見出し画像

鬱系ハーレムマンガ『少年のアビス』

こんばんは。きなこもちです。

現在LINEマンガにて『少年のアビス』が3巻まで無料公開中です。

前から気にはなってたんですが、内容重そうだしと敬遠してました。無料期間だからと一気読みしたら、めちゃめちゃ面白かったので紹介します。

鬱系ハーレム漫画

『少年のアビス』はのっけから鬱です。主人公の黒瀬令児は祖母の介護に引きこもりの兄の暴言暴力に母親の依存に地元の幼なじみからのパシリにと鬱の国士無双みたいなことになってます。もう一人の幼なじみの女の子・秋山朔子が一見キラキラしてるだけに余計痛々しい。狭い田舎のコミュニティで、どこにも行けない。そんな彼が憧れのアイドル青江ナギと出会ったことで彼の日常が急激に変わります。

急激に変わるというのが主に死にたくなる方向で。地元の川である情死ヶ淵は文字通り情死、心中した人がいるという伝説の残る場所なのですが、そこで心中しようと青江ナギに提案されるのです。そこからのあれこれで一緒に死にたい青江ナギ、黒瀬に気づいてもらえてないけど片思いしている秋山朔子、心中しようとした現場にたまたま居合わせた柴沢由里と、いろんな女性に迫られつつ、むしろ迫られるからこそ死ねなくて死にたくなる、ぐっしゃぐしゃのドロドロの愛憎劇です。

過去読んだ、見たいろんな作品を想起させる

田舎のどこにも行けない辛さや狭いコミュニティ、そこで生まれる静かな狂気に押見修造の『惡の華』を、情死ヶ淵と三人の女性に迫られる状況に太宰治の『人間失格』を、年上の女性に迫られて断りきれず何度も関係を持ってしまう弱さにダスティン・ホフマン主演映画の『卒業』を想起させられました。

今あげた作品のどれか一つでも好きなら、このマンガにはそこそこハマるんじゃないでしょうか。それぞれの作品について書くと長くなるので書けませんが、どれも非常に濃厚でオススメです。個人的に『卒業』なんかは最初から最後まできっちり通して見てほしいですね!花嫁奪いにくるシーンだけ見るのは、この映画の本質を見誤ります!

上に上げた作品だと主人公とその周りの女性を主軸にしていて、周りの男性にあまりフォーカスされてこなかったのですが、『少年のアビス』では今後の展開で周りの男性にもフォーカス当たりそうなので、とても楽しみです。

峰浪りょうの作品『ヒメゴト』もオススメ

『少年のアビス』作者の峰浪りょうの作品だと『ヒメゴト〜十九歳の制服〜』もオススメです。主人公が『少年のアビス』に比べれば圧倒的に健全なので読みやすいです。

内容は男っぽい見た目の女の子、由樹が実は家は高校のときの制服を着て自慰に耽っていて、同じ大学に通う未果子、佳人とひょんなことからそれぞれの秘密を共有する中になるという、これはこれでなかなか危ない話です…。でも最後まで読むと結構爽やかなエンディング迎えるので、序盤はアレですが私の中では薦めやすいですね。

最初『少年のアビス』と『ヒメゴト』が同じ作者の作品だと知らずに読んでいたので、びっくりしました。よく見ると確かにー!となりましたけど、『ヒメゴト』はもう十年前の作品で、絵は『少年のアビス』の方がよりきれいになってます。『少年のアビス』の鬱展開がちょっと怖いなら『ヒメゴト』から入ってみて、峰浪りょう作品がどんな感じか知ってから、さらに手を伸ばしてみるとよいでしょう。

おわりに

峰浪りょう作品は私好みだとはっきりわかりましたので、『少年のアビス』は絶対最後まで読みます。


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?