キナコ

フリーで編集・ライターとしてゆるゆる働く38歳。6歳の息子と夫の3人暮らし。 個人的な…

キナコ

フリーで編集・ライターとしてゆるゆる働く38歳。6歳の息子と夫の3人暮らし。 個人的なお話を書いています。

記事一覧

免許皆伝。引き続き頑張りマセン!

先日大人の発達障害の検査を受けた。 まず医師の診察を受けるまでに、電話で2度、症状かもと思ったエピソードなどを伝える。やりとりをした連携室と医師の調整があったのち…

キナコ
6日前
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「許さない」ことの大切さ

わたしは28歳で1度結婚し離婚している。23歳から5年付き合い結婚した彼は、常識がなくバカなわたしには躾が必要だと、度々暴力を使って教えた。彼は普段穏やかな人に見えて…

キナコ
10日前
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“不幸の星の下に生まれる”

“不幸の星の下に生まれる”ということばがある。不幸なできごとばかりが起こる悲しい運命にある、といったことを指すのだろうが、わたしはこの言い回しがあまり好きではな…

キナコ
2週間前
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発達障害などではなく高IQだった

X(旧Twitter)の画面に、タイトルの文言が飛び込んできた。案の定というか、“発達界隈”の人たちから大きな反響があり、軽く炎上していた。子どもの発達検査を受けたお母…

キナコ
2週間前
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普通で退屈な家族がほしかった

息子に発達障害の疑いがあると言われたとき、わたしの頭のなかには「やはり」と「またか」と「なんで」がぐるぐるとめぐった。 「またか」というのは、わたしの兄が軽度の…

キナコ
1か月前
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「普通」じゃない子どもと言われて

現在6歳の息子は、3歳半検診のときに発達障害の疑いと言われた。病院嫌いの息子を機嫌良く連れて行くために、「積み木とかおもちゃがあって楽しいよ」と向かった検査会場。…

キナコ
1か月前
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選択的ひとりっこ

20代前半までは「彼氏は?」と聞かれ、 20代後半には「結婚は?」と聞かれ、 28歳で結婚すると「子供は?」と聞かれるようになった。 32歳で息子を産んでからは「ふたり目…

キナコ
4か月前
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わたしにはママ友がいない

わたしにはいわゆる「ママ友」がひとりもいない。息子は保育園に生後3ヶ月から通う、この道6年目のベテラン園児だ。友達を数で測るものではないと理解してはいるが、子ども…

キナコ
11か月前
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クーラーとアボカドの木 

春先にたしかアニメの影響かなにかで、植物を育てることに興味を持った息子と一緒に、マリーゴールドとバジルの種と、2つの観葉植物を購入した。息子は、ハーちゃん、パン…

キナコ
11か月前
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免許皆伝。引き続き頑張りマセン!

先日大人の発達障害の検査を受けた。 まず医師の診察を受けるまでに、電話で2度、症状かもと思ったエピソードなどを伝える。やりとりをした連携室と医師の調整があったのち、「たぶんそうですね」ということで、医師の診察へ。その後心理士との面談を経て、最初の電話から2ヶ月後、ついに検査だ。 わたしが受けたのは成人用の知能検査「WAIS-Ⅲ」および、ADHDの症状をチェックするための心理検査「CAARS」というもので、その結果を書く。先に結論を言うと「お察しの通り、あなたが感じた不具合は

「許さない」ことの大切さ

わたしは28歳で1度結婚し離婚している。23歳から5年付き合い結婚した彼は、常識がなくバカなわたしには躾が必要だと、度々暴力を使って教えた。彼は普段穏やかな人に見えて、仕事仲間はもちろん、友人や兄弟すら、妻に暴力をふるう人間だと想像もできなかったと思う。彼はよく、いかにわたしが異常であるかを夜中から朝までじっくり話してくれるような人だった(当時は本気で「してくれる」と思っていた)。世間から見た彼は常識的な人間で、むしろ異常なのは特殊な家庭環境で育ったわたしの方。そんなわたしを

“不幸の星の下に生まれる”

“不幸の星の下に生まれる”ということばがある。不幸なできごとばかりが起こる悲しい運命にある、といったことを指すのだろうが、わたしはこの言い回しがあまり好きではない。日本のような平和な国における不幸の多くは、動かすことのできない「さだめ」などではないのではないか。 自己紹介がてら、わたしの人生の前半にやってきた不幸の星屑たちを、ちょっと渋滞気味なのだが紹介する。主なコンテンツとしては、親の暴力とメンヘラ、貧乏と自己破産(まぁこれはだいたいセット)、宗教、兄の知的障害である。

発達障害などではなく高IQだった

X(旧Twitter)の画面に、タイトルの文言が飛び込んできた。案の定というか、“発達界隈”の人たちから大きな反響があり、軽く炎上していた。子どもの発達検査を受けたお母さんが、心理士に言われたことをそのまま記していて、これから我が子に合うサポートをしていけたらといった内容だったと思うが、“発達界隈”の人たちからしたら「いやそれ、立派な発達障害だから。認めなよ」的なことだったのだろう。 息子の発達障害の疑い(結果は違った)をきっかけに、夫婦の中でわたし自身の発達障害の疑いが浮

普通で退屈な家族がほしかった

息子に発達障害の疑いがあると言われたとき、わたしの頭のなかには「やはり」と「またか」と「なんで」がぐるぐるとめぐった。 「またか」というのは、わたしの兄が軽度の知的障害を持っているからだ。世の中のみなさんには障がい者に優しくしてほしいと心から願う。しかし、誤解を恐れず言うならば、わたしは障がい者とはもういっさい関わりのない人生を送りたいと思い続けていた。障害を持つ兄とは冠婚葬祭くらいでしか会うことはない。毎日のように届いたメールにうんざりし新しい連絡先は教えていないし、つな

「普通」じゃない子どもと言われて

現在6歳の息子は、3歳半検診のときに発達障害の疑いと言われた。病院嫌いの息子を機嫌良く連れて行くために、「積み木とかおもちゃがあって楽しいよ」と向かった検査会場。息子はそれはそれは楽しく遊び倒してしまう。無理やり座らされた歯科検診はかろうじてクリアしたが、それ以外の検査は椅子に座っていられず受けることもできなかった。 保健師の先生に「いつもこんな感じですか?」と声をかけられて、世間話をするつもりで、「はい〜もう困った子で〜」なんて答えていたら、話の終わりに黙って一枚の紙を渡さ

選択的ひとりっこ

20代前半までは「彼氏は?」と聞かれ、 20代後半には「結婚は?」と聞かれ、 28歳で結婚すると「子供は?」と聞かれるようになった。 32歳で息子を産んでからは「ふたり目は?」と聞かれ、その後はあらかた「ひとりっ子でかわいそう」と続く。 わたしは多子世帯で育ち、そして貧しかった。兄がふたり、私、妹の4人兄妹で、確かに賑やかで寂しくはなかったけど、「貧しかったけどあの頃幸せでした!」みたいな大家族の話を聞くと、えぇ〜、そんな世界ほんとうにある?と本気で思う。 多子なのと貧し

わたしにはママ友がいない

わたしにはいわゆる「ママ友」がひとりもいない。息子は保育園に生後3ヶ月から通う、この道6年目のベテラン園児だ。友達を数で測るものではないと理解してはいるが、子どもの頃から「友達をつくる」ことが苦手だったわたしは、大人になっても友達が少ないことをやはり気にしてしまう。 神経をすり減らす人間関係や読み解くことができなかった女子ルール、終わり際の分からないメールのやり取り、それらがとても苦手で、頑張ることができなかった。だからといって友達なんて不要だと言えるほど強くもないし、煩わ

クーラーとアボカドの木 

春先にたしかアニメの影響かなにかで、植物を育てることに興味を持った息子と一緒に、マリーゴールドとバジルの種と、2つの観葉植物を購入した。息子は、ハーちゃん、パンちゃん、バジルくん、くうちゃんとそれぞれ名付け、保育園へ向かう前の水やりを毎朝の唯一のルーティーンとした。 毎日家で仕事をする私は、夏のはじまりから冷房で足先が冷たくなるくらい涼しい部屋で過ごしておりそして、8月の中頃には息子が大切にしている観葉植物たちはみな瀕死状態になっていた。次々と葉が落ち、枝が黒くなり、枝の一