暗幕のゲルニカ 原田マハ

ピカソの名画「ゲルニカ」を巡る製作に至る歴史と、その反戦への思いと、その思いが強すぎるがゆえに起こる陰謀の話。

ピカソが活躍していた頃、ナチスドイツがヨーロッパで猛威をふるっていた。

それはピカソの故郷であるスペインを攻撃し、何も責任のない市民も巻き込まれた地獄となった。

その様子を印象派的に作り上げたのがゲルニカであり、そのゲルニカは反戦の象徴として、世界をめぐり平和が戻ったスペインに展示された。

また、そのゲルニカを模したタペストリーは国連本部のロビーに展示されている。

時を隔ててアメリカで同時多発テロが勃発し、イラク戦争がはじまろうとしていた。

その時に国連本部で記者会見に応じたパウエル国務長官の後ろにゲルニカのタペストリーがあるはずだが、暗幕がかけられていた。

この本は、冒頭に下記のように書かれている。

「芸術は飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」

まさにこの本の書きたいことであることがわかる。

いい本に出会えました。

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