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地域にはクリエイターが足りない。

移住して3年が過ぎた。
TETAUというチームランスで課題解決型のクリエイティブを進めている。
だが、クリエイターはいつも不足している。

最初に和歌山県に移住してきたときは、現地のクリエイターを集めて、地域を盛り上げるような活動ができると思っていた。

しかし現実は違った。
デザイナーやライター、カメラマンなどを名乗るクリエイティブ職の人はもちろん存在する。もちろん技術が低い人ばかりではない。

ただ、「ビジョンを描き、課題を解決する」という一点においては、それができるクリエイターはほとんどいない。仕事(作業?)として、クライアントの言うことを実現することはできても、課題を洗い出す作業や、解決方法を導き出すことはほとんどできなかった。

私が思い描いていたクリエイターチームを今のまま作ることは無理だと感じた。

閉ざされたコミュニティではクリエイティブは育ちにくい

小さなコミュニティでは意見を表に出す、という経験が自ずと少なくなる。より良いコミュニティを維持するためには必要なことだと理解できる。(変わっていると思われる)意見を出すことは、自ら危機を招くことであり、平準的にしていくことが最も利口に見える。

本質的に物事を考えている人がいないわけではないが、それを表に出すと「変わり者」と認定されるので、それを受け入れた上で世間を無視してやるか、もしくは自分の意思を隠すかのどちらかになる。

前者は強さを持っていて、感動さえ覚えるが、本来そんなところに労力をかけずとも良いのに、と思うところに労力がかかって非効率だし、後者はもったいない。

実際、本来、地域の維持を考えると表に出てくるべき人が出ておらず、平準的な、ど真ん中をいく人が、地域の蓋となり、上から押さえつけていると感じる。

こんな環境で、クリエイティブを発揮するのは相当力がいる。一人でそれができる人は限られているだろう。

「意見を出しにくい地域」を課題だとして、地域に投げかけたとしても、それ自体が「変わっている、理屈っぽい」と評価されてしまい理解されにくいのは容易に想像できる。

ここで、非常に重要なのが「デザイン」の力、だと思う。

地域のクリエイターの最も大事な仕事は「空気をデザインする」

『気づいていなかったけど、いつの間にかそうしていた。そうなっていた。』

それは空気を作る、ということだ。

大した空気ではない。
新しいものを拒絶せず、一旦受け入れようとする空気があれば、大抵のことには応用できそうだ。
(そのプロセスは現在研究中。ようやく見えてきている。)

「空気をデザインする」それは地方再生・維持の分野にとって、最も大切で最も難しいチャレンジだ。

人の思い、時間、行動、、、様々なことを想像し、どんなものがあれば空気が作れるのか。どんな空気を作ればいいのか。
それを考えていくクリエイターをつくりたいと考えている。
いろんな考え方があった方がいい。いろんな企画が生まれるといい。

クリエイターは地域から生み出していく

地方再生・維持のためのクリエイターは全員ではないにしても、必ず何かしらその地域に強いゆかりがないと難しいと思っている。特に持続可能性という意味でだ。
風の人は、他にも強い課題を見出せば、そちらに関心がいくだろう。そういう人はそういう人で、地域と地域、地域と世界をつなぐ役割があるだろうと思う。

風の人がいくらつないでくれたとしても、地域を維持するためには土の人が受け止められなければ、意味がないのだ。
いくら都市部の人が地域に来て力を貸してくれても、永久に根本的な問題は解決しない。

現時点では風の人と土の人の間に入ることができるクリエイターを地域から生み出していく仕組みを作ることこそ、重要だ。また時代が進めば、重要なことは変わるだろう。でも今はまだ「間に入る人」が必要だと感じる。

楽しい試行錯誤が必要だ。

とはいえ、実際には試行錯誤の日々。上のような思想だけでは現実的に何か起こすのは難しい。

現在クリエイター育成に関連して行っている活動は、いくつもある。
どれがうまくいくかわからないし、どれもうまくいかないかもしれない。

でもそれが楽しくもある。どんな未来になっていくのか、考えると楽しい。楽しいと思えば続けることができる。

試行錯誤が楽しいと思えるクリエイター、地域の中から生み出します。


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