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完璧な人などいない。映画『フローレス』

こんばんは。きなこもちです。

好きなことを好きなだけやるって思ってるよりも難しいですよね。だからこそ、困難に立ち向かいつつも自分のやりたいようにやっている人を見ると、どこか救われるところがあるのだと思います。

今日はドラッグクイーンと堅物な元警官の奇妙な友情を描いた映画『フローレス』を紹介します。

あらすじ

あるアパートにドラッグクイーンのラスティと元警官のウォルトが住んでいた。ウォルトは非常に保守的な性格だったため、夜通し大騒ぎしているラスティとしょっちゅう喧嘩していた。

ある日、マフィアの金を盗んだチンピラがラスティの部屋に逃げ込んできた。チンピラは隠れたもののすぐに見つかり、その場で射殺されてしまった。ウォルトはその銃声を聞き、過去の刑事としての血が騒いで犯人を追いかけるが、階段を降りる途中で倒れてしまい、搬入先の病院で脳梗塞と診断される。ウォルトは右半身がマヒ状態となりリハビリを余儀なくされる。

ウォルトはプライドが高く、リハビリで看護師に手を取られることがどうしても我慢できず、ついにリハビリを終えないうちに自殺まで考えるようになり、家に帰ると言い出した。ヘルパーを家に派遣してもらいリハビリを続けることになっていたが、そのヘルパーにも当たってしまう始末。ラスティは普段から喧嘩していたためウォルトのヘルパーの帰り際にも「あんな頑固親父相手にするだけ無駄よ」と言い放つが、ヘルパーの男がイケメンだったため「君のピアノが彼のリハビリに役立つと思うんだ」と言われてほだされてしまう。

いやいやながらウォルトのリハビリに付き合うことになったラスティだったが、少しずつ打ち解けていくのであった。

オスカー俳優の共演

ウォルトはロバート・デ・ニーロ、ラスティはフィリップ・シーモア・ホフマンが演じています。素朴ですが二人の掛け合いがとても面白く、序盤の事件発生よりも、この二人と周囲の人たちとの交流が映画のメインです。どちらかといえばコメディ映画です。

ロバート・デ・ニーロはこれまでのイメージで有能な警官でいきそうなので、最序盤でいきなりマヒになるというのは斬新です。誰かに頼らねばどうしても生きていけなくなる。これまでの人生を振り返ると屈辱的な状況に陥る。ただでさえ嫌なのにドラッグクイーンにリハビリされる。。。ロバート・デ・ニーロだからこそやってほしい感じの役です。

対するフィリップ・シーモア・ホフマンはいつでも抜群の演技をするので、安定感がハンパじゃないです。おもしろいドラッグクイーンの役をやってて、これもまたよいです。フィリップ・シーモア・ホフマン、何でもできちゃうからなーと思ってますけどね。

いろんな人が苦悩を抱えている

ウォルトは素晴らしい警官だった自負があるので、引退後仕事がなくなったことで退屈してました。そこに飛び込んできたチンピラとマフィアの抗争。事件は起こらないほうがいいはずなのに、明らかにキラキラしてしまいます。そこからのリハビリ生活への導入は本人にとっては十分すぎるほどの転落人生となっています。

ラスティはそれに比べるとずっと好きにやってるように見えますが、射殺されてしまったチンピラは実はラスティの友人でお葬式に出席することになります。その葬式に何を着ていくか。ドラッグクイーンなので女性として出席するなら女性物の喪服ですが、ラスティは男性用のスーツで出席することにするのです。そして、そこで再開した人たちから心ない言葉を言われる。弔いたくて向かっただけなのに、あまりにもつらい現実です。

そんな二人が現実に折り合いをつけながら楽しく生きることを模索する様子がとても微笑ましいです。

あと個人的にはラスティが他のドラッグクイーンと罵りあってるシーンが好きです。よくそんな言葉出てくるなと笑っちゃいます。またそのドラッグクイーンがものすごくきれいなので、男性だとは言われなければ気が付かないです。

おわりに

この映画、序盤の展開はハードですが、基本的にはまったり見られる映画です。ほどほどのアクションを見つつも、ほっこりしたいときにオススメです。


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