばれる鉄棒の技の1つです。

学習指導要領解説「体育編」によると、
腹を鉄棒に掛けて前に回る支持系の基本的な前転グループ技の1つとして例示されており、中学年で指導することになっています。

こんな技でした↓

この技、できるようになると何回でもぐるぐると回転することができるのです。
まさに人間ジェットコースター!!


このだるま回りは、できるようになると中毒性がでてきます。
休み時間になると、不思議なことに、無性に何回でも回りたくなるのです。

では、このだるま回りはどうやってできるのでしょうか?
技を細分化しながら解説していきます。
だるま回りができるようになるために必要な技が10個あります。

①つばめ
②腹支持
③ふとん干し
④ふとん干しブランコ
⑤ふとん干しブランコからのつばめ
⑥だるまさん
⑦ブランコの足
⑧フッハッの動き cat&cow
⑨だるまブランコ
⑩つばめ→だるまブランコ

前回のだるま回り解体新書①では、使う筋肉について解説していきました。


今回は、手順です。

だるま回りの開始方法は3つあります。
①だるまブランコから
②つばめ→だるまブランコ
③助走から

一番な簡単な②のつばめ→だるまブランコでの手順を紹介します。

①つばめ
これは跳び上がれば簡単にできます。
苦手な子は低い鉄棒を使えば跳び上がることさえなくなります。

②だるまブランコ
体を前に倒し、手をももに抱え込んでだるまブランコに入ります。
勢いがあれば1回目で回転してしまいます。
無理でもこの勢いを利用して回転するまで前後に揺らしていきます。

これだけです。
簡単でしょ?
そうなんです。
だるま回りは手順がシンプルなので、取り組みやすいのです。
やりかたさえわかってしまえば、休み時間に一人で練習できてしまいます。

逆上がりはどうでしょうか?

①踏み込み位置の確認と構え
②脇をしめ、ひじを曲げて体を鉄棒に引き寄せる
③脚を勢いよく振り上げる
④足首のスナップを生かして踏み込む
⑤振り上げ足と踏み越し足で地面を蹴り上げる動きと協応動作
⑥振り上げ足を鉄棒にかける
⑦手首を返す

①踏み込み位置と構え: 鉄棒を中心にして、利き足が後ろになるよう、足を前後に足を広めにして構えます。これが、踏み込み位置です。
後ろに下げた利き足が振り上げ足になります。前に出した逆足に体重をのせます。順手での逆手でもできますが、苦手な子は肘を曲げやすい逆手の方がやりやすいです。踏み込み位置が決まったら踏み込み足を一歩さげておきます。そして勢いつけて一歩前にだして力強く踏み込むのです。

②脇をしめ、ひじを曲げて体を鉄棒に引き寄せる:脇が開いていると力が入りにくいです。筋力が弱い子ならなおさらです。

③勢いよく足を振り上げる:踏み込む足と反対の足をふりかぶりながら高く上げます。この動作がないと重力に負けてしまいます。
前足で踏み込んだときに後ろにある振り上げ足を前に振り出し、その勢いを利用して力強く地面を押して反発エネルギーをもらいます。あくまで踏み込みが先で、振り上げは後です。振り上げを先にしてしまうと反発エネルギーは少なくなります。

④足首のスナップを生かして踏み込む: 地面から大きなエネルギーをもらうために、足の裏全体を使って地面をしっかりと押すことが大切です。ただし、直立した姿勢でないため、足裏で踏み込んだ後、足首を伸ばし、スナップをきかせて、最後はつま先で蹴り上げます。

⑤振り上げ足と踏み越し足で地面を蹴り上げる動きと協応動作:④と⑤は一連の動作になるので、同時進行で行います。この動きの中がスムーズにできないと逆上がりは絶対にできません。

⑥振り上げ足を鉄棒にかける:振り上げた足を鉄棒にかけないと、重力まけて地面に落ちます。
だから振り上がった足をすばやく鉄棒に引っかけるようにしていきます。

⑦手首を返す:振り上げ足が鉄棒にかかったら、手に力をいれて鉄棒を押しながら手首をかえしておきあがります。これができれば逆上がりは完成です。

なんと!!7つもあります。
さらに1つ1つがバラバラではなく、動きの協応が求められます。

算数のわり算の筆算より難しい手順です。
これをまともに指導したら鉄棒嫌いになりますよ。

逆上がりと手順を比較すると、どれほどだるま回りの手順が簡単なのかご理解いただけたでしょうか?
技の難易度には手順も入ります。
手順が複雑だから、高学年になってから指導する技として逆上がりが例示されているのです。
まちがっても低学年で逆上がりの指導をしてはいけませんよ。

それでも逆上がりの指導をしますか?
私はしません。
難しいですし、何より楽しくありません。

だるま回りは手順も簡単なので、一人で練習しやすいです。
きっとやり方さえわかれば、休み時間練習することでしょう。

そして何より、だるま回りはできると超楽しいです。

だるま回りができる子を増やして鉄棒好きを増やしていきましょう。
鉄棒好きな子を育てたい先生方いらっしゃいましたら、
ぜひコメントください
お待ち申し上げます



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