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【30分エッセイ】 久しぶりに、母と二人で食事をした。


今、起きた。本当に、今目覚めた。厳密には起きていたんだけどね。ハミガミも終わっているし、ハチミツと漢方を溶かした、あったかウォーターも飲み終わった。で、そのあと、10分だけ寝たの。それで、今!

頭を起こすためにも書いているんだ。今は、あたまがボンヤリしてるんだけど、徐々に起きてくると思う。とっても気持ちのいい朝の仮眠だった。
朝にする昼寝? 
なんだか不思議な表現だね。
二度寝、って感じでもない。
小休止? 
いや、休むほど何もしていないわ。
ちょっと眠かったから、ちょっぴり眠ってしまおうという試み。

いやぁ、とっても気持ちいい。頭がスッキリした!
さてさて、と言いたいところ。

さてさて。昨日は久しぶりに母と二人で外食をした。
本当に久しぶりだったと思う。最後に二人で外食した記憶っていつだっけ?
それくらい久しぶり。二人きりというのが久しぶりだった。友達が何人かいたり、親戚が来たりしての外食は何度かあった。でも、二人きりは久しぶり。不思議な空気が流れていた気がする!

ウチの家族は仲がいい。
ベタベタしてるワケではないんだけど、普通に会話ができる。平気でオナラをプップと鳴らす関係だ。オナラを基準に仲良し度を測るってどうなのと思うけど、分かりやすい例えが思いつかなかったの。
なんにしたって仲がいいと思ってる!

仕事の愚痴は、基本的に家族に話す。というか、家族にしか話せない。
友達とか仕事仲間には言えないなぁ。だからね、考えちゃうことがある。
家族全員、いなくなっちゃったら、ウチは誰に愚痴を言えばいいんだろうって。

話が逸れちゃった。
まあ、ウチは家族と仲がいいんだよね!

久しぶりの母との外食は、不思議な感覚があった。あのね、愚痴が出てこないのよ。家の中だったら、次から次へと出てくるのにね。なんだか不思議。ウチは、わりかし静かで、母がひたすら喋ってた。母は仕事の話ばかりしてた。愚痴というよりも、仕事でこんなことがあった、あんなことがあったってね。ビールを傾け、顔を桜色に染めながら。いつもと構図が逆転してたんだよね。ウチが聞き役。

食事の量は減った気がする。昔から母は少食だったけど、二人で外食に行くと、如実に食べた量が分かっちゃうんだね。母は、少ししか食べていなかった。

いつもだったら気にならなかったのに。食事の量とか、お酒の量とか。食べ方とか、おしぼりの位置とか。そういう変なトコロに目がいった。

家族って、一番近いはずなのに。
一番理解していると思っていたのに。
ウチの目の前には、全然知らない母がいたの!

最近は、ロボットが配膳したりするんだね。
母はロボットに大興奮していた。「ロボットになりたい」という意味不明なことまで言っていた。まあ、ウチも大興奮だったんだけどね。そこらへんの感覚はおんなじなんだと思った。正確に運んでくれるし、健気に「ありがとうございます」と言ってくれるし、人間よりもいい部分もあるね、なんて話していたよ。

そういえば、注文方法もタッチパネル式のものが増えたでしょう?
母は老眼が進んで、画面の文字が見えないから、操作は全部ウチだったんだ。「こういうのは若者の仕事だから」と言っていたけど、なんだかそんな時も、新しい母の顔を見たって感じ。だから母は、メニューはあまり見ない。ウチが注文したものを楽しみに待っているだけ。なんか、とってもいいなと思った。ウチもこうなりなたいなって思った。

食事の最初は変な緊張感があったけど、終わる頃には割といつも通りの空気になっていた。といっても、ウチはずっと聞いてるだけだったけど、母は桜色から朱色に変わり、饒舌に何度も同じ話を繰り返す。他にも一緒に人がいたら、面倒臭い酔っ払いだったんだけど、昨日はなんでも話してよね、って感じだった。

なんでなのかしら。
とっても幸せで、目の前にいる家族のことが尊いと思うのに、ウチは「これが最期だったらどうしよう」とか考えちゃう。でも、これ、今に始まったことじゃなくて、昔からのクセみたいなもの。でもね、年齢を重ねてきた分、リアリティは増してくるよね。

帰り道、坂を登っていたら、母の歩調が遅くなった。そんなことにもウチは胸がシクシクしたんだ。でもね、同時に、とっても力が湧いてきた。だって、母の手を引くことができるのはウチしかいないんだから。今度はウチの番なんだって。

小さい頃は、散々手を引いてもらってきた。
今になって。大人になって。親からもらってきたものを知る。
たぶん、これから、もっと知ることになる。
恥ずかしい言葉だけど、それが愛ってことなのかもしれない。

今日はなんだか、朝からおセンチ。
いや、とってもいい夜だったからさ!

あ。ちなみに、無言で手を差し伸べてみたんだけど、母には無視されたよね!
私をおばあちゃん扱いしないでよ、って感じだった。だから、まだしばらくは、手を引く準備はしない。ウチのペースで坂を登って、時々振り返る。そんな感じかな!

人生はツライことばかりだけど、考えるほど、豊かにも感じる。
自分に漂う淋しさの出どころは分からないけど、今日も一日、頑張ろっかな!

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